「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6911号

【主な記事】

前向きに取り組める職場環境を
社員に直筆のはがき
[信越支社]三田彰子支社長


 郵政民営化から10年目を迎えた。折しも、郵政事業経営の基盤確立を目指している中期経営計画も3年目の最終年を迎え、各郵便局では局長や社員が一丸となって業績向上に向けて尽力している。また、昨年8月から始まった集中満期の再預入は、本年度もほぼ順調に推移しており、11月1日には、平成30年用年賀はがきが販売開始となり、年末商戦もいよいよ活況を帯びてきた。支社長就任後初の年末年始を迎えた信越支社の三田彰子支社長に、前半を振り返るとともに、年度当初に策定された支社長マネジメントの方針をはじめ、抱負などについての進捗状況や今後について語っていただいた。
(インタビュー=川口弘一編集部長)

■この4月に信越支社長として就任され、半年以上が経過しましたが、振り返ってのご感想はいかがですか。また、現在の管内における営業推進や業務運行はいかがですか。
 この8か月間、あっという間に過ぎてしまったという感じです。就任当初、いろいろとやりたいと考えていたこともあまりできなかったという思いをしています。
 管内の営業推進ですが、おおむね順調であるものの、郵便の営業収入をはじめ、郵便関係が伸び悩んでおり、改善のきっかけがほしいところです。それでも、かもめ~るは何とか目標を突破しましたし、年賀はがきもこれからというところです。ゆうパックの引き受けは、ゆうパックの損益改善や外務員営業の強化、窓口との一体営業などを積極的に行った結果、目標はクリアできそうです。
 ゆうちょについては、作年8月からスタートした集中満期の再預入率ですが、目標としている72%以上は維持しており、7~8月の「ゆうちょ信越支社長杯」の活用もあって、ほぼ順調に推移しています。かんぽは4月の保険料の改定が響きましたが、ゆうちょ同様、9月の「かんぽ信越支社長杯」を活用して頑張りましたが、わずかに計画を達成できませんでした。
 信越へ来て、営業の第一線と接する機会が増えました。汗をかいている局長や社員の姿を見てすごいと思いましたし、感謝しています。
 物販ですが、これもほぼ順調です。頒布会、お中元、カタログ販売など、日ごろのお付き合いが影響するものですが、地域との関わりや信頼関係などが大切だと感じました。
 業務面ですが、会社の根幹を揺るがす犯罪はもってのほかですが、お客さまにご迷惑のかかる事故についても、各局、部会、連絡会を通じて指導を徹底し、相応の成果を出しています。

■支社長に就任され、管内のマネジメント全般についての取組状況や、今後についてお話しいただけますか。まず、損益管理の取組徹底ですが。
 今までは営業オンリーで収益を上げようとやってきましたが、各局の環境も違い、世の中が過疎化や少子高齢化を迎え、「損益で考えよう」という方針が本社から示されました。「その認識を持ち、人件費を節減するにはどうしたらよいのかとか、収益を上げるにはどうしたらよいのか」と考え、具体的な取り組みをするようになっています。

■営業力の強化(社員育成)とは。
 社員の販売スキルを付与する各種研修を実施したり、特に実績が伸び悩んでいる社員や若年層社員の営業力の強化を行うことにしています。また、お客さま応対をするためには、社員の接遇やCSレベルを磨くことなど、相応の一般教養を身に付けることも大事であり、自己啓発に努めるよう促しています。

■働き方改革の推進についてはいかがですか。
 画一的に働き方を示すのではなく、一人ひとりのライフステージに合った働き方の環境整備を行い、社員がイキイキと感じたり、何事にも関心を持ち、前向きに取り組み、自他ともに満足できるような職場づくりが行えればと考えています。

■主要課題として、1郵便・物流営業、2ゆうパック損益改善を上げられており、中でもゆうパック損益改善については、顧客の交渉を第1四半期までに完了するとなっていますが。
 ほぼ第1四半期中、遅くとも第2四半期の前半には、見直しをさせていただきました。 

■ゆうパックの損益改善に取り組むというのはどのようなことであり、狙いは何ですか。
 当初はゆうパックを戦略商品として、身近に差出し、身近に受け取りできる商品として、今、見直しを行っています。また、昨今の宅配便サービスにおける不在配達の増加に伴う再配達コストや労働市場のひっ迫により、現状のサービス維持が難しい状況でもあります。
 当社として、生産性の向上や各種コスト削減に取り組んでいますが、今後もお客さまに満足してご利用いただけるよう、高付加価値のあるサービスとして、安定的に提供していくため、料金の見直しを行っているところです。

■荷物需要拡大のための外務員営業の強化ですが、どのようなものが対象になりますか。
 いろいろな対応があると思いますが、例えば班・チームの推進力の向上、役職者行動目標による活動量のアップ、小物や薄物獲得に向けたゆうパケットの拡大、特産品を内容とするゆうパックの拡大などを中心に視野に入れ、社員同士が協力し合い、情報を活用したり、足を使って積極的に取り組んでもらいたいと考えています。

■人件費のコストコントロールですが、どのような基準やレベルに基づいて判断し、損益改善に取り組むのですか。
 業務量に見合った要員配置が人件費コストコントロールの基本と考えています。そのために、郵便局管理者のマネジメント力向上に取り組んでいます。

■金融営業、中でも「集中満期」「投資信託のすそ野拡大」「かんぽ営業」についてはどのような推進状況ですか。
 集中満期ですが、昨年の8月から再預入をしていただけるようにカウンターセールスや、渉外社員を介して頑張っていただいており、10月24日現在の再預入率は、78.3%となっています。金利は低いわけですが、各局、各社員の日ごろの努力の賜物であり、頭が下がります。
 投資信託も紹介局制度を活用し、取扱局と紹介局が連携することで、良好な状況となっています。取扱局も7月に1局、10月に2局と徐々に拡大しております。
 また、かんぽの営業ですが、4月の保険料改定が響いて厳しい状況です。何とか年度末に信越のかんぽが全国を制覇できるよう、信越全体が一丸となって取り組んでいきたいと思っています。

■事業(会社や郵便局)の根幹を揺るがし、大きな影響を及ぼす犯罪や重大事故をはじめ、コンプライアンスについてはいかがですか。
 先ほども少し触れましたが、どのような会社でも、商売をしていくためには、お客さまとの信用や信頼に裏打ちされた関係があって、初めて成り立つものです。郵便局は150年近い年月を通じて創り上げた大切なものであり、全社員がしっかり守っていかなければなりません。
 一度、信頼や信用を失うと、せっかくの財産が一瞬のうちに水疱となり、信用や信頼を取り戻すには、5倍も10倍もの時間とエネルギーが必要となります。

■全国的に地方創生が話題となっていますが、「みまもりサービス」の実施状況はいかがですか。
 サービスの実施から2か月が経過しますが、順調に推移しています。契約者である子世代の方からは「月に1回、郵便局の方に来ていただき大変ありがたい」との賞讃の声をいただいています。

■ところで、三田支社長は信越支社に着任してから毎週欠かさず頑張っている社員さんに、直筆のはがきを書かれているとお聞きしましたが、具体的に教えてください。
 私が着任してから、日々の営業推進、業務運行、CS向上にしっかり取り組んで頑張っている社員さんや郵便局に、私から応援レターを書きたいと始めたものです。毎週欠かさず、郵便、ゆうちょ、保険営業で顕著な成績を収めている社員さんに、お客さまの声で、賞讃を頂いた社員さんなどにはがきを書いており、今では200人以上になりました。
 一字一字、一生懸命に書いたはがきが社員さんに届けられ、一層頑張っていただければ嬉しく思います。

■最後に、29年度はどのような形で終了したいと考えていらっしゃいますか。
 日本郵政グループ中期経営計画の最終年としてしっかり総仕上げを行い、今後もお客さまのご期待に沿い続けることができるよう、企業価値の向上に取り組む所存です。


>戻る

ページTOPへ