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2021年3月22日 第7084・7085合併号

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教訓を忘れず 東日本大震災10年


 国内最大規模の揺れとその後の津波で、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から3月11日で10年が経った。死者・行方不明者は警察庁によると死者1万5899人、行方不明者は2529人。避難生活などで亡くなった関連死も約3700人となり、2万2000人以上の犠牲者を出した。
 未だに廃炉作業の見通しも不透明な東京電力福島第1原発事故も重なり、4万人以上が避難生活を余儀なくされている。
 日本郵政グループでは死者は62人となり、郵便局は120局、簡易局は39局が大きな被害を受け閉鎖された。また、当時の郵便事業会社も6支店・16集配センターで全壊や浸水の被害が生じた。
 全国郵便局長会は被災した局長、社員、家族を支援するため義援金を集めて地方会へ配分するなどの支援を行った。また“東北の仲間を援助しよう”と、全国の地方会や地区会も多くの支援物資を届けたほか、防災士会と協力してボランティア活動などに取り組んできた。
 11日には今年で最後となる政府主催の追悼式が、東京都千代田区の国立劇場で開催された。新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりの開催となった。天皇・皇后両陛下、菅義偉首相、遺族代表ら約210人が参列した。
 天皇陛下は、復興に向けて多くの人々の尽力と努力に敬意とするも、まだ様々な課題が残っているとして「復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切」と強調。
 さらに「大震災の大きな犠牲の下に学んだ教訓も決して忘れることなく、次の世代に語り継いでいくこと、そして常に災害に備えておくことは極めて大切」と追悼の言葉を述べられた。
 菅首相は「震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を、決して風化させてはならない。災害に強い国づくりを進めていくことを、改めて誓う」と式辞を述べた。


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