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 年/月

第6754号

【主な記事】

郵政グループ、2015年3月期決算を発表
経常利益5187億円、1.8%増
年末繁忙期にさらなる増収目指す

 郵政グループは11月14日、2015年3月期中間決算を発表した。郵政グループ連結の経常収益は7兆1056億円(前年同期比5.7%減)を計上し、純利益は2171億円(同1.2%減)となったが、営業利益に運用など財務活動などの事業以外の損益を加えた経常利益は5185億円(同1.8%増)を確保した。
 日本郵便はゆうパックなど物流事業が伸展したが、収益を上回る費用が膨らんだ。
 日本郵政の市倉昇常務執行役は、「年度末決算に向けて年賀はがきや歳暮など年末の繁忙期に注力することにより一層の増収を図る」と語った。また、日本郵政の上場をにらんだ通期見通しには郵政グループ中期経営計画「~新郵政ネットワーク創造プラン2016~」を反映させているとし、その進捗状況を「中期経営計画初年度の上半期の段階としては65%で、まずまずだった」と見解を述べた。

3年ごとの見直し幅広く意見を聴取[郵政民営化委]
 郵政民営化委員会(増田寛也委員長)は11月10日の委員会で、来年3月までに作成する見直しの意見書について「内容を申し上げるのは時期尚早だが、現在幅広く意見を聞いている」と状況を説明した。
 委員会は3年ごとに民営化の進捗状況を総合的に検証し、その際、参考にするための意見を関係方面から聴取する。今回は9月1日から10月3日まで意見を募集。様々な企業や団体が意見を提出した模様だが、全国郵便局長会(大澤誠会長)も「経営の自主性、創造性などの実現に向けた環境整備」を求める意見書を提出している。
 第122回目を迎えた委員会では「郵貯銀行及び郵便保険会社に係る移行期間中の業務の制限等に関する命令の一部改正」やアフラックのがん保険の取扱状況、郵政グループの資本再構成などについて金融庁や総務省、郵政グループ各社からヒアリングを行った。
 増田委員長は、日本郵便の国際宅配便事業の参入について「委員から『北米大陸でEコマースの割合が非常に高くなっているがどう対応するのか』との質問があり、日本郵便は『まずアジアに重きを置くが、カナダにはネットワークがあるため、そこはいける』と答えていた。ヤマト運輸はUPSと連携しているようだ」と語った。
 記者団からの「アフラック商品の成果などはどのように検証していくのか」との質問に、増田委員長は「見方が広範囲にわたるが、経営全体に対する収益、販売体制などだと思う。消費者の声も十分に聞く必要がある。取扱件数は現状想定しているものより少ないが、現段階では評価できない。販売局がさらに広がった時に、効果の分かりやすい資料を求めたい」との見解を示した。
 また「委員会は来年3月に3年ごとの見直しの意見書を政府に提出するが、現状は」には「先般仙台に行き、意見書作成のための聴取を行った。前々回の6年前、100人以上の有識者に聞いた時と同様に幅広く意見を聞いている。6年前の意見書の内容なども踏まえたい」と強調した。
 「地銀の再編をどのように見ているか」には「地方創生の委員も務めているが、民営化委員長という立場ではなく発言したい。急激な人口減少の要因には各地方で若い人たちの雇用の場を確保することが難しいことが挙げられる。再編のようなことは他の部分でも出てくると思う。金融庁の方向性も確認していきたい」と述べた。


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