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第6921号

【主な記事】

日本郵便 ロシアポストと連携
美容関連の商品が人気
郵便局で日本製品を販売


 日本郵便はロシアポストと2016年12月に「郵便事業の協力に関する覚書」を締結し、Eコマースの可能性について推進することになっていたが、これを後押ししようと、総務省は昨年、ロシアの3都市の郵便局で日本製品のテスト販売を行った。
 日本製品への関心が高く、シャンプーや洗顔などの美容関連商品が人気を集めたという。販売に手ごたえを感じたことから、日本郵便とロシア郵便は越境EC事業を本格的に進めていく。
 日本製品のテスト販売が行われたのは、モスクワ(昨年12月7日~14日)とウラジオストク(昨年9月1日~8日)、ヴォロネジ(11月8日~15日)の中央郵便局。
 展示販売では、化粧品や日用品、文具など28種類の日本の製品を揃えた。その販売調査結果が昨年12月25日にまとまった。調査結果によると、モスクワで一番人気だったのは老舗化粧品メーカーのクレンジングクリーム。椿オイルを使ったシャンプー、寿司を象った消しゴムと続く。
 モスクワでの販売では「75%以上は美容関連商品」という結果。同様にヴォロネジでもシャンプーやリンス、クレンジングが売れ筋商品だった。食品ではオニオンスープやインスタントラーメンが売れた。
 不人気だったのはティッシュペーパーや切子のグラスなど。一定のニーズのある価格帯は2000円から3500円だという。
 ロシアでは郵便局で本や文房具、飲料、絵はがき、グリーティングカード、コレクターのための古い切手などの物品を販売している。テスト販売はこの物販コーナーに特設棚を設置して行った。
 モスクワ中央郵便局では販売開始を祝し、オープニングセレモニーが昨年12月7日に行われた。日本郵便の浅見加奈子執行役員、総務省の青木勇司・郵便課国際企画室課長補佐、田島浩志・在ロシア日本大使館公使、ロシア郵便のイネッサ・ガラクティオノヴァ副社長らが出席し、テープカットが行われた。浅見執行役員と青木補佐、ガラクティオノヴァ副社長はお互いに手紙を送り合い、親交を深めている。
 ロシアの越境EC市場は急激に伸びており、日本郵便とロシアポストは、郵便局ネットワークを活用した越境ECサービスの開始に向けて、今後も協議を重ねていくことにしている。


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