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第6950号

【主な記事】

岡山県倉敷市に「御見舞」
西日本豪雨 青木全特会長ら視察


 全国郵便局長会の青木進会長は8月9日、西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市を訪れ、伊東香織市長に「御見舞」を届けた。また、末武晃理事(中国地方会長)も中国地方郵便局長協会からの「義援金」を贈った。防災プロジェクトチームの三神一朗座長(関東地方会副会長)、岡山県備中東地区会の三宅就博会長(庄)、高取龍太郎副会長(倉敷笹沖)、中国地方会の藤原伸一専務理事が同行した。

 岡山県は「晴れの国」と言われ、雨の少ないことで知られるが、倉敷市真備町では降り続けた雨が7月6日午後9時からの1時間でピークに達した。7日の未明には地区を流れる小田川に北から流れ込む支流の高馬川、末政川の堤防が決壊した。
 小田川は高梁川に合流するが、流量が大きく午前7時頃には決壊が確認された。浸水したのは真備町の4400ヘクタールのうち1200ヘクタール。51人が亡くなったが、8割が住宅の1階部分で遺体で発見されたという。倉敷市に大きな被害をもたらした豪雨は5日午前から3日にわたり降り続いた。降水量は276.5ミリを記録した。
 8月9日午後、倉敷市役所に伊東市長を訪ねた青木会長らは、被災状況の説明を受けた。「約4600戸が浸水、約8200人が避難した」という。青木会長が訪れた同日で「やっと約1900人に減ったが、まだ多くの人が避難生活を余儀なくさせられている」。
 青木会長は「郵便局も被害を受けたが、住民の生活をサポートするためにも、できるだけ早く復旧に努めたい」と話した。伊東市長は「郵便局には平素からたいへんお世話になっている。市民も郵便局を非常に頼りにしている」と期待を表した。
 また、青木会長は「防災士の資格を持つ郵便局長が多い。郵便局は防災の拠点ともなる。復旧に協力するとともに、今後も市と連携を深めていく」と強調した。
 さらに、伊東市長は第57回1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭を8月5日、予定どおりに倉敷市の水島緑地公園で開催したことに触れ、「熟慮したが開いて良かった。約5000人も参加していただき元気が出た。ラジオ体操は避難所でも流している」と語った。
 伊東市長は平成2年4月に郵政省(現在の総務省)に入省、日光郵便局長などを歴任。15年4月に倉敷市の総務局長、翌年に収入役に就任。19年7月に総務省に復帰し11月に退官、20年4月から倉敷市長を務めている(3期目)。
 倉敷市役所を訪れる前、青木会長は吉備町に入り、箭田(やた)郵便局(山﨑深雪局長)、まきびの里郵便局(諏訪洋行局長)、川辺郵便局(小野康之局長)を視察した。
 箭田郵便局では備中東地区会の三宅会長に「御見舞」を手渡した。備中東地区会の岩田泰治理事(天城)、玉島部会の原田周也部会長(船穂)らが迎えた。
 箭田郵便局は2階の中ほどまで水没、近くの山﨑局長の自宅も被災した。「予想もしなかった」と局長の皆さん。本社、支社からも支援に来て、流れ込んだ土砂をスコップなどで取り除いたが、「1週間以上はかかり、土嚢は相当の量になった」。局内は水没した全ての機器が撤去されているが、2階の階段脇には水没した跡がくっきりと残っている。
 局内の前半分を使って早期に営業を再開する予定だが、メドはたっていない。現在は局前に車両型郵便局を設置、午前10時から午後3時まで営業しており、地域の住民が利用している。
 まきびの里郵便局は3名局。天井の近くまで1.8メートルほど水没した。隣接する諏訪局長の自宅も襲われ、現在は仮住まいで生活している。夫人の里美さんも局内の清掃に追われている。年内にはなんとか再開のメドをつけたいと話す諏訪局長に、青木会長は支援物資を手渡して激励した。
 川辺郵便局は入口上部「JP郵便局」のマークの中ほどに水没した跡が残り、軒下まで水が押し寄せてきたことが分かる。なお、青木会長らは倉敷市を訪れる午前には、山口県岩国市の川越郵便局を視察している。
 220人を超す死者を出した西日本豪雨、郵便局も岐阜、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡県の45局(簡易局を含む)が被災した。現在でも16局(8月22日現在)が業務を休止している。
【窓口を休止している郵便局(8月24日現在)】
〈島根県〉▽江津市=川越局〈岡山県〉▽倉敷市=箭田局、真備西局、まきびの里局、川辺局〈広島県〉▽三原市=本郷局、安芸船木簡易局▽呉市=安浦三津口局、安浦局、呉天応局▽安芸郡坂町=小屋浦局▽広島市=広島中野局〈山口県〉▽岩国市=川越局〈愛媛県〉▽大洲市=菅田局、大川局、肱川局


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