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2020年 1月13日 第7022号

【主な記事】

令和初の元旦出発式
12億8700万通を配達


 2020年・令和最初の「年賀郵便元旦配達出発式」が1月1日、全国の郵便局で一斉に行われた。郵便発祥の地、日本橋郵便局(三島由美局長)では、太鼓演奏や日本橋渡り初めなどのイベントが催され、華やかな雰囲気の中、年賀の配達に出発した。元旦に配達された年賀郵便物数は12億8700万通で、前年(14億3200万通)と比べて約1割減となった。

 日本橋郵便局で行われた出発式には、来賓の徳茂雅之参院議員、山本泰人中央区長、押田まり子区議会議長、JPグループからは三島局長、東京支社の鈴木章副支社長、宮本浩三副本部長、地元からは警察や消防、企業の代表者らが出席した。
 出発式は「中央区太鼓連盟」越一太鼓チームによる勇壮な太鼓の演奏で始まった。「ドーン、ドン、ドンドコ、ドンドコ…」、テンポの良い太鼓の音が響き渡り、出発を景気づけた。
 この地は、江戸時代に松平越前守の屋敷地があり、明治になり越前堀という町名になった。「越一」はそこから名づけられたという。
 出発式では、まず三島局長が「先人たちが雨の日も風の日も郵便を1通1通を大事に届けてきた。その積み重ねが郵便局への信頼になっている。昨年、その信頼を揺るがす事案が発生したことは、深く反省しなければならない。創業以来受け継がれた精神を今一度心に刻み、お客さま本位の業務をしっかりと努めていくことが信頼回復の第一歩になる」と式辞を述べた。
 来賓の徳茂参院議員は「メールやSNSといった新しい通信手段が発達する中、送り手の想いがこもった年賀はがきは、受け手の方は楽しみであり、温もりが感じられる。昨年はかんぽの問題で多くの利用者や国民にご迷惑やご心配をおかけしたが、元旦にしっかりとお届けし、地域の皆さまの郵便局への信頼回復の第一歩としていただきたい」とあいさつ。
 山本区長は「年賀状は1000年以上の歴史があるといわれているが、人の心と心を結ぶ日本独特の美風。郵便はあらゆる所に、人々の心を届け、重要な文書を届ける大きな機能を持つ。郵政事業が今年も立派な形で発展するよう祈念している」と祝辞を述べた。
 この後、中央区立日本橋小学校の4人の児童が、自ら書いた年賀状を山本区長に手渡した。会場では、来賓らによって幕が引かれると日本橋が現れ、渡り初めが行われた。
 青木孝弘第一集配営業部長が「エンジン始動、出発!」と号令をかけると、法被(はっぴ)姿の江戸消防記念会の人を先頭に、出席者、江戸時代や創業時、明治14年頃、明治20年の制服をまとった配達員、配達用の自転車やバイク、車が次々と出発した。
 創業時、明治14年の格好をした配達員が近くにある老舗「榮太樓總本舗」に年賀状を届けるイベントも行われた。
 元旦に配達された年賀はがきは、全国平均で前年比10.2%減。全国の減少幅は8.8%(北陸)~11.8%(東京)減。1割以上減少した地区は5地区あった。


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