「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6929号

【主な記事】

「ジオガイド」に認定される
国際シンポへ参加、地方創生
山口県長門北部地区会美祢東部会


 山口県長門北部地区郵便局長会(末武晃会長/萩越ケ浜)の美祢東部会(藤井悦司部会長/大田)は、国際シンポジウムおよびワークショップに参加し、国内外の専門家や地域住民・行政関係者との意見交換を行い、ジオガイドとしての活動を通じて郵便局が地域貢献・地方創生の活性化の一翼を担うことを積極的にPRした。
 「カルスト台地の科学とジオパーク」と題するこの催しは、山口大学秋吉台アカデミックセンターと美祢市が主催し、3月9、10日の両日に行われた。
 9日に国際シンポジウム(学会:招待講演、研究発表)、10日にワークショップ(パネルディスカッション、グループワーク)の日程で、国内外の有識者と地域住民・行政関係者を中心にジオパークに関心がある人たちとの交流や意見交換を実施。10日は総勢約100人が参加するにぎわいを見せた。
 平成29年12月に美祢市との間で締結した包括連携協定の連携項目の中に、ジオパーク推進活動への参画も盛り込まれたことから、活動の一環として9日には1人、10日は5人の局長がイベントに参加した。
 パネルディスカッションでは、古谷知義局長(絵堂)がパネリストとして参加。農家や主婦といった地域住民や、地質学者や大学生との間で意見交換を行った。
 「なぜ、郵便局長がジオガイドの認定を受けようと思ったのか」という問いに、古谷局長は「絵堂郵便局長に就任して16年が経つ。その間、人口減少や過疎化等、地域が年々大変な思いをしていることを住民の皆さんとともに実感している。郵便局として地域活性化の役に立ちたい、日本ジオパークとして認定された貴重な地域資源を活用し、地域を盛り上げるためのお手伝いがしたい、という思いでジオガイドの認定を受けた」と説明した。
 これに対し、国内外の専門家からは、「統計は取っていないが、郵便局長さんが一同に認定された事例はないのではないか」「ジオガイドには、小学生や初心者にもわかりやすく説明する能力が求められ、地域住民にも伝えて拡げてもらう必要がある。その点、地域に密着した郵便局長さんならできるはず」とジオガイド認定を受けた局長へ期待の言葉が寄せられた。
 その後、行われたグループワークでは、参加者がそれぞれ別々のグループで意見交換を実施。同時通訳がついた海外の専門家も交えながら、環境保全や観光客のリピーターの確保、体験談など関係者や地域住民との活発な意見交換を行った。
 長門北部郵便局長会では、地域に根差した地域貢献・地方創生施策を展開するため「1部会1地域貢献施策活動」を実施している。美祢東部会では、地元自治体の美祢市が2015年に日本ジオパーク「Mine(みね)秋吉台ジオパーク」に認定されていることに着目。郵便局長自らが、故郷が有する自然財産の価値や魅力を地域住民や観光客(郵便局利用者)へ情報発信する目的で「ジオガイド」を取得する方針を決定した。2017年7月から15回にわたるスキル研修や講座を受講し実技試験をクリアした7人の局長が、同年12月に「ジオガイド」の認定を受けている。
 美祢東部会は、今回のイベントにおける、関係者や地域住民との闊達な意見交換を通じて得た知見を今後の活動に生かすこととしている。


>戻る

ページTOPへ