「通信文化新報」特集記事詳細

　今年も余すところひと月足らずとなり、あわただしさが増すが、郵政事業を取り巻く環境は厳しい状況が続く。しかし、多くの郵便局では、局長と社員が一丸となり、郵便局の持ち味を生かしながら、お客さまとの良好な関係を維持している。そのような中、平成30年度実績でV3を目指している中国支社管内の郵便局を訪ねた。岡山県備前西部地区連絡会（野村和正統括局長／岡山津島）の津高郵便局（吉本康成局長）。同局のある岡山市は岡山県の南東部に位置する政令都市。人口は約72万人で、中国・四国地方で2番目に多い。桃太郎と吉備団子が有名で、モモやブドウなど高級フルーツの生産地でもある。主な見所は、日本3名園の一つである「後楽園」をはじめ、「池田動物園」「岡山城」などがある。また、津高郵便局の右隣りには「坂野記念館」がある。故・坂野鉄次郎の郵政事業における多大な巧績を永く記念するもので、児童や生徒をはじめ、郵趣家を中心に多くの見学者が訪れている。

　山陽新幹線岡山駅で下車、路線バス（中鉄）に乗車し北へ直進、津島の交差点を右へ入り、3キロほど道なりに進み、「坂野記念館前」のバス停で下車、約50メートル戻ると、左手前方に津高郵便局が見えてきた。
　吉本局長は昭和63年5月1日付で福渡局に採用となった。数局転勤後、福渡郵便局の課長を経て、平成27年4月1日付で津高局長に就任、５年目を迎えており、前年度から保険担当の副部会長を務めている。
　スタッフは13人で、局長、課長、課長代理2人、主任4人、社員1人、期間雇用社員3人。利用世帯は約8000で、人口は約1万9000人。1日当たりの来局者は70～80人である。
　局前には幹線道路（国道53号線）が走っており、局周は住宅街。商店や事業所も多数あるほか、団地やマンションも増えつつある。また、金融機関は地銀が3店、JAが1か所、最寄り局は横井郵便局（約2キロ）である。

 地域やお客さまと共に歩む
　地域やお客さまあっての郵便局で、関係を良好に保つとともに、明るくさわやかなあいさつでお客さまを迎える。お客さまが何を求めているのかをしっかり把握し提案するなど、お客さまの立場に立った対応をするように指導している。
　また、一人でも多くの郵便局ファンを増やし、地域の中で存在感を示せるように全員で取り組むことにしており、来局者には「山彦あいさつ」を行うようにしている。
　このほか「心を込めた対応や会話」や「お客さまが気分良くお帰りいただける対応」などを全員で行っている。
　
 全員参加を大事に
　営業目標については、ガイドラインを見すえ、目標はできるだけ年内に達成し、その後は、少しでも上乗せできるように努めている。
　また、営業推進のためには全員参画が大事で、原則として個人目標を持ち、事務室内のホワイトボーに書かれている推進状況書を常に把握し、効率的な勧奨を行うことにしている。
　一方、渉外担当は課長代理を中心に、2人の主任が情報の共有化を図るとともに、データを分析したり、事前準備をしっかり行ってからアプローチをすることにしており、より高い成約率を維持できるように取り組んでいる。
　万一、ガイドラインを割りそうな場合には、内外全員で打ち合わせを行うことにいる。

 人材育成に努める
　局長は社員に対して、指示待ち人間でなく、自分で考え、自ら行動する社員づくりに努めており、対話やコミュニケーションを重視し、気づいた際にアドバイスをするようにしている。
　カウンターセールスに当たっては、主に課長が責任者になってアドバイスをすることにしており、顧客第一主義に基づき、全社員が利用者の立場に立った説明や勧奨ができるようにしている。
　また、渉外関係については課長代理が中心となって、営業や業務面の指導をしながら営業推進に取り組んでいる。
　このほか、全体的に達成感を持って仕事をするようにしており、社員は自己啓発に取り組むとともに、時にはＯＪＴなどを活用して人材育成に努めている。

 ミーティングや会議
　ミーティングは形式的でなく、10～15分日々行うことにしている。進行役は社員が交代制で行い、各担当が各事業の推進状況や各種の情報を発表している。
　次に課長が周知・伝達を行い、最後に局長は支社や連絡会関係の話をしたり、気づいたことをアドバイスすることにしている。夕礼は毎日でなく、必要時に適宜行うようにしている。

 地域活動の実施
　地域とのかかわりについては、主に局長が当たっており、年数回の清掃活動、地域の敬老会、学校訪問、絵手紙教室、職場見学などを対応している。また、お客さまルームでは、年に数回、「作品展」を行い、地域の方々の各種作品を展示するようにしている。