「通信文化新報」特集記事詳細

　平成30年も余すところ１か月半となった。年賀葉書も発売され、いよいよ年末年始の最繁忙期を迎えた。全国の郵便局では目標達成に向け、局長と社員が一丸となって取り組んでいるが、九州支社管内の鹿児島県奄美地区連絡会（川畑輝芳統括局長／名音）の坂嶺郵便局（吉山稔局長）を訪ねた。鹿児島県大島郡喜界町のある喜界島は大半が隆起サンゴ礁から成っており、奄美群島国立公園に属し、人口は６８４０人。主な産業は「サトウキビ」「白ごま」「柑橘類」などで、見どころは「俊寛の墓」「スギラビーチ」「百之台」などがある。

　鹿児島県の奄美大島空港からプロペラ機で喜界島空港へ到着し、空港から車で国道３８１号線を道なりに北の方向に約２・５キロ進み、漁港を左に見ながら３００メートルほど進むと、右手前方に坂嶺郵便局が見えてきた。
　吉山局長は喜界島で生まれ育ち、平成13年４月１日付で東京・銀座六局に採用となった。その後、東京支社、ゆうちょ銀行東京エリア本部を経て、平成27年４月１日付で坂嶺郵便局長に就任、４年目を迎えている。
　スタッフは局長、社員、期間雇用社員の３人。利用世帯は約２００、人口は約５００人。１日当たりの来局者は10～30人で、地元には鹿児島第二地銀、ＪＡ、信金１、信組１があり、人口に対して金融機関が多い。
　本年度は本社営業表彰総合表彰第１位（Ｔグループで、前年度に引き続き連続）を受賞したほか、かんぽ営業窓口最高優績認定を受けた。

 人材の育成に努める

　電話対応や訪問活動もあるが、エリア局ではカウンターを通してのお客さま対応が中心になるので、人と人との対応を大事にしており、お客さま本位のスタンスや思いやりの心で迎え、気分よく帰ってもらえるように指導している。
　また、お客さま対応に当たっては、明るく元気な声であいさつし、どのようなことでも相談してもらえるように心掛け、信頼・信用がさらに高まるように努めている。
　そこで社員の育成に当たっては、相応の責任を与え、仕事を通じてやりがいを感じてもらえるように配慮するとともに、バランス感覚を磨き、現在より一つ上の役職をイメージして仕事をするように指導している。

 早期達成し上乗せを

　事業を取り巻く環境は依然として厳しく、できるだけバランスの良い営業推進に努めるとともに、郵便局を維持、推進していくためには与えられた目標は１日でも早く達成するとともに、少しでも多く上乗せができるように取り組んでいる。
　営業推進に当たっては、支社等のガイドラインを常に意識し、カウンターセールスはもとより、手すき時間を利用し、データを分析して電話をかけ、訪問活動を行うようにしている。各種商品を勧めるに当たっても、郵便局の都合だけでなく、お客さまの思いや利便性にも十分配慮するように努めている。
　そのほか、週ないしは１か月スパンで推進状況をお互いに把握し合い、できるだけ遅れが出ないように気をつけている。万一遅れが出そうな場合には、早目に挽回できるよう打ち合わせを行い、電話連絡をして来局誘致をしたり、時にはトップセールスを行うこともある。

 お客さまあっての郵便局

　離島であり、観光客が来局することは多少あるが、日々の来局者は大半が島民で、局長と社員が一体となり、業績向上はもとより、郵便局の事情だけを前面に出すのではなく、お客さま本位で、島の活性化にも配慮しながら局務運営に当たるようにしている。
　エリア内には他の金融機関も相応にあり、お客さまによるすみ分けもある程度あるが、お客さまあっての郵便局であることを十分認識し、どうしたら満足し、今まで以上に郵便局を利用していただけるか、常に社員と共に考え行動している。
　また、「各種のお知らせをより早く提供したり、日々の生活をしている中で、困ったり分からないことがあったときには、遠慮しないで来局したり、電話をかけて相談してもらえるような身近な郵便局として、これからも存在意義を提唱していきたい」と語る。

 ミーティングや打合せ

　少人数でお客さま対応をしており、手すき時間を活用して、朝のうちに営業推進の確認、情報の共有化、周知・伝達などを行い、局務運営に支障がなく、お客さまにも迷惑がかからないように気を付けている。
　また、毎月１回は経営会議（業績、損益、営業）を行っているほか、社員が中心となって毎週１回は営業会議を行い、営業戦術等を議論している。

 地域活動の実施

　地域との関わりは大事で、イベントやボランティア的なことがある場合は、原則として局長が参加するようにしており、消防団活動も行っている。
　また、電気が切れた、エアコンの調子が悪い、車が動かない、屋根が浮いているなど様々な相談を受けており、地域に根付いた郵便局として頑張っている。
　また、お客さまの手芸作品等を展示したり、貸し出し用の傘や釣竿も備えている。