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6878号

【主な記事】

郵便局で年金受取り
[総務省]ベトナム郵便を支援


 ベトナム情報通信省とベトナム郵便から幹部が来日し、高市早苗総務大臣とトゥアン情報通信大臣の会談をはじめ、協力関係を発展させるための合同作業部会設置の共同議事録への署名、日本企業とベトナム郵便との間で金融サービスの電子化に関する基本合意や契約の締結が3月29日、総務省で行われた。
 来日したのはトゥアン情報通信大臣やホン情報通信副大臣、ベトナム郵便のトゥアン社長ら関係者。高市総務大臣とトゥアン情報通信大臣の会談ではICT(情報通信技術)や郵便分野での両国の協力を一層推進することを確認し、両省の間で合同作業部会を設置する共同議事録に署名した。作業部会では両国の局長クラスが議長を務める。
 この日の会談では総務省からは「電波管理システム」や「放送番組制作での交流」、ベトナムからは「スマートシティへの日本の協力」や「ベトナム企業が日本に進出するための環境整備」が提案されたという。
 高市大臣は「日本のノウハウを生かしたサービスの展開を通じて、ベトナムの人々の生活が良くなるよう願っている」、トゥアン情報通信大臣は「合同作業部会の署名は両国の友好関係の発展に貢献できる大きなイベント。成果が生まれるよう、高市大臣との間で両大臣はどこまで仕事ができたかをチェックする役割をしていくことを約束した。友好関係が深まるよう祈念している」と述べた。
 ICカードを使って年金などを郵便局で受取るためのシステムの構築に関して、日立製作所と三井住友銀行、ベトナム郵便との間で、「金融サービスの電子化支援に関する基本合意書」、日立アジア(ベトナム)とベトナム郵便の間で、「サービス提供に係るMaster Service Agreement」を締結した。
 ベトナムの年金受給者は、約290万人。ベトナム郵便では政府から委託を受けて、年金などの受取業務を行っている。年金は郵便局での現金受取りと銀行の口座振り込みの2つの方法で受取が可能だが、銀行口座保有率が低く、その大半は郵便局を利用している。
 ベトナム郵便は、1万1505局の郵便局(2013年度現在。委託局を含む)を全国展開しているが、年金支給期間は3日間しかなく、紙の申請書を使っていることもあり、その受取期間は郵便局の窓口に長蛇の列ができるという。局員は対応に追われて他の仕事や郵便サービスにも支障が出る状態になっている。
 同サービスは、年金などの支給対象者にICカードを配り、そのカードを窓口で読み込むことで、支給実績の確認や現金の支払いを行う。
 業務の電子化により、文書管理などの手間が削減でき、効率化が図れる。利用者もいつでも年金を受け取れるようになった。
 まずは4月中旬以降に、ハノイ市の近くのハイズオン省・ビンザン郡からスタートし、2018年までの約2年間で順次、全国展開を進めていく。


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