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第6944・6945合併号

【主な記事】

路線バスで郵便運送
兵庫県穴粟市で開始


 近畿支社(荒若仁支社長)は6月22日から、兵庫県宍粟市において、路線バスを利用した郵便物等の運送を開始した。播磨山崎郵便局と千種郵便局の間の運送便のうち、1日3便を株式会社ウエスト神姫(須和憲和社長)が運行する路線バス(神姫バス)を利用し、専用BOXを使用して郵便物等を運ぶ。
 昨今のモーダルシフト(貨物輸送における効率的な輸送機関への転換を図ること)やCO2削減、ドライバーの確保、コスト削減など、運送業界を取り巻く環境等を考慮して、両社でこの取組みに着手したもので、配送にかかっていた人と時間を他の業務に振り分けられるなど、効率的な業務運営も可能となる。
 同日、宍粟市の神姫バス山崎待合所で出発セレモニーが行われ、福元晶三市長、須和ウエスト神姫社長、神姫バス株式会社の横山忠昭バス事業部長、神姫逓送株式会社の栗山重治社長、日本郵便から安達章近畿支社副支社長、村上明局長(姫路)、安藤良彦局長(播磨山崎)、兵庫県播磨西部地区連絡会の中村純隆統括局長(龍野揖西)、猶原一典副統括局長(千種)、岡崎忠彦宍粟部会長(染河内)らが出席。
 安達副支社長は「運送業界を取り巻く環境の変化に対応すべく、新たな運送方法を検討していたところ、ウエスト神姫の多大な協力により、路線バスを活用した郵便物等の運送委託が実現することとなった。近畿支社として初の試みで、様々なメリットがあるだけでなく、ローカルバス路線の維持や地域活性化、お客さまへの貢献にもつながっていくのではないかと期待している」と強調した。
 また「貨客混載輸送は昨年9月に規制緩和が実施され、新たな運送手段として今後の拡大が期待されている。そうした意味でも、本取組みは大変意義のあることだと確信している」とあいさつ。
 須和ウエスト神姫社長は「日本郵便の大切な郵便物、信書を、ウエスト神姫が運ぶことになった。今までは旅客という〝人〟を運んでいたが、郵便物には出された人の真心がこもっている。日々、ドライバーたちには『真心を運ぶことが我々の仕事』と話をしている」と述べた。
 そして「1年がかりでやっとここまでたどり着いた。今日から日本郵便の真心を、地元の乗客と一緒に運ぶという新たな誓いを立て、これからも安全・安心のある運行に努めていく」と語った。
 福元宍粟市長は「宍粟市は兵庫県で2番目に大きいが、9割が森で、1000メートルを超える山が27もある中で、近隣の町や企業などと〝広域連携〟という大きな課題を抱えている。広域連携で大事なことは、今日的な課題であるヒト・モノ・カネをダイナミックに動かしていくことを通じて地域の活力を保っていくこと。今日は3者が合同で、地域が抱える課題に取り組む新たなスタート。地域の活力のために尽力いただくことに感謝申し上げる」と祝辞を述べた。
 テープカットに続き、播磨山崎局の社員がバスに専用BOXを積載し、バス車内において授受簿で授受。関係者らが見守る中、千種行きのバスが出発した。
 両局の停留所までの距離の近さや、運行ダイヤと郵便物等運送の時間帯も近く、条件が合ったことなどから実現に至った。
 郵便物等を載せるのは山崎停留所~千種停留所間で、実施区間は播磨山崎局~千種局間の約27キロメートル。千種行が2便、山崎行が1便の1日3便となる。
 専用BOXは最大3つまで積載可能(バス後方左側2人掛け座席×3列の6座席分)で、バスの到着時に両局の社員が積み下ろしを行う。


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