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2021年11月22日第7119・7120合併号

【主な記事】

かんぽ新規業務を届出
医療特約を改定、保障を充実

 かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づく新規業務の事前届け出を総務省と金融庁に11月10日、行った。同時に保険業法上の認可も申請した。けがや病気の際の医療保障(特約)を充実させるとともに、死亡保険を低く抑えることにより、低廉な保険料で保障を受けやすいようにした。販売は来年4月から開始できる見込み。新規契約が大きく落ち込む中、新たな医療特約の投入による巻き返しが期待されている。

 新規業務は「医療保障の充実」というニーズの高まりに応えた。改定されるのは「傷害医療特約」と「総合医療特約」で、医療特約と入院特約の保険金が合わせて1000万円の上限が設定されている。改定は「死亡保障の充実」「保険料の低廉化」「入院・手術保険金の充実」の3つ。
 死亡保障の充実としては、従来の保険は、医療保障は死亡保障(基本契約)と同額という規定があるが、死亡保障の5倍まで(年金保険の場合は基本年金額の20倍)医療保障が設定できるように約款を改定した。
 入院保険金を日額5000円にするには、従来のものであれば333万円の死亡保障に加入しなければならないが、新しい特約では100万円の死亡保障で500万円分の医療保障が受けられる(入院日額の計算:500万円×1000分の1=5000円)。詳細な保険料金は示されていないが、死亡保険を低く設定すれば、保険料は安くなる。
 けがや手術で入院した場合は、入院一時金と手術給付金が支給される。新特約では入院一時金は5倍から20倍に上がる。
入院一時金は、入院初日に加えて30日ごとに1回支払われる。最大120日までの入院に支給されることから、入院保険金日額の20倍が最大で5回、支給される。これまでの入院一時金は何日入院しても5倍の額1回だけだった。
 入院保険日額5000円の場合、入院1日なら入院保険金と合わせて10.5万円(従来のものなら3万円)、30日の入院なら従来の2倍に当たる35万円(一時金が10万円×2で、入院保険金が5000円×30日)が支給される。
 手術については、外来手術が増えていることから、手厚くした。入院中の手術と外来手術はともに入院保険日額の10倍。従来の保険は、入院中の手術が20倍、外来手術は5倍。
 傷害医療特約と総合医療特約は、解約返戻金のあるタイプ、解約返戻金低減型、無解約返戻金型、学資保険がある。保険業法上の認可は12月末の見込み。サービス開始は日本郵便のコンサルタントがかんぽ生命保険に出向する4月の予定。



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