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2019年7月29日付 第6998号

【主な記事】

赤い「ポストカー」出発
移動型郵便局 絵はがきの可能性を探る


 日本郵便では、手紙の価値を見直そうと、これまで様々なイベントを行ってきたが、今年はその一環として「&Post(アンド・ポスト)」プロジェクトを展開。移動型郵便局「ポストカー」を全国に走らせる。7月19日の東京中央郵便局を最初に、月に1回のペースで全国の“絵はがき映えする場所”に開設する。絵はがきの新たな可能性を探るため、各地の郵便局員がリレー形式で運営する日本郵便初の実験的プロジェクトだ。8月は2、3日に長岡花火大会会場を予定している。

 ポストカーでは、撮影した写真をその場で絵はがきにしてくれるサービスや、&Postオリジナル絵はがきプレゼント、地域の郵便局がセレクトした絵はがきの販売などがある。テーブルや文房具なども用意され、その場で手紙やはがきが書けるようになっている。
 ポストカーは後部が開き、「家族や友達らに出す」「自分宛てに出す」「宛先を書かないで出す(展示用)」という3種類のポストが設置されている。
 宛先なしの手紙やはがきは、いろいろな思いを自由に書くことができる。その一部は東京・丸の内の旧東京中央郵便局長室(KITTE4階、入場無料)に展示予定。
 7月19日の初日には、ポストカーのお披露目と全国運行開始・出発式がJR東京駅前にある「KITTE」1階アトリウムで行われた。
 東京中央郵便局の金児博幸局長や&Postプロジェクトの小山薫堂プロデューサー、ぽすくまが出席した。
 お披露目されたのはこのプロジェクトのために特別に作られた新車。落ち着いた赤を基調にしたクラシカルな雰囲気のデザイン。「Travel&Post」と書かれた後部のボックスは開ければ屋根のある店に早変わりする。郵便局員が入れるようになっており、絵はがきなどを販売する。
 出発式では金児局長が「ポストカーは手紙の持つ温かさをイメージしている。ここにしかない気持ちや情景をはがきで届ける。手紙の良さを改めて気付いてもらえたらよいと思う。全国の郵便局が連携し、お客さまの心に残る手紙の体験が提供できるように努めたい」とあいさつ。
 小山プロデューサーも「この車は見た目もカッコいい。手紙を出したことがないお子さんも近づいてくれるのではないか。手紙は幸せを創造する文化だと思う。1人でも多くの人が手紙を誰かに出そうと思うきっかけになれば、この車を作った甲斐がある」と述べた。
 東京中央郵便局での&Postの移動型郵便局イベントは、7月19~21日の3日間、KITTE1階アトリウムで行われ、数多くの人に利用された。
 絵はがき用の撮影は、東京・丸の内の旧東京中央郵便局長室で行われた。観光スポットでもある赤れんが造りの東京駅を背景に、局長の机に座った写真を撮影して、その場で絵はがきにしてもらえるという趣向。この日は、さっそく撮影が行われた。
 9月は1日に日本一美しいといわれる盆踊り「おわら風の盆」(富山県富山市八尾地区)の会場内を予定している。


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