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2019年 9月16日 第7005号

【主な記事】

全員営業で全種目達成を目指す
地域の郵便局として存在感を
上北山西原郵便局(奈良県)
松葉和宏局長

 令和元年度もあと1か月足らずで折り返しを迎えるが、郵政事業を取り巻く環境は依然として厳しく、全国の郵便局では局長と社員が一丸となり、お客さま本位の営業推進で全種目達成を目指して頑張っている。そのような中、近畿支社管内で持ち味を活かし、営業推進に尽力している奈良県南和地区連絡会(中村淑好統括局長/五條二見)の上北山西原郵便局(松葉和宏局長)を訪ねた。同局が所在する奈良県上北山村は、同県の南東部に位置し、西に大峰山脈の稜線、東に台東山脈・大台ヶ原を望む自然豊かな村である。主な見どころは日本百名山の「大台ヶ原」「瀧川寺」「北山宮」「景徳寺」「和佐又山」などがある。

 東海道新幹線京都駅で近鉄線の特急に乗り換え、大和八木駅で下車。レンタカーで南に約10キロ進み、国道169号線を道なりに約1時間45分走行、旧国道に出て150メートルほど進むと、左手前方に上北山西原郵便局が見えてきた。
 松葉局長は隣村の天川村出身で、平成8年11月25日付で辻堂局に採用となり、洞川局の課長を経て、28年4月1日付で上北山西原局長に就任、4年目を迎えている。スタッフは局長、一般社員、期間雇用社員の3人で、世帯は約50、人口は約70人である。
 1日当たりの来客数は3~4人で、周辺にJAや信金はなく、地銀である南都銀行の社員が1週間に1回程度、年金関係で巡回しているそうだ。最寄局は同じ部会の上北山局で、約12~13キロの距離にある。2018年度は本社営業表彰特別表彰を受賞した。

 郵便局は最後の砦
 全国的に少子高齢化や過疎化が進んでいるが、当地も御多分にもれず、局周は限界集落となっている。そのような中、局長や社員はユニバーサルサービスを提供し、地域住民の生活を守りながら、地域のための郵便局であり続けられるよう、心を込めた取組みと目標の達成に汗を流している。
 そのためには、事業関係の情報やサービスの積極的な提供はもとより、日々の生活に関するようなことでも、業務に支障のない範囲で協力している。

 ニーズに沿って
 営業推進に当たっては、年度当初から時期に応じたイベント等を勘案しながら計画を立て、できるだけ計画以上に推進できるように取り組んでいる。万一遅れが出た場合には、社員と相談しながら対応するようにしている。
 営業に当たっては、郵便局の都合で商品を売るのではなく、お客さまの要望を聞き、ニーズに沿うように心掛けている。また、推進については支社や連絡会で決めている毎月のガイドラインをしっかり把握して、過去の実績なども勘案しながら、できるだけバランスの良い推進管理を行うこととしている。
 来局者が少ないので、できるだけアポをとり、局長か社員が出向いて営業するように努めている。

 人材育成は義務
 エリアマネジメント局ではカウンターセールスが基本だが、局周の環境や世帯、人口などにより、局外に目を向けた営業活動等も不可欠である。
 そのためには、防犯やコンプライアンス面での配慮をしっかり行うとともに、局長はもとより、社員による局外活動が必要となり、幅広いお客さまサービスを提供していかなければならない。
 そこで、業務知識や接客マナーはもとより、相応の知識や自己啓発も必要となる。また、局長が不在のときには、ある程度の代行も必要となるので、定例的に情報交換や対話をしっかり行い、適時、適切な業務処理ができるように指導している。
 このほか、手すき時間を利用してOJTを交えながら指導を行い、良かったこと、気づいたこと、もっと良くなることをその都度言うようにしている。

 朝礼や会議の充実
 短時間だが、日々朝礼・夕礼を行っている。朝礼では連絡事項を周知し、どの事業でも構わないので1分間のロープレを全員で行っている。夕礼では、1日の営業活動報告(オレンジファイル)、業務の引き継ぎ、情報の共有化を図っている。
 このほか、必要なときには随時ミーティングを行うこともあり、年に数回は情報交換会も行っている。

 地域活動の実施
 郵便局の持ち味や使命を出しつつ、地域の皆さんに信頼され、なくてはならない郵便局づくりを目指して積極的に地域と関わり、世話役に徹している。
 具体的には、小学校の入学式や卒業式に必ず出席、入学式では新入生全員に「入学記念品」を贈呈している。
 また、「西原虫送り」(米作のために駆除した虫を供養するまつりで、檜を重ね合わせた松明を持って村中を回る。7月)、「盆踊り大会」(8月)、「ヒルクライム大台ヶ原」(全長28キロの大台ヶ原へのドライブウェイを自転車で登るレースで、スタッフとして参加している。9月)、「村民遊び」(9月)に参加。
 このほか、郵便局には旅行貯金のお客さまが来るので、上北山村の公共施設や商店をもっと利用してもらいたいとの思いから、役場の関係者と話し合い、手作りのマップと上北山温泉割引券を渡して使用できるようにしている。


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