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2021年8月30日第7107号

【主な記事】

[日本郵政]増田寛也社長に聞く
夢のある郵政グループ
国民の期待に応える


 昨年1月に日本郵政社長に就任し1年半余り。就任当初からかんぽ生命の不適正募集問題への対応など、多くの難問がのし掛かってきた。一方で中期経営計画「JPビジョン2025」の策定、楽天との資本・業務提携など、ビジネス面でも新たなフェーズを迎えた。かんぽ問題をきっかけに実施されている組織風土の改革や、DX(デジタル・トランスフォーメーション)という大きな社会の変化にも対応しなければならない。新たな一歩を踏み出す大事な時期に差しかかった日本郵政グループ、その指揮を執る増田寬也社長に展望を聞いた。

■かんぽ問題で急きょ社長に就任されて、1年半余りが経過しました。厳しい状況でご苦労も多かったのではないでしょうか。
 これまで様々な不祥事がありました。未だに不祥事が出ており、お客さまからお叱りもいただいています。就任の経緯が通常のような形態でなく、前任者が不祥事の責任を取って急きょ退陣をするということの中での就任でしたので、厳しい状況であることは覚悟していました。様々な考え方があると思いますが、凪の状態、穏やかな中と、波が立っている場合で就任するのではマネジメントに違いがあると思います。
 救われるのは、全国どこに行っても郵便局は国民すべての人が思い描くことができる存在だということです。それだけ深く生活に根差しています。
 一から知名度を高めるというのはとても無理です。郵便局は既にイメージを持たれています。信頼回復を進める一方で、すでにお持ちの郵便局像をうまく未来に向けて膨らませるようにしたいと思っています。
 多くの不祥事がありましたが、郵政グループは夢のある仕事をしています。就任から1年半が経ちましたが、まだまだやるべきことがたくさんあります。何より、全国のお客さまのご期待に応えていきたいと思います。愚直に、着実にこなしていけば、きちんと責任を果たせると思っています。状況が大変というのは、最初からそう思っていましたので、「やるべきことをやる」ということに尽きると思います。

■信頼回復や組織風土の改革などに取り組まれてきました。JP改革実行委員会など外部の意見も取り入れてこられました。信頼回復や組織風土の改革の進展の状況は。
 昨年の就任以来、かんぽ生命の不適正募集問題をはじめ、大きな不祥事に対して様々な対応策を取ってきましたが、この半年余りの間に二つの大きな節目がありました。 一つは昨年の10月から、ご迷惑をおかけしたことをお詫びするための信頼回復に向けた活動を始めたこと、もう一つは今年の4月から新たな営業スタンスへ移行したことです。
 信頼回復に向けたお詫び活動を始めた頃は、大変厳しいご意見を数多くいただいたこともありましたが、お客さまの声を見ていると途中から徐々に激励のお言葉などに切り替わってきた印象を持ちました。
 4月からは信頼回復に向けた活動を継続しながら、お客さまのニーズに応じた金融商品のご提案も再開しましたが、再発防止策が浸透していることが大前提です。
 かんぽ生命の不適正募集問題は、決して忘れてはいけない大きな不祥事ですので、信頼回復のためには地道に活動を継続していく必要があります。
 そして、二度と繰り返してはいけないという強い想いと共に、これからはより多くのお客さまの信頼が獲得できるようお客さまに寄り添っていくことです。
 信頼回復を果たした先に向けて、進んでいかなければならないと思っています。

■現場を管理する局長のモチベーションについては、どのように捉えられていますか。
 4月にマネジメント体制を大きく変えました。
 単独マネジメント局の局長にも、積極的に窓口の社員に声かけをすることを要請し、窓口の社員がどのような想いで日々仕事をしているのか、局長に重点的に見てもらっています。
 窓口の社員のモチベーションアップにつながるようなマネジメントをお願いしたいと考えております。
 私も局長やフロントラインの社員の話を直接聞いておりますが、最初は社員も心配していたようです。今はそこを乗り越え、日々お客さまに懸命に向き合うということで取り組んでいただいていると思っています。
 また、今年度は営業目標を設定しておらず、フロントラインでも試行錯誤は続いていますが、局長も「不祥事を二度と繰り返さない」という強い決意を持ち、社員と共に懸命に頑張っている、と受け止めています。

「共創プラットフォーム」構築 デジタル郵便局を強化

■中期経営計画「JPビジョン2025」の柱の一つである「共創プラットフォーム」の目的について聞かせください。
 これまでも「郵政グループにとって、全国約2万4000局の郵便局ネットワークが強い武器になる」と、様々な場面で繰り返し申し上げてきました。そこでもう一度、郵便局ネットワークを「プラットフォーム」という形で捉え直すことにしました。
 その利点を、我々だけで使うのではなく、地域にある様々な企業や地域コミュニティの皆さまにも参画していただき、十二分に活用していただこうと思っています。これが「共創プラットフォーム」の基本的な考えです。
 リアルのネットワークが大事なことは言うまでもありませんが、一方で、仕事のやり方についてはデジタル化できる部分が多くあると思います。デジタル化により業務を効率化していけば、新しい仕事を取り込む時間が生まれます。社員からも、時間ができればお客さまに様々なご案内ができる、そういう意見が出ています。
 デジタル化を進める業務として例えば、かんぽ生命では紙ベースで手続きをお願いする場面が多くあります。入院時の手続きでさえ、お客さまに書類を紙ベースで送ってもらい、また送り返すという、お客さまにご不便をかける煩雑な手続きとなっております。
 リアルなネットワークに、デジタル技術を駆使したネットワークを融合していくことで、郵便局ネットワークを更に強くしていけば、共創プラットフォームの利点がより活かされると考えます。
デジタルとリアルの郵便局ネットワークを組み合わせることで、ネットワークの機能をより高めて、利用しやすくしていきたいと考えています。

■地域の活性化にもつながることが期待される共創プラットフォームですが、その担い手については。
 共創プラットフォームは、地域の皆さまに参画、利用してもらうことで、地方の活性化にも結び付けていきたいと考えています。郵便局の社員が主役となり、その地域の活性化のために提供していくものだと考えています。
 郵便局には地域の様々な情報が入ってきます。郵便局のチャネルやアンテナを使って、地域でどういうものが必要とされているのか、お客さまから何を求められているのか、よりタイムリーにキャッチするといった活動が、これから地域の活性化にとって重要なことになります。
 郵便局の社員には、共創プラットフォームの担い手として役割を果たしてもらいたいと期待しています。

■共創プラットフォームの実現に向け、「JPデジタル」で人材育成とアプリ開発を行い、企業や自治体、NPOなどと一緒にビジネスを展開していくということですが、どのようなプランがあるのでしょうか。
 共創プラットフォームは、リアルの郵便局ネットワークにデジタルネットワークを付加し、組み合わせるということが核心であり、非常に重要な点です。デジタル化を進めることが最初の一歩であり、デジタルネットワークを整えることで、多くの企業が、このネットワークを使おうという形で入ってきてくれると思います。
 楽天グループ様と設立した「JP楽天ロジスティクス」も言ってみれば、共創プラットフォームの先取りのようなものです。全国津々浦々を網羅した配達網と、楽天グループ様が持つデジタル技術による配達の効率化と利便性の向上を組み合わせることで、そこで荷物を確実に増やし、それを収益として持ってこられるようにすることです。
 JP楽天ロジスティクスは7月にスタートしました。数字として直ぐには出てきませんが、2年、3年経って収益に反映できるようにしていきたいと思います。
 まだ、共創プラットフォームから生み出されるビジネス全体が、どの程度の収益を上げられるか具体化できておりませんが、毎年の事業計画の中で、数値化できるものは順次、明らかにしていきたいと考えています。
 DX人材がなかなか集まらない、取り合いのようになっています。悩ましい問題でもありますが、グループ横断的・一体的に DX施策を推進していくために設立した「JPデジタル」に対して随分、問い合わせがあるということも聞いています。
 郵政グループのように規模が大きく社会的役割を担っている企業が、世の中に対して、ドローンやAIを活用したDX化に取り組む姿勢を、しっかりとメッセージとして出していくことが大事です。

■デジタル化の進展は政府をあげて取り組んでいますが、高齢者の多い過疎地では馴染みが薄く、郵便局が果たす役割があると思われます。
 地域が抱える問題は、それぞれの地域によって異なります。都市部の郵便局では、金融商品の販売を中心にニーズに応えていくことになりますが、地方部、特に過疎地は、金融商品と類似のものだけでは地域のお困りごとに対応した形にはなりません。
 デジタル化に対応できないお客さまもたくさんいらっしゃるでしょう。そういう地域こそ、リアルの郵便局の役割は大事です。みまもりサービスの他、人口減少で必要とされる場面が多くなると思います。例えば、相続の問題などもこれから多く出てくるでしょう。
 自治体の首長からは、「公共性のある郵便局にもっと役割を果たしてもらいたい」という声も多く聞きます。特に過疎地の郵便局を中心に、今よりもっと多様なお困り事や、ニーズに対応した仕事をしていかなければなりません。ただし、その一方で重要なのは、そのことで社員がオーバーワークになってもいけません。
 デジタル化に慣れない方もいれば、スマホを使いこなせる方も増えております。できるだけ手続きを簡素化して、窓口の社員の負担を減らし、仕事のやり方をもっと簡便にしていくことで、地域の様々なお困りごとを解決する相談の時間も生み出されます。
 状況によりますが、本社ではなく、より地域に近い支社・エリア本部で適切に判断する必要性も高まります。地域性を持ちながら、特に過疎地の郵便局は、自治体など公共的な機関が果たしてきた役割に対して、対価をいただきながら肩代わりをするように変わっていくべきだと考えます。

支社へ権限の委譲も 地域で欠くべからざる郵便局に

■郵便局の仕事は、地域の実情やニーズに合わせて変わっていくということですね。
 仕事の内容は地域によって相当違いがあるかもしれません。高齢化は全国的な課題ですが、細かく見れば地域差があって、地域の医療機関の体制なども県によって違いがあります。地域でお困り事が何かあった時に、どういう対応を取っていけばよいのかということにも、地域性があります。
 理想としては、地域で困っていることについて、「あの郵便局に行けば社員が直接、解決してくれる」ということだと思います。直接対応できる分野は限られているかも知れませんが、郵便局に情報が集まっていて、「こういう問題についてはここに行けば解決できる仕組みがある」「ここに解決できる人がいる」、あるいは「自治体にうまく伝える」といったことを郵便局が担っていくことです。
 地域住民の生活面でのお困り事に対しては、自治体が直接対応するというよりは社会福祉協議会で対応することが多いのですが、例えば、災害などでボランティアの皆さんに協力いただく場合、災害発生直後など社会福祉協議会が大混乱しているような時、郵便局も大変だとは思いますが、少しでもお手伝いできることがあるのではないかと思います。
 郵便局に行けば何がしかの智恵があって、地域のお困り事を現場ごとに判断して解決できる存在になること、すなわち「地域で欠くべからざる郵便局になること」が、これからの郵政事業の生き方になるのではないかと思います。

■郵便局の数については、どのように考えられていますか。
 確かに人口減少は止めることができませんが、だからといって、単に郵便局の数を減らすという考えにはなりません。むしろデジタル化によって、郵便局のこれまでの業務を合理化できるところは合理化する、そういうことで生み出された新たな時間を、地域のお困り事などの対応に充てることで、先ほど申し上げた「地域で欠くべからざる郵便局」になることが重要です。フェース・トゥー・フェースでないと、本当に突っ込んだ話ができませんから。
 例えば、相続の相談などは専門知識が求められる場面が多くありますが、郵便局の窓口社員も勉強して、そういうことに対応できるようにしたいと思います。それには相当な時間が必要です。
 一から十まですべてを相談に乗れることはできませんが、専門的なところにつなぐことはできると思います。デジタル化により仕事が合理化できれば、相続など難しい問題のお手伝いをしたいという社員も出てくるのではないかと思います。
 申し上げたいことは、現在ある郵便局の数をどうしていくかというよりも、仕事の中身をどれだけ地域のニーズに応じてこなせるようにしていけるか、そういうことを考えていくことが大事ではないかと思います。

■全国一律のサービスでなく、地域の実情に合ったサービスでは、支社や郵便局への権限移譲も求められると思います。
 全国規模で起きている問題は本社が判断しますが、今後は現場に近い所で判断することが多くなってくると思います。支社・エリア本部で判断できるように見直していくことが必要です。
 これまでの経緯を調べてみると、郵政省・郵政事業庁・日本郵政公社の時代から民営化が進んでくるに応じて、支社に配属する人数も少なくなってきたようです。細かい部分まで本社が判断するようになっていますが、判断権限や体制も含めて支社・エリア本部を厚くして、現場の仕事と本社で判断することのバランスを取っていった方が良いと思っています。
 これまでの体制が悪いということではなく、その時の状況に合わせた組織の在り方に、柔軟に変えていくことです。未来永劫、ベストな組織形態というものはありません。
 都市部と地方部の状況やニーズは変わってきています。過疎地は人口減少が急速に進んでいます。社会の変化の中で、現場に近い支社・エリア本部が権限と責任を持って判断してもらいたいと思います。
 岩手県の知事をしていましたが、その経験からも、今こそ郵便局長や支社長・エリア本部長が首長とよく話をして、過疎化の問題についてどう解決したらよいのか、お互いに持っている力を出し合う時期ではないかと思います。
 本社で全部の首長と付き合うのは到底できません。13の支社それぞれの支社長・エリア本部長が首長としっかりとお付き合いをし、現場で様々な解決策を共に見出していく、こんな姿がこれから必要になってくるのではないでしょうか。

■民営化以前は、郵便局と自治体は行政連絡会などで協議する場もありました。
 そのことは残念に思います。でも今は復活しているところもあるのではないでしょうか。民営化したというだけで、意識的に行政連絡会のメンバーから外したりするのは間違いだと考えております。局長も首長と常に連絡を密に取っておくべきでした。
 それに対する反省も出てきたのは、良いことだと思います。今こそ、局長を地域の連絡会に戻して智恵を出してもらう、長く地域をみている局長たちの判断を尊重していく姿勢は大事です。

「これからの広報プロジェクト」開始  情報発信を再構築

■日本郵政グループは収益性と共にユニバーサルサービスを含めて公益性も求められています。公益性を担っていることを広くアピールする必要もあると思います。
 情報発信力は強化していかなければなりません。大きな観点から考えると、例えば、資本主義についても、様々な反省点や見方が出てきて、数年前からは株主第一主義に対して、世の中全体が「様々なステークホルダーがいる中で、何が何でも株主最優先ばかりだと短期的な目線に陥ってしまう。企業が継続していかない」という方向に向いてきました。
 世の中には、社会インフラとして公共的な役割を担っている企業が多数存在します。日本郵政グループはまさにそうした企業の代表例で、担っている役割、これから担う社会的使命について、経営理念などを中心にもう一度きちんと広く伝える仕組みが必要だと思っています。
 具体的には、「これからの郵便局広報プロジェクト」という名称で、グループ各社の広報部や今年春に電通様から来てもらった専門家を中心に、日本郵政グループの広報戦略を再整理しています。
 その戦略に基づき、広告・宣伝などの方向性をグループ全体で整備しつつ、来年1月には新たなWebサイトを立ち上げ、情報発信力を強化していきたいと考えています。
 グループ各社は、それぞれ公共的な役割を担っていますが、収益性も追求していかないとネットワークを維持できません。大きな社会的役割を担っていることをお伝えできるように、全体の広報予算の効果的な使い方に対して再整理しようと思っています。
 経営理念に立ち返ることや、効果的な情報発信により、株主をはじめ様々なステークホルダーに郵便局の存在意義・郵便局ブランドをお届けしていきたいと思います。いろんな仕掛けを内部で検討しており、決まったら順次、行動に移していきたいと思います。
 情報発信はインナー向け・アウター向け両面で進めていくことが重要だと考えております。

■経営理念や経営方針、行動憲章を社内にもさらに組織的に浸透を図る取組みを進められていると聞いています。
 外に向け情報発信をするということも重要ですが、まずは社員に経営理念を浸透させていくことが大事です。昨年1月に就任した時に周囲に聞いたところ、社員は経営理念についてまで思いが至っておらず、「そういうのが何かありましたね」という雰囲気でした。
 「たいへん良い経営理念を持っているのにもったいない」と率直に思い、経営理念ハンドブックを作り、原点に立ち返ろうといろいろと議論を尽くしました。
 「お客さまと社員の幸せ」を実現していく、そのことにより「社会と地域の発展に貢献」していく、このことは非常に明確で、いま郵政グループに求められていることが集約されています。
 何か迷った、困った時こそ原点に立ち返ることです。私も「経営理念に立ち返ろう」と社員へのビデオメッセージなどで繰り返し発信しています。まずは社員に浸透させ、広報プロジェクトを通じて社外にも公共性を含めてお伝えをしていきたいと思います。
 社内では、研修の場などでトップメッセージを流す場面を増やして、その中で経営理念、企業倫理を社員一人ひとりに伝えるようにしたいと思います。時間をかけ、何度も繰り返していけば、少しずつ浸透していくでしょう。繰り返し続けていく仕掛けを作ることが重要です。
 経営トップが常に声高に唱えることが一番ふさわしいでしょう。経営理念のハンドブックを社員全員に配布しましたが、伝える仕組みは様々なやり方を考えていく必要があります。
 経営理念ハンドブックの作成・配布、解説ビデオの作成・研修、管理者研修、経営トップのセミナーなど様々な場面で、復習することが大切です。

コア事業の周辺分野も拡大 社会への貢献を果たす

■「JPビジョン2025」の後の5年、10年先の日本郵政グループの将来展望について増田社長はどのように描かれていますか。
 これまで郵政グループが培ってきた郵便・物流業、銀行業、生命保険業が最も重要なコア事業であることは変わりないと思いますが、事業の範囲を広げていきたいと考えております。
 一つは好立地に数多く持っている不動産を事業として柱にしていくことです。
 それから、新規ビジネスもあります。あまり本業と関係ない所にまで広げていくつもりはありませんが、本業を補完していけるような分野を考えています。
 残念ながらトール社はうまくいきませんでしたが、国際物流もこれから強化していかなければなりません。いきなり全世界というのではなくて、成長著しいアジアを中心に強化していきたいと思います。
 このように、今まで培ってきた本業の周辺部分から事業の柱に育てていきたいと考えています。
 新規事業を推進するための手段として、繰り返しになりますがデジタル化が第一歩です。デジタル化を急いで、これまでの業務を効率化し、新しい仕事に十分使えるように、強化していきたいと思います。

■「Pビジョン2025」にはSDGsの取組みも強化するとされています。
 公益性を求められている郵政グループは、大きな社会的使命を強く担っている企業です。これから社会や多くの国民が望み、期待している分野については積極的に取り組んでいきたいと思います。
 例えば、気候変動について海外ではグリーン化と呼ばれていますが、CO2排出の削減など、郵政グループとしても率先して対策に取り組むべき課題だと思います。
 特に車両数が多い日本郵便では、EV(電気自動車)なども積極的に取り入れています。郵便局や支社の建物からCO2をできるだけ出さないように、また使う電力も再生可能エネルギー由来のものに切り替えていきます。
 日本郵便は大量に紙を使っていますが、はがき、ゆうパック、レターパックなどの紙製品の再生紙の割合を高め、環境に良いものに切り替えています。
 DX化も急いで取り組むと同時に、グリーン化の分野にも積極的に取り組むことで、10年、20年先に向けて郵政グループの基礎をしっかりと作っていきます。新しく入ってきた社員の声を聞いても、気候変動や企業の社会的役割を敏感に捉えて、社会への貢献を積極的に果たしていくべきといった意見が多くあります。
 我々の世代は高度経済成長期で、右肩上がりでいろいろな事業活動をする一方で、CO2も排出するようなことを経てきたわけですが、若い社員の感性を活かし、社会全体の発展を考えていく上での大切な基礎となることについて、誠実にしっかりと取り組む企業体でありたいと思います。


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