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2019年 10月21日 第7010号

【主な記事】

日本郵政グループ 里山保全活動に80人
東京・八王子の清水入緑地で


 JP里山コミュニケーション従業員参加イベントが10月5日に東京都八王子市の清水入緑地公園で開催された。今年の春に続く3回目の催し。
 日本郵政グループは、社会貢献活動の取組みの一環として、2018年度からJP里山コミュニケーションの活動を実施している。人手や予算等の問題により、自治体が所有する緑地や公園の整備が行き届かず、景観や環境保全、レクリエーション、防災等の本来の機能を失うことが多くなり社会問題となっている。
 日本郵政グループは、地域に寄り添い、事業を展開する企業グループとして、問題解決に貢献。地域コミュニティの活性化とグループと地域とのつながり・コミュニケーションを深めるため、「JP里山コミュニケーション」を旗印に、グループ一体となって活動を展開している。
 晴天に恵まれたイベント日には、家族連れを含めた、日本郵政グループの従業員およそ80人が参加した。
 開会宣言の後、日本郵政の木下範子執行役は「お集まりいただきありがとうございます。JP里山コミュニケーションも3回目を迎えた。この3回の間に環境問題は、大きな問題になってきている。国連での16歳の少女の演説など話題に尽きないが、大きな話もさることながら、私たちはJP里山コミュニケーションで緑に接して、身近な環境問題を少しでも考える機会となれば良いと考えている。今日も、健康第一安全第一で楽しくやっていただきたい」と語りかけた。
 日常的な整備を行っているNPO法人ドングリの会から作業の説明を受けた後、笹刈り・笹の根退治と竹刈り作業に分かれて取り組んだ。
 竹刈り作業班は、まずゴミの収集に着手。準備を整えて、枯れた竹やしな垂れた竹を鋸で切り倒していく。3メートル以上に成長した竹を次々と伐採する。倒れる前には声をかけて注意を喚起。倒れた竹を集めて積む作業に汗を流した。
 今年の春に開催された第2回目には、笹が生える斜面に、落ち葉を積んで堆肥を作成する場所(竹囲い)を作っており、笹刈り班は、斜面に散らばる落ち葉を拾って竹囲いに投入した。
 その後は、鎌と剪定鋏(せんていばさみ)を持って、1メートル前後の笹を刈り、林床から刈った笹を移動し通路脇に棚状に積み上げた。
 子ども連れの参加者は「家族で自然に親しむのが好きで、子どもたちも自然に親しむ良い機会だと思う」と話していた。
 NPO法人ドングリの会は「自然界には、植物間コミュニケーション、植物と昆虫のコミュニケーション、植物と昆虫、人間のコミュニケーションがある。最近では、植物間できちんとコミュニケーションを取っているという報告も発表されている。昔のように、昆虫が多く住み、子どもや大人が遊びに行けるような明るい里山を再現するために、手入れをするのがプロジェクトの趣旨」とコメントしている。
 密度の高く生い茂った笹原や竹林を除去した後、もともと自生していた樹木を育てて生態系を戻し、景観や防災等の本来の機能を取り戻すことで地域コミュニティの再生にも貢献することが「JP里山コミュニケーション」の最終的な目標とされている。
 参加者に日本郵政グループが発行したSDGsBookを配布した後、日本郵政の広報部が終わりのあいさつをして解散した。


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