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第6946号

【主な記事】

[日本郵便]移住や産業振興を
徳島県と包括連携協定


 徳島県(飯泉嘉門知事)と日本郵便は、「VS東京『とくしま回帰』総合戦略」の推進に係る連携について、7月10日に包括連携協定を締結した。両者が総合戦略の推進にあたり、「とくしま回帰の促進」や「雇用の創出」など、様々な分野で連携・協力関係を強化するとともに、地域活性化に向けた取組みを協働で行うことにより、地方創生の実現に資することを目的としている。

 包括連携協定の主な項目は▽ひと―新しい人の流れづくり=「移住・定住の促進に関すること」「消費者行政の推進に関すること」「県政情報の発信に関すること」。
▽しごと―地域における仕事づくり=「地域産業の振興・企業支援に関すること」「健康経営の推進に関すること」「農林水産業の振興に関すること」「県産品振興・観光振興に関すること」「芸術・文化・スポーツの振興に関すること」。
▽子育て―結婚・出産・子育ての環境づくり=少子化対策・子育て支援に関すること」「働き方改革の推進に関すること」。
▽まち―活力ある暮らしやすい地域づくり=「女性の活躍推進に関すること」「高齢者及び障がい者への支援に関すること」「地域の安全・安心に関すること」「地域防災体制の向上に関すること」「交通事故防止に関すること」「環境に配慮した取組支援に関すること」「その他、本協定の目的を達成するために必要な事項」。
 連携施策の主な内容としては①「徳島阿波踊り」の盛り上げ=郵政グループ社員が阿波踊りへの参加を含めてPRすることや、子どもたちがデザインした「うちわ」の作成、阿波踊りのフレーム切手の発行など、日本郵便が地域で活動する企業として全面的に支援する。
②「とくしま特選ブランド」のPR=郵便局のカタログギフトへ「とくしま特設ブランド」コーナー新設、首都圏の郵便局などを活用した県の物産展等の開催について検討するなど、日本郵便のネットワークを活用して「とくしま特選ブランド」を県と一緒にPRしていく。
③マスコットキャラクター「すだちくん」のPR=年賀はがきへの図案採用、カタログギフトへの登場、ご当地キャラへ応援メッセージを出す施策の実施などを通して、「すだちくん」を全国の皆さんに知ってもらうためPR活動を積極的に行っていく。
④郵便局ネットワークを活かした災害発生時の協力=災害発生時に郵便局の掲示板等で防災情報の発信を試行実施することや、避難者リストの早期作成等に協力、避難所への郵便物配達など、県内にくまなく張り巡らされたネットワークを活用し、災害発生時に郵便局が行政と協力して地域の皆さんに貢献していく―となっている。
 その他、郵便局見学への協力、高齢者の見守りと通報協力、子どもの見守りと通報協力(子ども110番)、道路損傷等や不法投棄に関する情報提供、連絡会議の結成などにも取り組んでいく。
 徳島県庁で行われた締結式には、日本郵便の髙橋亨会長、竹村優樹改革推進部地方創生室長、四国支社の篠原勝則支社長、吉田敬広徳島県幹事局長(徳島中央)、徳島県東部地区連絡会の中川晶夫統括局長(鳴門高島)、徳島県西部地区連絡会の広岡文昭統括局長(鴨島本町)、徳島県南部地区連絡会の山上晋輔統括局長(宍喰)をはじめ本社・支社から多くの関係者が出席した。
 飯泉知事と髙橋会長が協定書に署名。飯泉知事は「今、日本全体の人口が平成22年から急減しているが、東京圏では人口が増加している。地方の魅力を高め、東京一極集中を是正しなければ、この国の未来はない。その処方箋はただ一つ。地域の魅力を上げ、人や仕事の流れを作る地方創生だ」と強調。
 「地方創生のキャッチフレーズとして、『知恵は地方にあり』という言葉を最初に出したのは徳島県。地方創生をやって良かったという実感を徳島から発信してもらいたいという声は全国から多く聞かれる。協定締結は大変うれしく心強い。今後は徳島はもとより地方創生、発展の原動力、大いなるサポーターとなっていただきたい」と期待を込めた。
 髙橋会長は「これまで個々の分野での部分的な協力関係はあったが、これからは地域の要望に応えるために総力戦を展開。郵便局ネットワークは人と人を繋ぐ、あるいは地域と地域を繋ぐ仕事。東京でも夏になると阿波踊りでにぎやかになる。いいものや知恵をどうやって東京や他に知らせていくかについても郵便局ネットワークが役に立てると思う」と応じた。
そして「東京の姿もずいぶん変わってきた。地域の安心できる食材や風景を求めるという気持ちが、都市部の生活者の中にかなり高まってきている。総合生活サービス業として一緒になって努力していきたい」と語った。
 協定に基づくキックオフ事業の一環として徳島県と日本郵便からPR商品等の贈呈が行われた。飯泉知事からは徳島県立城西高校制作の藍染製品、日本郵便からは篠原支社長よりこの日発売開始となったフレーム切手「2018本場徳島阿波おどり」(62円、82円の2種)が贈呈された。
 切手は62円10枚(1200円)と82円10枚(1300円)の2種類で、徳島県の全局及び松山中央・高松中央・高知中央局の計204局(徳島県の一部簡易局は除く)で販売している。


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