「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6968・6969合併号

【主な記事】

社員の力 最大限に発揮できる職場を
[日本郵政]長門正貢社長


軸足を固め実績を積み上げる
新規業務開拓も果敢に挑戦

 通信文化新報の読者の皆さま、あけましておめでとうございます。皆さま、つつがなく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 2019年を迎えるにあたり、日本郵政グループを代表して、グループを取り巻く環境と本年のグループ運営に関する抱負を申し上げます。
 日本郵政グループは昨年5月に、2018年度から2020年度までの3年間を計画期間とする新しい中期経営計画・「日本郵政グループ中期経営計画2020」を発表いたしました。
 新・中期経営計画においては「お客さまの生活をトータルにサポートする事業の展開」「安定的なグループ利益の確保」「社員の力を最大限に発揮するための環境の整備」「将来にわたる成長に向けた新たな事業展開」の4点を基本方針として設定いたしました。
 これらの中期的なグループ基本方針のもと全社員一丸となり、これまで以上に、お客さま・社員・株主の皆さま等全ての方に選ばれる会社へと発展していきたいと考えております。
 旧年の取組みを振り返りますと2018年度は新・中期経営計画の初年度として、「郵便・物流事業」では商品やオペレーション体系の一体的見直しと荷物拡大に対応したサービス基盤の強化、「金融窓口事業」では郵便局ネットワークを最大限に活用した地域との共生、「国際物流事業」ではトールの経営改善と、JP・トールのシナジー強化による国内のコントラクトロジスティクス展開、「銀行業」では運用の一層の高度化・多様化、非金利収益の拡大、効率的な資源配分、「生命保険業」では保障重視の販売、募集品質向上による保有契約の反転・成長、を各事業の基本方針とし取り組んでまいりました。
 また新たに、来たるべき将来の物流の形を見据えた「ドローンでの郵便局間輸送」、スマホ決済サービス「ゆうちょ pay」の開始に向けた取組み、契約者さまおよびそのご家族の方に更に安心して保険契約を続けていただくための「ご家族登録制度」の取扱いを開始しております。さらに、より専門性を高めた事業運営が可能となるよう「日本郵政不動産株式会社」、「JPトールロジスティクス」を設立いたしました。
 去る中間決算では、歴史的な超低金利が継続する厳しい経営環境下でありましたが、郵便・物流事業、特にゆうパックの収益拡大により日本郵便発足(2012年10月)以来、日本郵便として初めて中間期で黒字となったことや、かんぽ生命における資産運用収益が堅調に推移したことから、グループ連結中間純利益は前年を435億円上回る2237億円となりました。5月に公表させていただいた通期の業績予想3300億円に対する進捗率は67.8%となりましたので、第3四半期以降の見通しを考慮した上で、業績予想を3800億円に500億円上方修正させていただきました。
 しかしながら、新・中期経営計画の目標は2021年3月期末における4100億円の利益の確保です。歴史的な超低金利の継続をはじめとした今後の金融市場の動向や人件費の高騰等、利益水準に大きく影響するおそれのある要因もあり、グループを取り巻く経営環境は今後も厳しい状態が続くと考えております。新・中期経営計画の2年目となる2019年は、しっかりと軸足を固め実績を積み上げていくとともに、更なる+αの利益拡大を目指して新規業務開拓等にも果敢にチャレンジしてまいります。
 また、今後のグループの成長・発展には「働き方改革」への取組みが必須であると考えており、多様な働き方を支援すべく「育休の一部有給化」や「勤務間インターバル制度の試行導入」等の制度も実施しております。今後も、生産性の向上と働く社員のニーズに対応した、社員の力が最大限に発揮される職場作りを進めてまいります。
 さらに、このような「働き方改革」への対応が求められている中、今後とも安定的な郵便サービスを提供していくためには、郵便のユニバーサルサービスの内容にも踏み込んだ抜本的な業務の見直しが必要と考えております。土曜配達の休止、送達日数原則3日以内の繰り下げ等について、次期通常国会での法律改正を要望しており、仮に必要な法改正が順調に進んだ場合、2020年度の早い段階での実現を見込んでいます。
 このような取組みを通して、「そばにいるから、できることがある。」のスローガンのもと、お客さま一人ひとりの多様なライフスタイルやライフステージに応じた様々な商品・サービスを提供し、お客さまが安全・安心で、快適で、豊かな生活・人生を実現することをサポートする「トータル生活サポート企業グループ」を目指して、「チームJP」、グループ一丸となって挑戦を続けてまいります。
 皆さまにおかれましては、これまで以上に日本郵政グループへのご支援・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 最後になりますが、皆さまにとって本年が輝かしい一年となりますことを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。


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