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第6881・6882合併号

【主な記事】

没後98年 前島密翁墓前祭
郵政記念日に称える会へ感謝状


 没後98年となる「前島密翁墓前祭」が4月22日、神奈川県横須賀市芦名の浄楽寺で挙行された。「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」(吉﨑庄司会長/元・鎌倉材木座局長)が主催し毎年行われている。今年は4月20日の郵政記念日中央式典で、称える会の功績に対して日本郵政の長門正貢社長から感謝状が贈られており、集まった参列者は喜びを分ち合うとともに、改めて前島スピリッツの継承を誓った。
 晴天に恵まれ、浄楽寺本堂の前には称える会、生誕の地・上越市の「前島密翁を顕彰する会」(堀井靖功会長)、前島密の親族の髙田興治さん、日本郵政グループ、全国郵便局長会の多くの会員、OBら約220人の関係者が参列した。
 吉﨑会長が「郵政記念日に感謝状をいただいたが、会員をはじめ多くの皆さまの支援の賜と感謝。会員も約550人となり、多くの方が参列、前島密翁の遺徳を偲び、新たな郵政事業の発展を期することはたいへん意義深い。再来年の没後100年に向け引き続きの支援を」とあいさつ。
 横須賀市の吉田雄人市長は「これからも郷土にゆかりの深い偉人の業績を発信していきたい」と述べた。
 徳茂雅之参議院議員は「前島密翁が創設した郵便事業が大きく発展、地域の暮らしに安心を与える存在になっている。前島翁の思いを受け止め、50年、100年先にも繫げていけるように取り組んでいきたい」と語った。
 日本郵便の髙橋亨会長は「各地、また人を繫ぐ郵便の仕組みで近代日本がある。前島翁の様々な分野への果敢なチャレンジに思いをいたし、現役も難局に立ち向かっていきたい」と強調した。
 顕彰する会の堀井会長は「昨年は前島翁直筆の10メートルに及ぶ幟が2本発見され、50年ぶりに公開された。また、新潟県の偉人50人の中で2番目となりテレビ放映された。没後100周年へ向けて改めて功績を見つめ直していきたい」と意欲を示した。
 参列者は本堂前での記念撮影に続き、高台にある墓前へ。吉﨑会長、吉田市長、徳茂参院議員、髙橋会長、日本郵便の大澤誠専務執行役員、全特の小野寺武専務理事ら参列者は偉業に思いを馳せながら前島密・なか夫人の墓に手を合わせた。
 佐島マリーナに場所を移した午さん会では、吉﨑会長に続いて日本海員掖済会の谷山將会長が「海員掖済会は前島翁が発起人の一人として明治13年に発足した。国力をつけるには貿易が重要、そのためには海運の発達が必要で、船を動かす船員の育成が求められるとつくられた。現在は病院の運営が中心だが、前島精神で行っている」とあいさつした。
 日本郵政の衣川和秀専務執行役が「前島翁の『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためよかれと願う心を常に持てよ』の思いを大切に郵政事業を発展させていかなければならない」、南関東支社の大谷津善樹支社長も「社員一人ひとりの中に前島翁の理念は息づいている。愚直に人のためによかれと願うことを続けていくことで、地域に愛される郵便局をつくっていく」と語った。
 上越市の村山秀幸市長の「郵便のみならず多岐にわたる功績が、近代日本の礎となっている。改めて功績の偉大さに思いを致し、地域の誇りとして後世に伝えていきたい」、稲村公望・元日本郵便副会長の「日本を代表する英傑の人、その精神を受け継ごう」とのメッセージが披露された。
 吉﨑会長の発声で献杯、参列者は改めて前島密の業績を偲ぶとともに、その精神を受け継いていくことを誓った。


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