「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6864・6865合併号

【主な記事】

「トータル生活サポート企業」に飛躍
成長・発展へ挑戦を続ける
日本郵政 長門正貢社長


 通信文化新報の読者の皆さま、あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、つつがなく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 2017(平成29) 年を迎えるにあたりまして、日本郵政グループを代表して、グループを取り巻く環境と本年のグループ運営に関する抱負を申し上げます。
 15年11月4日に日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の3社が東京証券取引所の市場第一部に上場してから、おかげさまで1年が過ぎました。
 上場後はこれまで以上に、コーポレートガバナンスの強化に取り組むとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現すべく取り組んでまいりましたが、私の印象を申し上げると、上場後のこの1年間は日本郵政グループのさらなる発展のための準備期間であった、というのが率直なところです。
 旧年の取り組みを振り返りますと、15年度から17年度までのグループ中期経営計画において、16年度は中期経営計画の2年目としてトータル生活サポート企業の実現に向けた「成長・発展に向けた飛躍」の年と位置づけており、それぞれの事業を《成長期》へと転換することを目指してまいりました。
 この方針に基づき、郵便局ネットワークを基盤として、郵便・貯金・保険をはじめとして、お客さまや地域・社会のニーズにお応えするサービスの提供に努め、宅配ロッカー「はこぽす」の設置拡大や「KITTE博多」「KITTE名古屋」の開業、地域金融機関との連携の一環としての九州広域復興支援ファンドへの出資といった日本郵政グループが上場企業として次のステップに進むための取り組みを行ってまいりました。
 中間決算では、歴史的な超低金利が継続する厳しい経営環境下にあり、グループ連結では前中間期と比較して減収(▲6.8%)・減益(▲29.9%)となったものの、16年度の通期見通しに対する純利益の進捗状況はおおよそ計画どおりとなっており、グループ全体の経営状況としてはまずまず堅調に推移していると考えております。
 しかしながら、歴史的な超低金利の継続をはじめとした今後の金融市場の動向や、国際物流事業(トール社)における豪州経済の景気回復の遅れによる豪州国内ネットワーク部門の収益の落ち込みなど、利益水準に大きく影響するおそれのある要因もあり、グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しい状態が続くと考えております。
 こうした状況の中、競合他社に競り勝つためのより素早い経営が求められております。グループ中期経営計画の完遂に向け、既存事業の収益強化を促進するとともに、みまもりサービスの本格展開に向けた取り組みを進めるなど、トータル生活サポートサービスの充実に向けて引き続き取り組んでまいります。
 具体的には、郵便・物流分野においては成長著しい通販市場とeコマース市場を中心にゆうパック、ゆうメールの拡大等へ取り組みます。
 金融分野においては、資産運用商品販売の強化やATMの利便性向上等により手数料ビジネスの強化を図るとともに、簡易生命保険誕生100周年を契機としてお客さまと対面する機会を増やしながら、入院特約を付加した養老保険と終身保険の販売強化に取り組みます。
 さらには、外国証券投資の拡大、不動産・プライベートエクイティ等のオルタナティブ投資の推進など、引き続き、運用の多様化・高度化に取り組むとともに、運用部門の態勢強化を図ります。
 また、社員のワーク・ライフ・バランス推進に向け、育児・介護への支援を拡充するとともに、多様な働き方のニーズへの対応、女性社員が活躍できる職場の構築などの「働き方改革」に取り組み、社員の力が最大限に発揮される職場作りを進めてまいります。
 このような取り組みを通して、「そばにいるから、できることがある。」のスローガンの下、お客さまのご期待に応えられる「トータル生活サポート企業」への成長・発展を遂げるよう挑戦を続けてまいります。
 創部3年目を迎えた日本郵政グループ女子陸上部においては、8月に開催された「リオデジャネイロ 2016 オリンピック」に2名の選手が出場し、11月に開催された第36回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝in宮城)では初優勝を果たすことができました。
 皆さまのご声援に改めて感謝申し上げます。これからも、2020(平成32)年の東京オリンピック出場をはじめ、更なる目標達成に向けてチーム一丸となって取り組んでまいります。そして、同じく11月、日本郵便の「ぽすくま」が皆さまの多大なるご支援により、ゆるキャラグランプリ 企業・その他部門で見事第1位となりましたことにも、あわせて御礼申し上げます。
 皆さまにおかれましては、これまで以上に日本郵政グループへのご支援・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 最後になりますが、皆さまにとって本年が輝かしい1年となりますことを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。


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