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第6978号

【主な記事】

10連休で5月2日に配達
[日本郵政]長門社長
消費税引上げ、郵便料金も

 日本郵政の長門正貢社長は2月27日の定例記者会見で、4月27日から5月6日までの10連休の期間中の郵便配達については、4月27日の土曜日は通常の運行、これに加えて5月2日の木曜日も配達することを明らかにした。また、10月に消費税が10%に引き上げられる予定だが、郵便料金などに「適正に転嫁する」との考えを明らかにした。このほか、配送自動車の自動運転の実証実験も昨年度に引き続き行うとし、「運転者が乗車せずにシステムがすべての運転操作を行う状態も視野に入れ、3月中旬以降の年度内に実施を検討している」と述べた。

 記者会見では、4月27日から5月6日までの10連休の期間中の配達、郵便局等の窓口やATMの営業などについて明らかにした。
 配達業務は、ゆうパック、速達、書留などは毎日配達する。普通郵便物、特定記録郵便物、一般のゆうメールなどについては、4月27日と5月2日に配達する。
 ATMは4月27日は通常の土曜日の営業時間、4月28日から5月6日までは、日曜・祝日・休日の営業時間となる。
 郵便局、ゆうちょ銀行の窓口は、原則として休みとなる。ただし、郵便物の受取りなどは、集配を受け持つ一部の郵便局のゆうゆう窓口で利用できる。このほか、一部の郵便局やゆうちょ銀行、かんぽ生命の店舗、支店では休日のコンサルティング業務なども実施される。
 5月2日に配達日を設けるが、利用者の注意点などについての質問には「初日の土曜日は通常の運行で、実質的には9連休になる。ちょうど中日になる5月2日は配達し、何とか乗り越えていきたい。5月2日に配達するには、4月30日の午前中には郵便ポスト、郵便局に差し出していただきたい。こうした周知も的確に行っていきたい」とした。
 10月に消費税が8%から10%に引き上げられる予定だが、郵便料金、ゆうちょ銀行のサービスの手数料などについては「広く薄く負担を求めるという消費税の性格に照らし、前回(2014年4月)と同様に、増税分を適正に転嫁する予定」との考えを明らかにした。
 郵便の具体的な料金は、第1種、第2種については総務省に届出を行う。雑誌などの定期刊行物を低廉な料金で送付することができる第3種、点字郵便物等の第4種は総務省の認可が必要となる。ゆうパックなどの荷物の運賃についても郵便料金と同様に増税分を転嫁し、国土交通省に新運賃の届出を行う。
 各種の新料金の公表時期は「各方面と調整し発表する。新料額の切手やはがきなどの調達についても準備を進めており、余裕をもって販売できるように郵便局に配備をしていく」ことにしている。
 また、日本郵政グループは東京2020オフィシャルパートナーとして、東京オリンピック・パラリンピックの盛り上げに貢献している。東京2020組織委員会が3月24日に福島県いわき市で開催する「TOKYO2020 Let's 55 ~レッツゴーゴー~ with 福島県」に協力する。東京2020大会で行われる全55競技を体験できる催しの第3弾で、東北での開催は初となる。
 日本郵政のブースでは、かんぽ生命が協賛する車いすテニスや日本郵政が日本代表に協賛しているラグビーの競技体験を展開する。はがきワークやキャラクターグリーティングを楽しんでもらえるコンテンツも展開する予定。長門社長は「来る3月12日はオリンピックの開会式まで500日という区切り。日本郵政グループでは、今後もこのような取組みを通じ、東京2020大会の日本全国での盛り上げに貢献してまいりたい」と強調した。
 先般、配送ロボットの物流分野への活用に向けた実証実験が福島県内で行われたが「自動車の自動運転の実証実験も昨年度に引き続き実施する」とした。
 長門社長は「昨年度の実験はレベル3と言われるもので、システムが運転操作を行うが、緊急時などの対応のために運転者が乗車していた。今年度は私有地など特定の場所限定で、運転者が乗車せずにシステムがすべての運転操作を行うレベル4と呼ばれる状態での実証実験も視野に入れ、3月中旬以降の年度内に実施することを検討している。これらの実験を通じて、少しでも実用化に近づくことを期待している」と述べた。
 このほか、天皇陛下御即位30年を記念し、宮内庁の協力のもと2月22日に記念切手、天皇皇后両陛下の写真などを配した台紙をセットした切手帳を発売したが、「切手については100万シート1000万枚、切手帳は5万部を発売した。郵便局では、販売初日から多くのお客さまに購入いただき、郵便局のネットショップでも非常に多くの注文をいただいている」状況となっている。
 「切手については若干在庫に余裕があるものの、切手帳については完売となった」が、切手帳を増刷することとして関係の向きと調整している」ことを明らかにした。
総務省が郵便の土曜休配などについて利用者アンケート結果を公表したが、「土曜休配では個人で約6割、法人で約7割がやむを得ないと回答していることについての質問には、「個人で63%、法人では受け取り側が69%、差し出し側が72%と賛成いただいている。変更すべきではないとする回答も個人で約2割、法人で約16%あったと理解している。引き続き多くのお客さまに理解いただけるように努力してまいりたい」とした。
 そして「総務省の審議会で丁寧な議論をしていただいており、法律マターなので国会での議論も必要だが、着実に進めてまいりたい」と早期の実現を改めて期待した。


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