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2019年9月23日 第7006号

【主な記事】

高市総務大臣、2年ぶりの就任
持続可能な地域づくりを


 第4次安倍内閣第2次改造に伴い9月11日、高市早苗総務大臣が就任した。翌12日には新旧大臣事務引継ぎ式や交代式が行われた。
 高市大臣は「幅広い資源を持った総務省の政策を組み合わせて、課題解決する発想で仕事に取り組みたい」と抱負。
 石田真敏前総務大臣は「約11か月間、予算や地方税制は評価いただけたが、東京一極集中の是正への取組みは十分とは言えない」と課題を残す。
 高市総務大臣は、2017年8月以来2年ぶりの就任(前回の総務大臣就任は2014年9月)。力点を置く政策として、「サイバーセキュリティ対策」「地方の雇用と所得の拡大により地方の経済を確かなものにする」「持続可能な行政サービスの提供のための新たな地方行政体制の実現」「被災自治体の財政支援」の4点を掲げた。
 地域活性化については「地域の特性を生かした持続可能な地域づくり、働く場所づくり、消費拡大に向けて全力で取り組みたい。地方財源の確保、ICTの利活用を力強く進めていく」と具体策を挙げた。
 そのうえで高市総務大臣は「必要な政策を一つひとつ着実に進めて、結果を出していきたい。日々緊張感を持ち、気づいたことはすぐに行う」と取組みへの姿勢を披露した。
 12日の就任会見では「ふるさと納税やかんぽ生命保険の現状など厳しい時期に再任となった。多岐にわたる分野を所管する役所。様々な問題が出てくるのは当たり前。迅速に、公正公平に何より、納税者・国民のためになる仕事を行うため、全力で取り組みたい」と述べた。
 新旧大臣交代式で鈴木茂樹事務次官は「前任期間には、現場に足を運び、実情を見て政策を考えたことは財産として引き継がれている。政策に豊富な経験と高い見識をお持ちの大臣を再び迎えることができ心強く思う」と歓迎のあいさつを行った。

石田前大臣
東京一極集中の是正などに全力

 石田前総務大臣は11日の退任会見と前日の閣議後の会見で「就任時の課題として掲げた東京一極集中の是正やSociety5.0の国民への浸透、予算・法案の国会対策の3つについて一生懸命取り組んだ。十分にできたとまではいかないものもあったが、皆さまのお力を借りて無事、職責を果たすことができた」と振り返る。
 就任中の印象に残った出来事として「令和新時代の幕開けに、総務大臣として立ち会わせてもらったことを、大変喜ばしく誇りに思う」と感想を述べた。
 昨年10月の総務大臣就任後に政策の第一に挙げた東京一極集中の是正と地方の疲弊対策については「首都直下型地震などの災害リスクも含めて、経営者には事業の地方分散やテレワークの推進について意識を持ってもらい、早く取り組んでもらいたい」と対応策の必要性を強調した。
 Society5.0については「総務省に関係する5Gの電波の割り当てに地域間格差をなくすため、ローカル5Gを取り入れることができたことは良かった。Society5.0という考え方は国民的理解という点では十分ではないが、全国自治体の首長には総務大臣メールを通して、認識してもらえたと思う」と述べた。
 ローカル5Gは年内に制度化される予定。
 新旧大臣交代式で鈴木事務次官は「国としての立場や行政の理屈にとらわれがちな職員に対して、国民や地方の現場目線からご指導いただいたことは、政策への対応をより深めるとともに、職員に新たに視点や気づきを与えていただいた。感謝申し上げたい」とお礼を述べた。


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