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第6868号

【主な記事】

ミャンマーの郵便、日本の支援で品質向上
金子総務政務官が視察


 日本郵便は2014年からミャンマーポストの品質向上を支援しているが、1月16日から19日まで金子恵美総務政務官がミャンマーを訪れた。ヤンゴン中央郵便局では1日局長に任命され、日本の技術協力で改善された様子を視察した。現地記者向けの会見では、日本の高い郵便品質でミャンマーの郵便事業が改善されたことをアピールした。

 ミャンマーの郵便事業は軍事政権時代、郵便物の検閲を行ったり、届かなかったりなどがあったことで国民の信頼が損なわれていた。2014年3月から総務省の事業で品質改善を支援、送達率は3都市(ヤンゴン、ネピドー、マンダレー)で当時87.8%だったものが99.3%に向上している。
 昨年10月にはタン・ズィン・マウン運輸・通信大臣が来日した際にも、高市早苗総務大臣との会談で「我が国の郵便はまだ国民から信頼されていないが、日本の協力と支援を得て、郵便分野の向上・発展に努めたい」と更なる改善への意欲が示されていた。
 金子政務官は17日、ヤンゴン中央郵便局でカム・アウン総裁と会談した後、1日局長を務めた。郵便ポストと同じ赤いワンピースに白いジャケット、郵便局長のたすき姿で局内を回り、職員を激励した。
 日本の支援で改善された郵便区分棚やカウンター、パレットを使った仕分作業、日本型のポスト(ヤンゴンでは141本を整備予定で、4本が設置済み)、配達用のバイク、送金サービス電子化システムなどを視察した。区分棚ではJICAから派遣されている日本郵便の鈴木忠専門家が説明に当たった。
 ミャンマーではまだ郵便物の取り扱いが少ないことから、金子政務官は1日局長として、はがきや封書の需要拡大に向けてPR活動も行った。
 訪れた人に「郵便を使ってください」と日本から持参したトキや桜などの絵はがきをプレゼントした。
 また、同国に進出している日本企業にもミャンマーポストを使ってもらいたいと、日本語で書かれた常設の「日系企業様お引き受けカウンター」が設置されている。
 ここで金子政務官は高市総務大臣宛てにはがきを差し出し、職員に日本郵便の提案で作成された風景印を押印してもらった。同国には日系企業は昨年6月現在で313社が進出し、約2100人が働いている。
 この後、地元記者向けの会見が行われ、新聞・テレビ・雑誌など15社の記者が参加した。
 金子総務政務官は「安全・安心、確実に届く、速い」という日本の郵便品質をミャンマーの郵便の将来の姿として紹介した。
 記者からは「日本の送達率は99.9%だが、ミャンマーはいつ頃、日本のようになれるのか」「郵便局が金融や荷物も含めた物流拠点になるのはいつ頃か」などの質問があったという。
 金子政務官は翌18日にはネピドーに移動。タン・ズィン・マウン運輸・通信大臣と会談した。


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