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第6933・6934合併号

【主な記事】

前島密翁 没後99年
20回目の墓前祭


 没後99年となる「前島密翁墓前祭」が4月21日、神奈川県横須賀市芦名の浄楽寺で挙行された。「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」(吉﨑庄司会長/元・鎌倉材木座局長)が主催し、毎年行われている。
 来年2019年に前島密翁の没後100年を迎えるに当たり、前島翁の偉業を称える機運がこれまで以上に高まる中で催された。今回の墓前祭に集まった参列者は前島スピリッツの継承を誓い合った。
 雲一つない好天に恵まれ、浄楽寺本堂の前には称える会、生誕の地・上越市の「前島密翁を顕彰する会」(堀井靖功会長)、日本郵政グループ、全国郵便局長会の多くの会員、OBら約220人の関係者が参列した。
 吉﨑会長が「平成11年の没後80年に始めて、今回で20回目になる。皆さまのご支援、ご協力により開催できたことに感謝したい。来年、没後100年を迎えるに当たり、地元の民族研究家の辻井善彌さんの協力により、本堂で『前島密とよこすか西海岸のパネル展』を開催できた。日本郵便からバス5台で250余人の方々が前島密翁の墓に参拝していただいたのを住職から聞くに及び、本当にありがたいと感じた。没後100年に向け引き続きのご支援ご協力を賜りたい」とあいさつした。
 横須賀市の上地克明市長は「前島翁の美徳を少しでも継承しながら、市民が心穏やかにこの地の風景を楽しめるような暮らしやすい街作りにまい進したい」と述べた。
 日本郵便の髙橋亨会長は「来年は前島翁の没後100年となるが、その2年後には郵便事業の創設から150年の節目の年となる。前島翁の精神を今の時代にどう生かすのかというのが大切な時だと考えている」と語った。
 顕彰する会の堀井会長は「最近は『郵便の父、前島密は明治政府の知恵袋でありエンジンそのものだった』というキャッチコピーを作って紹介している。まさに前島翁あっての明治政府であり明治の近代化だったと意を強くして、顕彰活動を継続している」と意欲を示した。
 地元の民族研究家、辻井さんは「前島翁は横須賀の西地域がとても好きで居を構え、今はこの寺の墓に眠る。地元の私どもにとっては大変誇らしいことであり、地元を大事にしていかなければいけないと思っている」と述べた。
 浄楽寺の土川妙真住職が収蔵庫改修に当たって協力した「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」への謝意を述べた。
 続いて、稲村公望・元日本郵便副会長の「前島密翁の清廉潔白な志を学ぶ良い機会になるものと考える」、上越市の村山秀幸市長の「郵便事業の確立をはじめ我が国の近代化と国際化に大きな足跡を残し、国家の発展に寄与された。その功績や精神を後世に確実に伝えてまいりたい」とのメッセージが披露された。
 参列者は本堂前での記念撮影に続き、高台にある墓前へ移動。吉﨑会長、上地市長、髙橋会長、横浜東部地区会、横浜南部地区会、川崎地区会、神奈川県西部地区会、神奈川県西北地区会など多くの局長や参列者は、偉業に思いを馳せながら前島密翁・なか夫人の墓に手を合わせた。
 佐島マリーナに場所を移した午さん会では、吉﨑会長に続いて日本郵政の衣川和秀専務執行役が「前島翁の『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためよかれと願う心を常に持てよ』ということばを新入社員に紹介するようにお願いしている」と述べた。
 南関東支社の清水不二雄支社長は「飛脚から近代郵便制度に移行させた前島密翁は世の中や時代のニーズに柔軟に対応できる改革者であったと思う。現代の郵政事業にあっても前島翁の精神を引き継ぎたい」と語った。
 柘植芳文参議院議員、徳茂雅之参議院議員による「先人が営々と努力し築き上げてきた国民共有の財産である郵便局ネットワークを守り発展させるため、前島密翁の精神を胸に政治課題解消に全力で取り組んで参りたい」とのメッセージが代読された。
 吉﨑会長の発声で献杯、参列者は改めて前島密翁の業績を偲ぶとともに、その精神を受け継いでいくことを誓った。


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