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第6989号

【主な記事】

[全特広島総会]令和の新たな時代へ
前島翁の信条を受け継ぐ


 「創業の心を胸に 平和都市広島で 永遠の絆を深めよう 総力結集 全特広島総会」をスローガンに、令和元年全国郵便局長会通常総会(全特広島総会)が5月19日、広島市の広島グリーンアリーナ(県立総合体育館)で開かれた。5月1日に新元号「令和」に代わって最初の開催となる総会。全国から約7600人が集結した。前島密翁の没後100年ともなる令和元年。災害対策や夏の参議院選挙に向けた取組み、まだ山積する諸課題への対応策などについて方向性を確認した。また、3年にわたり強いリーダーシップで全特をけん引してきた青木進会長が勇退し、新会長に山本利郎副会長(北陸地方会長/金沢扇町)が就任した。

 5月の爽やかな風が心地よく、青葉が美しい季節。全特広島総会は続々と会場に集う会員を広島交響楽団の弦楽四重奏の音色が迎えた。
 石田真敏総務大臣、岸田文雄自民党政務調査会長、山口那津男公明党代表、森山裕自民党郵政特命委員会幹事長・国会対策委員長、野田毅自民党郵活連会長、斉藤鉄夫公明党幹事長・郵政懇話会会長、湯﨑英彦広島県知事、松井一實広島市長、日本郵政の長門正貢社長、日本郵便の横山邦男社長、ゆうちょ銀行の池田憲人社長、かんぽ生命の植平光彦社長、JP労組の増田光儀委員長ら多くの来賓を迎えた。
 冒頭、昨夏の西日本豪雨で中国地方を中心に200人を超える犠牲者、全特の歴史を築いてきた田中弘邦顧問をはじめ諸先輩の他界に対し、全員で黙とうを奉げた。
 続いてスクリーンには総会のロゴマークともなった広島県の厳島神社、鳥取県の大山、岡山県の瀬戸大橋、山口県の秋吉台、島根県の出雲大社が映像で紹介される中、幕が開けた。
 広島県広島呉地区会の高谷明日香局長(広島井口西)が前衛、山口県長門北部地区会の古谷知義局長(絵堂)が旗手、広島呉地区会の池田純子局長(広島牛田新町)が後衛を務めて全特旗が入場、12地方会旗が続いた。青木進会長は全特旗をしっかりと受け取り、全特の歴史と伝統を胸に高々と掲げた。
 山本利郎副会長の開会宣言に続いて、国歌と全特会歌を斉唱。全特会歌は昨年の全特郡山総会で披露された福島県立安積黎明高校の皆さんの歌声が、伴奏と共に流された。
 中国地方会1660人の会員を代表し、末武晃中国地方会長が「中国地方は海山の自然が豊かなだけでなく、歴史と文化のあふれる地域。地元の食材も皆さんに楽しんでもらえると思う。前島密翁により始まった郵政事業は明治、大正、昭和、平成を経て、時代の変化に適応しつつ今に至っているが、時代は変われど先人から受け継がれた私たちの高き志は何ら変わるものではない」と強調。
 さらに「前島翁没後100年という記念すべき節目の年、そして12年前に同じ会場で、郵政民営・分社化直前の日本郵政公社時代最後の広島総会を開催した。節目ごとに皆さんを迎えて開催できることは感慨深い。今年は3年に一度の参議院選挙の年。柘植芳文参院議員も精力的に活動されており、それを支える各地方会も準備万端。素晴らしい結果のもと、国会に送ることが私たちに課せられた使命。総会が皆さんの活動の一層の増大につながれば、開催地方会としてこの上ない喜び」と期待を述べた。
 そして「新時代を迎えると新しいことが起こるというが、単に過去の考えや発想だけでなく、自らの貴重な経験、地域によって育んだ考えや発想を踏まえ、総会が地域のリーダー、なくてはならない郵便局長として、新時代にふさわしい足がかりとなれば幸い」と歓迎のあいさつを行った。
 青木会長は「本年は前島密翁の没後100年。これを機に、改めて前島密翁の功績を辿ってほしい。前島密翁の信念は局長会の理念にも通じる。郵政記念日や11月25日の全特創立記念日などの機会に思い起こしてほしい」と呼びかけるとともに、「地区会が局長会の源泉という考えは今もって変わっていない。新体制下でも前島密翁の信条を受け継ぎ、局長会がさらに発展することを期待する」と述べた。
 青木会長のあいさつに続いて安倍晋三首相の「社会構造の変化やAI、IoTをはじめとする技術革新により社会環境が急激に変化し、人と人とのつながりが希薄になりつつあると感じている中、常に地域住民の身近にあり続けているのが郵便局。郵便局は、ユニバーサルサービスとして全国の地域の隅々にまで郵便・物流や金融サービスはもちろん、地域の安全・安心の拠点として、地方創生の中心としても大きな役割を期待されている。政府としても真剣に検討し、郵便局をしっかりと支援していきたい」とのビデオメッセージが流された。
 石田総務大臣は「政府はSociety 5.0、第5の社会として、世の中の大きな変化について発信している。アンテナを高くして敏感に反応して、豊かな社会、安全な社会を築くために一致協力して取り組んでほしい」、岸田自民党政調会長は「令和初の総会であり、前島密翁没後100年の節目の年。明治、大正、昭和、平成と、激動の時代を振り返りながら、新時代に向けた可能性を追求してほしい」と語った。
 各来賓が郵便局、郵政事業の更なる発展や活躍に期待を込めてあいさつ。全特顧問の徳茂雅之参院議員、柘植芳文参院議員が強い決意を述べた。議事では、重要議案を慎重審議。役員改選では青木会長の勇退に伴い、山本副会長が新会長に就任した。

 来年は松山市で

 会場では中国地方の美味しい食べ物やお酒なども販売され、多くの商品を買い求める人たちで随所に行列ができるなど、活気にあふれていた。
 なお、来年の全特総会は愛媛県松山市で5月に開催される。


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