「通信文化新報」特集記事詳細

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第6904・6905合併号

【主な記事】

信念と決意で担い手に
[関東地方会]地方創生施策発表会

 関東地方郵便局長会(長谷川英晴会長/山田)の「地方創生施策発表会」が9月30日、さいたま市のホテルブリランテ武蔵野で開催された。全特から浦瀬孝之理事(四国地方会長)、比嘉明男理事(沖縄地方会長)、関東・南関東支社の幹部らを迎え、発表者、地区会長など約350人が出席した。
 長谷川会長が「地方創生は創業以来、我々が常に実践してきたものだ。国も会社もやっと同じ方向になったと言える。地域は急激に変化しているが、地域に密着した我々でなければこそできないことがある。今こそ我々の力を発揮することが重要。責任と自覚、そして創業の精神を基に、地域を最もよく知っている我々が先頭に立ち、揺るぎない信念と断固たる決意で地方創生の担い手になろう」と呼びかけた。
 浦瀬理事は「地方創生は全特も重要課題として専門委員会を立ち上げている。多くの取組みを参考に、各々の地域に合った活動を願う。郵便局ネットワークの将来像について、会社と協議を開始しており、意見を出して欲しい。地方創生の役割を含めてより良いものにしていかなければならない」と強調した。
 比嘉理事は、自ら取り組んだ沖縄北部の振興策として、ヤンバルクイナの棲む国内最大級の亜熱帯照葉樹林「やんばるの森」などを世界自然遺産に登録する活動を紹介、「アイデアは現場にある。地域の信頼も生まれてくる実践を」と語った。
 各県を代表した地方創生の取組みが発表され、最優秀賞には千葉東南地区会の関裕仁局長(総野)〈発表者〉、今井暁雄局長(一松)〈補助者〉が選ばれた。
 吉田正信副会長(七里)は「地域の特色が出た発表だった。地域に密着した活動だが、自治体などとも深く連携することが地方創生となる。地域が元気になる取組みを今後も積極的に行って欲しい」と講評した。
 最優秀賞となった関局長は「もっと素晴らしい活動をしている局長も多いと思う。少子高齢化だが高齢者さえも少なくなっている地域がある。東南は組織力が強い、局長という多くの同志がいて、一緒に活動した結果を発表したに過ぎないが、選ばれた感動を基に関東の代表として頑張りたい」と話している。
【発表者と概要】
《栃木中部地区会》〈発表者〉川村充伸局長(宇都宮宝木町)〈補助者〉蔵谷昌隆局長(瑞穂野)=住めば愉快都だ宇都宮~振興と発展のお手伝い~
▽百人一首の「みなbeフェスタ」の開催や市民大会への協力=宇都宮は百人一首の発祥の地。宇都宮5代藩主・宇都宮頼綱が和歌が好きで、藤原定家に依頼したのが始まりとされる。伝統文化の伝承に貢献。
▽ポスコン(婚活パーティー)=郵便局ネットワークを活用し、出会いの場を作る。ポスコンは栃木中部が元祖。
▽プロサッカーチーム栃木SCと連携した健康増進活動=青少年のスポーツを振興。
《千葉東南地区会》〈発表者〉関裕仁局長(総野)〈補助者〉今井暁雄局長(一松)=私の地方創生活動~地域と共に歩む~
▽明治から続く郵便局で、直系5代目=15種類に及ぶ活動を展開。
▽熱血!勝浦タンタン麺船団員=関東B1グランプリを勝浦市に誘致、実行委員として参画。勝浦タンタン麺を開発、経済の活性化に貢献。
▽勝浦いすみ青年会議所(スマイルプロジェクト)=未来を託す子供たちをはじめ、世代を超えて楽しむイベントを開催。
▽五色百人一首大会=行政から協賛を得るなど地域の活性化に貢献。
《山梨東部地区会》〈発表者〉望月浩一局長(境川)〈補助者〉渡邉正成局長(中道)=「私たちの地方創生」地方自治体と取り組む“ふるさと納税”
▽生産農家との信頼関係=ブドウやモモなどの生産農家との信頼関係を築いてきた。
▽地域活動から行政を巻き込んだ地方創生、地域活性化策への挑戦=ふるさと納税事業への参画をお願いしたが失敗もあり苦悩したが、粘り強く交渉した。
▽「ふるさとぷらす」=市長へ局長全員でお願い。「ふるさとぷらす」で、「ふるさと納税発送業務」を行うことを締結。
《横浜南部地区会》〈発表者〉渡邊岳局長(横浜六浦川)〈補助者〉山中茂局長(横浜大道)=「横浜ビーチマラソン」を通じた地方創生の取組み
▽第1回横浜ビーチマラソンを開催=全国でマラソン大会は年間2000回程度開催されている。ランナーも魅力的な大会でないとエントリーせず、第1回を開催するのは余程のバックアップがないと不可能と言われている。2か月余りと短期間での準備の中、横浜南部地区会の局長、社員、南関東支社とPTを立ち上げ成功へ導いた。
 ご当地キャラに暑中見舞いはがきを送ろう、各種ワークショップ、日本郵政女子陸上部のサイン会など多彩な催しも企画、給水所の設置も行い1140人のランナーが快走した。
《埼玉中部地区会》〈発表者〉村川透局長(大宮プラザ)〈補助者〉野村滋郎(与野上落合)=さいたま市と歩む地方創生
▽地方創生シンポジウム=長谷川関東地方会長、清水勇人さいたま市長を招き開催。
▽さいたま市との連携=マイナンバー制度の普及促進から、さいたま市と市内郵便局との連携に関する包括協定を締結。
▽さいたまクリテリウムへの協賛=大会オフィシャルサポーター特典のゆうパック利用、発送の獲得。記念フレーム切手の発行。大会期間中、販売ブースを2か所確保、年賀はがき、フレーム切手、地元企業のふるさと小包を販売。
▽農業の振興、地産地消の促進=大宮のうなぎのふるさと小包を販売、農家とタイアップしたシクラメンのふるさと小包を商品化。
▽ゆうゆうフェア=さいたま市の東日本大震災復興支援「東日本連携」の一環として物産展。
《群馬西部地区会》〈発表者〉戸塚茂局長(倉渕)〈補助者〉小野浩幸局長(榛名高浜)=米づくりから地方創生
▽少子高齢化の波が止まらない過疎地域。産業の中心である農業、特に米づくりにより地域を活性化、高齢者が生きがいを持って暮らせる地方創生の取組み=高齢化により稲作ができない耕作放棄地を活用。「機械作業隊」「見守り隊」「農援隊」を組織、組織的に米づくり。必要な資金を調達するため、地産地消を旗印に販売網を確保し拡大。安くておいしいと評判を得た米をブランド商品とするために「和(なごみ)の米」と名づけ販売促進。
 郵便局長そして郵便局ネットワークを活かした米づくりにより、高齢者が主役となって働き、生きがいを持って暮らせる地域社会をつくり上げ、地方創生を図っている。
《茨城中部地区会》〈発表者〉眞家富二夫局長(大場)〈補助者〉金子信行局長(上野合)=アニメとコラボした町おこし
▽アニメとコラボ=アニメ放映をきっかけに、多くのファンが訪れるようになった。また大洗町主催の「あんこう祭り」には、人口1万7000人の町に13万人を超える来場者がある。郵便局も協力している。
 アニメで町おこしは「人と人のつながりを大切」に、一過性で終わらないように町全体で取り組んでいる。アニメ放映から5年が経過したが、7割程度がリピーターとなっている。郵便局もファンや観光客が利用しやすいように工夫している。



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