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第6775号

【主な記事】

東京北部局が落成
郵便・物流ネットワーク再編第1弾
5月からゆうパック区分

 世界3位の郵便取扱量を誇る日本郵便が、物流ソリューションセンターを併設した東京北部郵便局(埼玉県和光市)を4月15日に落成した。全国に69ある現在の地域区分局を大規模地域区分局に集約し、最新技術で機械処理効率を高めながらネットワーク全体の生産性を大幅に向上。全国津々浦々までより速く、正確に郵便や荷物を届ける仕組みを構築する。東京北部局はその「郵便・物流ネットワーク再編」の第1弾。東京北部局に続き、北海道、岩手、新潟、静岡、広島、山口の各エリアに大規模地域区分局が2016(平成28)年にも完成する。東京北部局は5月4日の開局に伴い、ゆうパックの地域区分業務を開始。郵便の地域区分業務は8月23日にスタートする。日本郵政グループ中期経営計画「~新郵政ネットワーク創造プラン2017~」に掲げた17年度ゆうパック6億8000万個の達成を目指していく。東京エリアでは16年1月以降、東京北部局を含む3地域区分局で、集配局の区分など内務業務の集中処理を拡大する。

 東京北部局は土地約3万2000平方メー
トル、建物約7万80
00平方メートル、東京外環自動車道の和光北インターチェンジから車で3分。6階建で、2階の事務所以外の五つのフロアにはすべて発着設備がある。郵便番号上2桁16~18地域の地域区分業務と道順組立などの集中処理を行い、拡大の一途を辿るインターネット通販に対応するためワンストップ物流ソリューションを提供できる体制を整えたことを特徴としている。
 郵便を3万通/時の速度で自動的に種類とサイズ別に揃えて押印する「取り揃え押印機」、はがきや封書の宛名や住所を瞬時に読み取り4万通/時の速度で自動的に配達順に並べる「書状区分機」、大きな雑誌などの郵便・ゆうメールを4万通/時で配達エリアに分ける「フラットソーター」、ゆうパックを3万6000個/時で配達エリアに分ける「小包区分機」などのほか、チルドや冷凍の倉庫も完備している。
 4月15日に行われた披露式典で髙橋亨社長は「設計、施工は大和ハウス工業様、建物を借り受けるのに日立キャピタル様など多くの方々にお世話になり、落成することができた。〝町の郵便屋〟というイメージを忘れず社員全員が地域を大切にしてほしい。これまで新東京局と東京多摩局で処理してきた首都東京の郵便物と荷物を、今後は東京北部局含めて三つの地域区分局で約440万人の物流を支える。全国の物流施設も新しい時代の『郵便・物流ネットワーク』を築いていく。日本郵政グループの株式上場を首尾よく迎えたい」など感謝の意を表した。
 和光市の松本武洋市長は「今年は市制45周年。これまで市の北側には大きな施設がなかったが、記念すべき年に市の発展を象徴する施設ができたことがこの上なく嬉しい。日本の物流がグローバルスタンダードに向けた転換点となることを期待したい。地方創生時代に、その企業が市内に拠点を持つことを誇りに思う」と強調した。
 松本市長、大和ハウス工業の石橋民生副社長、日立キャピタルの川部誠冶執行役専務、日本郵便の髙橋社長、井上修三常務執行役員東京支社長、成田司東京北部局開局準備室長による落成記念のテープカットが行われ、和光市のキャラクター〝わこうっち〟と〝さつきちゃん〟、日本郵便のキャラクター〝ぽすくま〟も駆けつけた。
 小包区分機の始動式で、近隣の「ハレルヤ保育園」の園児らが初スイッチを押すと、ゆうパックを乗せたベルトが勢いよく動き出し、明るい歓声と笑顔が広がった。



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