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第6879号

【主な記事】

第31回 全特写真コンテスト
グランプリに塚本正彦局長(但馬日高)


 第31回「全特写真コンテスト」の入賞作品が決まり、3月20日に東京都千代田区の都市センターホテルで表彰式が行われた。受賞者をはじめ全特役員、事務局ら約80人が出席。666点の応募作品は年々レベルも上昇し、特別審査員を18年間務めてきた奥田昇氏(日本写真文化協会顧問)や全特三役を悩ませた。今回は、塚本正彦局長(兵庫県・但馬日高)が「雪降る明日も」で2度目のグランプリ(全特会長賞)に輝いた。
 塚本局長は2013(平成25)年、過疎地で一人暮らしをしながら郵便販売所を営む婦人と集金に足を運ぶ渉外社員のコミュケーション場面をとらえた「ありがとう」と題した作品でグランプリを受賞。初の受賞時に奥田特別審査員の「写真は地域貢献になる」との言葉に感動し、地元但馬の素晴らしさを伝えようと局長仲間と写真クラブを立ち上げた。個人情報を守る細やかな配慮に留意しながら青年会議所や商工会と連携し、行政の信頼を勝ち取る中で、様々な取組みを続けている。
 このほか、第一部金賞に谷本昇三局長(広島県・福山野々浜)の「森の中のポスト」、第二部金賞に石田広幸局長(北海道・釧路大町)の「晩秋の青い池」、OB部金賞には山内実氏の「初秋の丘」が選ばれた。表彰式ではグランプリをはじめ、金賞、銀賞、銅賞、新人賞に青木進会長から賞状と記念品が贈られた。
 青木会長は「自然やそこに住む人々の瞬間のきらめきや迫力をとらえた数多くの作品が集まり、素晴らしさを実感するとともに、選ぶのに苦労した。一つひとつの作品すべてが地域貢献のきっかけになることを期待したい。奥田先生には1999(平成11)年から18年もの長きにわたり指導いただいてきた。全作品は指導と激励の賜物」と深く感謝の意を表した。
 奥田特別審査員は「郵便局長は“地域の顔” 。その地元でなければ撮れないものが必ずあり、それらを撮って紹介することで地域貢献になる。長いようで短かった18年。当時はリバーサル投影だったが、徐々にデジタルに変化していった。応募作品も増え、素晴らしい写真が数多く集まるようになった。写真は時代とともに変わっていくが、これからも頑張ってほしい」と講評した。
 文化庁の紹介で全特写真コンテストに携わるようになり、「写真で大事なのは感性で、何を狙い、何を伝えたいのかを見抜くことが大切」との思いで、審査を務めてきた奥田特別審査員に花束が贈呈された。
 表彰パーティーでは、山本利郎副会長が「奥田先生には大変お世話になった。ますますの健康とご多幸を祈っている。実は、写真展には代々の全特会長も応募している。しかし、評価は役職とは関係ない。皆さんもさらに腕を磨いてほしい」と笑顔で乾杯発声を行った。
 山﨑雅明副会長は「プロの写真家が撮ったと思われるほど、作品レベルが上がってきた。写真を撮って地域の方々に喜んでいただこう。郵便局の存在価値も高まる。自分もカメラを購入して、コンテストに挑戦してみようと思う」と締めくくった。


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