「通信文化新報」特集記事詳細

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第6939号

【主な記事】

交付金法案が成立
郵便局ネットワークを維持

 郵便事業のユニバーサルサービスを安定的に確保するため、郵便局ネットワークの維持を支援する交付金・拠出金制度を創設する「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案」が6月1日に成立した。拠出金の徴収、交付金の交付は来年4月1日から適用される。

 「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案」は、5月24日に衆議院を通過、5月31日に参議院総務委員会で可決、翌6月1日の参議院本会議で成立した。
 参議院本会議では総務委員長の竹谷とし子議員が「委員会では衆議院総務委員長、古屋範子君から主旨説明を聴取した後、金融2社の窓口業務委託手数料、引き下げの懸念への対応等について質疑が行われた。質疑を終局し採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定した」と、総務委員会での審査の経過と結果を報告、採決に入り、投票総数227、賛成227の全会一致で可決した。
 日本郵便に対し、郵便局ネットワークの維持に必要な基礎的な費用に充てる交付金を交付する。その費用は日本郵便、関連銀行(ゆうちょ銀行)、関連保険会社(かんぽ生命)の郵便局ネットワークの利用の度合に応じてあん分した額のうち、関連銀行、関連保険会社に関わるものを拠出金として徴収する。
 交付金の交付と拠出金の徴収に関する業務を、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の業務に追加するとともに、名称を「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に改める。
 機構の目的に郵便局ネットワークの維持の支援のために、交付金の交付などを行い、郵政事業の基本的な役務の提供の確保を図ることを追加する。また、施行状況を勘案し、郵政事業のユニバーサルサービスの提供を確保するために、郵便局ネットワークを維持する観点からの検討条項を設ける。交付金の交付、拠出金の徴収は来年4月1日から適用する。
 民営化以降、日本郵便へのゆうちょ銀行、かんぽ生命からの手数料に係る消費税についての問題が議論されてきたが、交付金などの制度によって一定の結論が出た。現状の試算では拠出金に相当するゆうちょ銀行、かんぽ生命のユニバーサルサービスコストは約2900億円。拠出金には消費税がかからないため約200億円の減免になると見られている。


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