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2020年 1月13日 第7022号

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[郵政グループ]新体制がスタート

 日本郵政と日本郵便、かんぽ生命保険は12月27日、役員の人事異動を発表した。かんぽ保険の不適切販売の一連の問題について責任を取り、日本郵政の長門正貢社長、鈴木康雄上級副社長、日本郵便の横山邦男社長、髙橋亨会長、かんぽ生命保険の植平光彦社長が辞任した。兼務している各社取締役の退任は1月11日付。
 新任には、日本郵政は増田寛也社長(東京大学公共政策大学院客員教授)、志摩俊臣(としたか)常務執行役〈総務・人事部門担当〉(前職等=総務・人事部門副担当)、林俊行常務執行役〈特命〉(国土交通省建設流通政策審議官)、日本郵便は衣川和秀社長(日本郵政専務執行役)、かんぽ生命保険は千田哲也社長(代表執行役副社長)が選任された。
 子会社の社長に、旧郵政省時代から長く郵政業務に携わる生え抜きの人材が選ばれた。
 日本郵政指名委員会の委員でもある長門前社長は昨年12月27日の退任会見で、社長人事について「今、選びうる経営者としてベストの人を選択できた」と述べた。 そのうえで内部昇格人事については「高市早苗総務大臣は天下りはダメという発言をされていたが、旧郵政省、総務省OBといった内部の人は、日本郵便やかんぽ生命保険の課題解決のために、トップとしてリードしていけると思った」と選任の理由を話す。
 内部昇格した2人の新ボードメンバーについて「日本郵政グループの経営をしていて思ったのが、ポスト(郵便)が好きだから郵政グループに入った人たちが経営した方がいいという側面が多々ある。惚れた会社で鍛えられたノウハウを十分に生かしやってもらう。内部昇格の方がいい側面が経営にはある」と強調している。
 日本郵便の衣川社長について、長門前社長は「郵政グループの人事や労務を担当し、苦労してきた。組合との折衝もしているので、そういうノウハウも生かせる。お役所文化が残り、自分のテリトリーにこもった議論をしている面がある中、衣川社長は自分のテリトリーを超えた問題についても、最も積極的に経営者の視点で参加してくれた」と評価。
 かんぽ生命保険の千田社長については「2年間、JPキャピタルの社長として投資の勉強をしてもらった。今回の問題が起き、かんぽ生命に戻り、事務センターの責任者として、お客さまの不利益の調査に携わってきた。問題と全面的に戦ってきた人」と適任であることを強調した。
 新体制に対して長門前社長は「当面のミッションはかんぽ問題の解決になると思うが、ぜひ郵便局ネットワークのポテンシャルを前向きに生かす方向で頑張って欲しい。総資産300兆円。こんな企業体はなく、ものすごい可能性を感じている。2万4000の物理的拠点と人を持っている。インターネット、AI、IoTと融合するとものすごいポテンシャル。新ボードメンバーにはグループの長所を思う存分伸ばしていって欲しい」とエールを送った。


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