「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6867号

【主な記事】

エリマネ局との共販で大きな成果
和歌山県 湯浅郵便局長
山本雅之局長

 和歌山県の湯浅郵便局、山本雅之局長は「社員のモチベーションアップと生き生きとした職場づくり」に取り組んできた。本年度は特にエリマネ局との局周活動の共同販売によって、著しく社員の営業意欲が向上、窓口の保険は早期に目標を達成した。渉外も情報共有化による全員営業によって好調に推進している。また、特産品のみかんゆうパックは順調に推移しており、〝継続は力なり〟を合言葉に、総仕上げに向けさらなる実績アップへとまい進している。

 山本局長は平成27年4月に湯浅局長に就任し、社員のモチベーションアップと生き生きと働く職場づくりに取り組んできた。2人の課長の退職後、営業について一抹の不安があったが、窓口営業部長、課長の率先垂範の社員指導が功を奏して、昨年度に引き続き、本年度も全社員が真剣に営業に取り組んでいる。
 特に、窓口営業ではエリマネ局社員との局周活動をきっかけに、社員の営業意欲向上が図られたことが大きかった。窓口では個人の推進表を掲出するなど、営業成績の見える化の徹底を図り、1週間の5日間、毎日、重点商品を決めて取り組んだことが成果につながったとしている。
 この結果、窓口の保険営業では11月14日に早期目標達成した。山本局長は「効果を上げたのは社員の弱点に気づいてもらい、長所を伸ばす指導だった」と指摘する。
 前任は和歌山営業統括本部長だった。和歌山県紀央地区連絡会(橋本雅己統括局長/湯浅栖原)との連携によって、特産品のみかんゆうパック増には力を入れてきた。みかんプロジェクト委員会を23年度に立ち上げ、和歌山県下の全局で取り扱いとなったことを機に、23年度約41万個、24年度48万個、25年度56万個、26年度61万個と着実に増加の一途をたどった。
 27年度には68万5000個に達し、本年度の目標は70万個を目指している。うち、湯浅局の目標は18万8500個となっている。11月30日現在、和歌山全体でみると、前年実績比105・1%と前年度を上回る順調な推進となっている。

  窓口、渉外とも金融営業は実績アップ
 「本年度、窓口社員は見違えるほど営業意欲が向上した」と藤内(とうない)裕之窓口営業部課長は高く評価している。金融渉外部の方は昨年度、優績者がいなくなり、目標達成が危ぶまれた。情報の共有化による全員営業によって早期目標達成を果たした。
 本年度も好調を維持し、情報の共有化を図り、1件1件の見込み客を大事に同行販売などの全員営業により確実に成果を上げている。前出(まえで)哲紀金融渉外部課長は「和歌山県下で一番明るい職場になった」とさらなる実績アップに期待をかけている。
 楠本洋司窓口営業部長(金融渉外部長兼任)が社員のモチベーションアップのため、「明日も来たくなるような職場にしよう」と呼びかけたのが、全員営業につながった。
 本年度、山本局長の“継続は力なり”を合言葉に、全員営業によって一層の成績向上にまい進している。
 
  みかんゆうパックは順調に実績
■みかんゆうパックについてー山本雅之局長
▽オペレーションをしっかりやっていく▽品質確保に努める▽みかん箱を持つ場合には両手で底から持つことが大切。みかん箱の横の穴は空気穴である▽パレットの積み過ぎには注意してほしい。
〈引受個数の実績〉▽平成22年度―30万5110個▽23年度―41万2979個▽24年度―48万1531個▽25年度―55万9699個▽26年度―61万771個▽27年度―68万5299個。
▽23年度以降、みかんプロジェクト委員会を設置し、みかんゆうパックは和歌山県下全局での取り組みとなり、一体営業で実績を上げてきた。本年度の目標は70万個、うち湯浅局の目標は18万8500個。11月30日現在、県全体では前年を上回る実績を上げている。

  情報を共有化し全員営業
■金融渉外―楠本洋司・窓口営業部長(金融渉外部長兼務)、前出哲紀・金融渉外部課長
▽昨年度、貯金と保険は好調に推進し、全商品が100%達成した。保険はがん保険、貯金は定定新規、投資信託が100%達成した。実績向上の要因は優績者がいなくなり、当初から目標達成が危ぶまれ、全員営業で取り組んだことが成果を上げた。全員でやるためには情報の共有化が必要と、ほとんど知らないお客さまの場合には、知っている社員との同行で取り組んだ。また、ホワイトボードに全員のスケジュールを記して、空いている時間帯には班長との同行販売を展開するなど、積極的に時間管理に努めたことが効果的だった。
▽本年度、5人体制で1人が貯金専担、残りの4人が保険専担に当たり、成果を上げている。保険専担者は貯金の集中満期にも取り組んだ。1軒の家を大事に全員で当たったことが成功し、貯金、保険の実績向上につながった。
▽保険は7月末には50%の赤道を越えた。8月以降、料額改定で厳しい状況となった。週1回、勉強会を開催し、病院の入院費のデータの活用によって、終身保険の実績アップを図り、特約保険料も上向きになり、本年度も早期目標達成を見込んでいる。
▽楠本部長によると、優績者が抜けたので目標達成は厳しいのではと相談を受けた。全員でやれば必ず達成できるとして、各自、年間50万円アップを目指そうとアドバイスした。各自、アップのため、あきらめないで、すべての情報をオープンにして成約できるところから全員で取り組んだ。期限を設けてそれまでには必ず実績を上げるようにした。大事なのは月間の不足分を早めに補うため、土・日に真剣に取り組んだこと。それから「明日も出勤したくなるような職場づくり」と全員営業でお互いの実績をカバーし合ったことが成功した。
▽前出課長によると、各自が1日の訪問件数を1件ずつ増やした、毎日、3~5件は商談できるところを確保したのが大きかったとみている▽この結果、「職場の雰囲気が非常に明るくなり、和歌山県下で一番だろう」と前出課長は強調している。

  保険は相続対策のメリットを強調
〈前出課長の販売話法の秘訣〉▽保険では相続対策でのメリットを強調して効果を上げた。万が一の場合、遺された保険金で助かった事例を挙げて、子どもにも同じように保険金を遺すことが大事ではないのかと話している。
▽変額年金保険については、死亡保険金の受取人を指定できることから、相続のメリットを強調した▽資金運用は今、金利が低いので、相談を受けることが多く、「投信をやっていますか。郵便局でもやっています」と話し、興味を持った場合、郵便局の商品を提案して成果を上げた。

  局周活動が営業意欲アップ
■窓口の金融営業―楠本窓口営業部長、藤内裕之・窓口営業部課長
▽昨年度、保険の推進率は46%だった。27年10月着任の藤内課長によると、窓口では来局したお客さまに対する営業意欲がほとんど感じられなかった。営業成績では自分たちがどの位置にいるのかも分からない状態だった。そのため、個人の実績の推進表を職場に掲出するなど、実績の見える化に力を入れた。
▽営業意欲を向上させるきっかけとなったのは、月4回ぐらいのエリマネ局社員との共同販売である。リーダーの営業意欲が向上し、周りの社員へ浸透したとみている。
▽局周活動は当初のポスティングから実績を上げる取組みに変わったと分析する。来局者が午前中に集中するところから、午後には社員が電話して局周活動を展開している。訪問する際には事前準備で、何をアピールするのかをイメージしてから出発しているのが大きく、この結果、本年度、窓口営業は好調に推進し、窓口の保険は11月14日に目標達成した。「昨年度に比べると見違えるほど社員の営業意欲が向上した」と藤内課長は高く評価している。
▽楠本窓口営業部長は窓口の飾りつけやレイアウトに注目している。お客さまの反応によって、毎日のように売れ筋の商品を並べ変えるなど、お客さまの目を引き付けようと工夫を凝らしている▽楠本部長によると、全員がどの窓口でも対応できるように研修を行ったことが、営業意欲を高めたと分析している。

  郵便局の投信をお知らせ
〈藤内課長の販売話法の秘訣〉▽郵便局が投信をしているのを知らない人が多く、「金利が低いからどうしようか」と相談を受けると提案をしている。最初は少額で行い、手ごたえを感じたら、まとまった金額でやってもらう。
▽キャンペーン期間中は「バランスファンドの商品の購入の手数料がキャッシュバックになるので、この機会に考えてみませんか」と話している▽ゆうちょの集中満期では電話して訪問することが多い。確実に会える場合は、近くのお客さまも含めて多訪問して効果を上げている。遅延対策のため、土・日に訪問するケースが多かった。

  満期の口座指定はお済みですか
〈植西(うえにし)真美・窓口営業部課長代理(保険リーダー)が効果を上げた販売話法〉▽エリマネ局の足を引っ張りたくはないと、営業に真剣に取り組んだのが実績向上の要因だろう▽窓口で「振込先口座の登録」のお知らせが効果的で、「満期の口座指定はもうお済みですか」と声をかけている。この手続きをするために保険証書、通帳などの書類が必要となる。このために窓口に来ていただくか、いつ訪問するのかを確認している。
▽会話では家族の状況等の話から、不足している保障に気づいてもらい、保険を提案して効果を上げた▽若い時分は満期型だが、年を取るとニーズが異なり、終身保険が多くなる。また、特約の関係で1日目から入院保険金がほしいとの要望もあり、保険に加入するケースが多かった。


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