「通信文化新報」特集記事詳細

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第6927号

【主な記事】

郵便局の将来展望を議論
郵便局長会の地方総会始まる


 全国郵便局長会(青木進会長)の平成30年度の地方総会が始まった。ゆうちょ・かんぽの限度額の再引上げ、ユニバーサルサービス維持の新たな交付金制度といった政治課題、郵便局ネットワークの将来展望、中期経営計画という経営課題、地方創生や組織強化などの活動課題に対応する活発な議論が行われた。3月10日の信越総会では青木会長が「昨年は郵政民営化から10年の節目。しかし、郵政事業の将来展望からは根幹となることはほとんど決まっていない。郵便局ネットワーク維持の具体的な取組みの実施が期待される」と様々な課題の解決を求めた。東京総会では野田聖子総務大臣が「国営時代は三位一体でサービスを行ってきたが、支え合うということが見えにくくなった」と感想、「利用者に喜ばれる提案を行い、進化する郵便局であって欲しい」と語った。東海総会では柘植芳文参院議員が「新しい郵便局を創っていく当事者として活動を」と呼びかけた。郵便局ネットワークの新たな方向性を形成する総会での議論が期待される。

地方創生の担い手に 信越地方会

 信越地方郵便局長会(青木進会長)、信越なでしこの会(青木眞由美会長)は3月10、11日、「地方創生の担い手として 地域と共に新たな未来を築こう 信越地方会」(局長会)、「新たな決意で 深めよう 地域とのつながり」(なでしこの会)をスローガンに、平成30年度総会を松本市のホテルブエナビスタで開催した。
 10日の合同総会は務台俊介衆院議員、吉田博美参院議員、公明党の太田昌孝衆院議員、塚田一郎参院議員、徳茂雅之参院議員、後藤茂之衆院議員(秘書)、宮下一郎衆院議員(秘書)、長野県の阿部守一知事、長野県議会の萩原清議員(自民党長野県連幹事長)、望月雄内議員、丸山大輔議員、信越支社の三田彰子支社長、全特の田中弘邦顧問、比嘉明男理事(沖縄地方会長)ら多くの来賓が招かれた。
 中村重光専務理事が司会、長野県中信地区会の髙橋直孝局長(一本木)が前衛、粟津原勉局長(朝日)が旗手、赤羽俊雄局長(新村)が後衛を務めて地方会旗が入場した。原田喜延副会長(浅川)が開会を宣言、岡澤利恵子局長(広丘)の指揮で国歌、全特会歌を斉唱。議長に手塚公明局長(平沢)、副議長に高橋秀利局長(大割野)を選出、議事録署名人には阿部眞佐身局長(新潟上所)、小林一男局長(上郷)が指名された。
 青木会長が「昨年は郵政民営化から10年の節目、しかし郵政事業の将来展望の根幹をなすことは、ほとんど決まっていない状態。ただ、消費税の減免は新たな制度措置が議員立法で法制化されることとなった。ようやく10年かけて郵便局ネットワーク維持コストとして、一部が認められるようになった。柘植・徳茂先生の2名体制を誕生させたからだと思う。まだユニバーサルサービスコストの観点からすれば、スタートしたばかり。更なる措置が早期に実施されるよう願いたい」と強調した。
 また「郵政事業の位置は非常に厳しい。人口減少によってお客さまが少なくなる。それぞれの地にある郵便局の役割、責任が重くなってきていると思う。民営化によって残念ながら地域との関係や郵便局の使い勝手が損なわれたことから、以後、一貫して地域との関係再構築や郵便局の利便性回復に向けた取組みを展開してきた。地域と歩む郵便局、地域の発展なくして郵政事業の明日はない」と述べ、「三事業はもとより、現実的な取組みを展開するとともに、地方創生事業としての新たなサービスを導入し、企業価値の向上に貢献していく」と語った。
 吉田参院議員は「自民党で最も多いのが郵活連、その副会長を務めており、様々な課題に取り組んでいるが、皆さんと共に考え共に行動していく」、太田衆院議員は「公明党の郵政問題議員懇話会に入り意見交換をしている。郵便局は生活の要の大切な公共インフラ」、塚田参院議員は「新たな交付金制度の法案の早期成立に全力を尽くす」、務台衆院議員は「郵便局が地域に貢献していることを痛感する。潜在力を発揮して欲しい」とあいさつした。
 阿部知事が「郵便局ネットワークを通じて地域の安心・安全に貢献していただき感謝。連携協定も締結したい」と述べ、望月県議会議員、丸山県議会議員、松本市、塩尻市、安曇野市の副市長が祝辞を述べた。
 三田支社長が「郵便局ネットワークの維持、強化が求められている。局長会と連携、地域の発展に取り組んでいく」、徳茂参院議員は「新たな交付金制度を議員立法で成立させる。皆さまの支援に応える」、比嘉全特理事が「郵便局ネットワークの将来像を議論しているが、地域から撤退はない」、田中全特顧問は「局長会の組織を強化、発展させていくことを望む」と語った。
 柘植芳文参院議員、野田聖子総務大臣らからのレタックスが披露された。引き続いての懇親会では青木会長があいさつ、萩原県議会議員が祝辞、手塚明顧問の発声で親睦を深めた。
 11日は局長会、なでしこの会がそれぞれ総会を再開。東日本大震災から7年となり、追悼の黙とうを奉げ、局長会では原田副会長が会務報告、29年度の収支決算書を説明、堀内裕之監事(宮田)が会計監査報告を行った。青木会長が30年度事業計画、西條英夫副会長(稲田)が収支予算書を説明、いずれも承認された。また、中村専務理事が協会関係議事を報告した。
 総会スローガン入選の山田雄介局長(東)、佳作の髙橋功局長(長浦)、久保田司局長(高府)が表彰された。
 役員補選では川上秀一理事(新穂)、槇石豊理事(三郷)、水澤稔監事(五日町)が退任、新理事に木透一寿局長(水津)、丸山徹雄局長(松本城西)、新監事に上野誠一局長(春日山)が就任した。新役員のあいさつに続き旧役員に感謝状が贈られ、青木会長が送別の辞を贈った。
 来年度の開催地は新潟県湯沢町で行われることが発表され、西條副会長が閉会の言葉を述べた。
【役員(敬称略)※新任】
〈会長〉青木進(越後上田)
〈副会長〉原田喜延(浅川)、西條英夫(稲田)
〈専務理事〉中村重光
〈理事〉根立文章(柏崎鯨波)、片山義行(赤塚)、計良正人(新潟粟山)、川﨑文郎(紫雲寺)、※木透一寿(水津)、大工原正一(臼田)、※丸山徹雄(松本城西)、横内昭弘(レイクウォーク岡谷)、熊谷源義(阿南町)、田中進(越後田沢)
〈監事〉堀内裕之(宮田)、※上野誠一(春日山)


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