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第6919号

【主な記事】

ゆうちょ銀行 イーネットと提携
ファミマATM 手数料が一部無料に


 ゆうちょ銀行と銀行系のATMを運営するイーネット(東京都中央区、西岡修社長/出資者は主に銀行)は1月10日、業務提携したと発表した。提携により15日から、ゆうちょ銀行のキャッシュカード利用者がイーネットのATMで預入や払戻しをした場合の手数料が一部無料となった。
 無料となるのは平日午前8時45分から午後6時までと土曜日の午前9時から午後2時まで。これまでは1回108円の手数料がかかっていた。利用できるのは預入と払戻し、残高照会。
 イーネットのATMはファミリーマートの店舗を中心に1万3157台(昨年12月末現在)が設置されている。同ATMの提携銀行(メガバンクと地方銀行)は、ゆうちょ銀行との開始により101行となった。
 ゆうちょ銀行のキャッシュカードは、セブン銀行のATM(2万4000台、昨年11月末現在)、イオン銀行のATM(6000台以上)でも使えるが、手数料がかかる。
 業務提携の発表には、ゆうちょ銀行の池田憲人社長、イーネットの西岡修社長、ファミリーマートの澤田貴司社長が出席した。
 池田社長は「イーネットとはこれまで管理銀行を通して提携していたが、今回は直接、提携することになり、同社としてとてもプラス。ゆうちょ銀行のお客さまの利便性が高まったことをありがたく思っている。理解と協力いただいた両社に感謝したい。今後もお客さまに寄り添ったサービス向上に努めたい」とあいさつした。
 西岡社長は「今回の提携は、ファミリーマートとゆうちょ銀行、イーネットの3社ともメリットのある形でまとまった。3社の顧客利便性の向上とビジネス向上につながる。今後はATMに先端技術を積極的に取り入れ、社会基盤としての発展をめざしたい。今後も金融や流通業界に役立つ、便利で安心して使えるシェアリングATM(シェアして利用することでコストを抑えつつ利便性を高めるため銀行が共同で利用している)を展開したい」と述べた。
 澤田社長は「加盟店が集客できるようサービスについて3社で議論し、新たなサービスを追加できるようにしていきたい」と抱負を述べている。
 ゆうちょ銀行は、日本郵政グループとファミリーマートが2016年4月に締結した業務提携により、ファミリーマートの新店舗に1400社が使え、16か国語対応の小型ATM3500台の導入を決定。昨年1月から設置を進めている。小型のものは昨年12月末で974台を設置済み。ファミリーマート全体では大型のものを含めてすでに1359台設置している。
 しかし、ATMを取り巻く環境は、スマートフォンでの決済やカード決済などキャッシュレス化が進んでいる。スーパーのレジから現金が引き出せる「キャッシュアウトサービス」が4月から開始されるなど、大きく変動している。
 イオン銀行ではJデビットカードの機能を使いキャッシュアウトサービスを始める。規制緩和により可能となったものだが、系列会社のイオンのレジは全国に2万5000台あり、将来的にはATMの利用動向にも影響する。キャッシュアウトサービスは生協などでも導入が計画されている。
 ゆうちょ銀行では、これらの環境変化を踏まえ、ファミリーマートに対してはすでに決定した3500台の小型ATMの設置は変更しないものの、追加は行わない。


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