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第6860号

【主な記事】

女性が輝く職場を
[九州地方会]女性会員研修会開く

 九州地方郵便局長会(地福勤会長)は11月11日、ホテルセントラーザ博多で初の女性会員研修会を開催した。日本郵便の一木美穂女性活躍室長を招き、「活き活きのヒント」をテーマに話し合う場も取り入れたユニークな講話が行われ、約90人の女性局長が熱心に耳を傾けた。

一木室長が講演「活き活きのヒント」

 矢野哲朗副会長は「4月から機能重視のマネジメントも始まり、半年が経過した。働きやすい職場作りに向けて支社や統括局長と話し合っている。一番肝心なことは防犯だ。九特も犯罪ゼロを目指し、様々な施策を展開しつつ撲滅の仕組み作りに取り組んでいる。決めたことを繰り返す実践を節に願いたい」とあいさつ。
 小柳克彦副会長は「数か月前に試算された三事業のユニバーサルサービスコストは、郵便が1873億円、貯金575億円、保険183億円。柘植芳文参院議員と徳茂雅之参院議員の二人体制になり、これからが本格的な勝負となる。女性の視点を経営に活かすためにも幅広い提案を待っている。重い職責を担う女性局長はある部分では孤独かもしれないが、今日は仲間同士で学び合う良い機会にしていただきたい」と呼びかけた。
 西村光晶理事は「女性がさらに活躍するための会合を提案し、それが実現できて嬉しい。課題解決のヒントが得られると思うが、大事なのは実践に移すことだ。九州の女性局長の割合は全体の4%で全国ワースト2位。ちなみに、りそな銀行は21.9%と聞く。後に続いてくれる女性局長を生み出すためには、皆さんが輝かなければならない。女性局長が会社と地域社会の発展に貢献していける体制を作っていきたい」と意欲を示した。
 坪井春海理事は「九特は防犯の未然防止のために9会場で防犯会議を開催した。改めて気を引き締めなければならない。隙を作らずにコンプライアンス違反を起こさないよう緊張感を持って取り組んでいただきたい」と強調した。
 講演に入り、一木室長が登壇。「政府が打ち出した5年後の女性管理者数は10%。現在は7%だが、日本郵便が3%上げることを計算すると1000人増やすことになる。どうやったら増やせるのかを考えると、やはり先輩となる女性局長が活き活きとしなければ続こうと思えない。働きやすい魅力ある職場を作っていくことが大切」と呼びかけた。
 資料の人口ピラミッドについて「団塊世代が来年70歳を迎え、さらに50年後には労働人口が現在の半分になる。今後は介護問題が深刻化し、時間の制約を持つ働き手が一気に増えていく。これまでは育児を抱える女性に時間制約があることが一般的だったが、今後は男女問わず、しかも、年代的にも介護問題を抱える管理者が多くなる。残業が難しく、周りに迷惑をかけると悩む社員の方にどういうアドバイスが必要か」と会場に質問した。
そして、「まずは聞いてあげる。サポートの制度を知らない人も多いため、社員と日頃、信頼関係を築きながら、そうした悩みに寄り添う思いで、ワークライフバランス・ガイドブックに掲載されるサポート制度を伝えていくことが大切」と指摘した。
 「介護休暇は介護の事態に入ってからとるものではなく、介護しながら仕事を続けるために準備するための休暇制度。ケアマネージャーなど様々なことを調べて手配を滞りなく行うための期間」と説明。
 「体験談として聞いたことがあるが、介護を抱えるために早く帰らなくてはならない金融渉外社員が出た際に、社員の仕事を細分化し、『局にいる時間にできる仕事はどれだと思うか』と訪ねると、『夕方以降にお客さま訪問はできないが、アポをとることができる』との答えが返ってきた。そこで、他の社員の夕方以降のアポ取りをやってもらうと皆が頑張るようになり、チームとしての活気が出てとても雰囲気が良くなった。もし、こうした場面に遭遇した時は参考になる好事例だと思う」と紹介した。
 「管理者になった理由をアンケートすると、男性の場合は金銭や立場が高い割合を占めるが、女性は知識や経験で組織に貢献したいという回答が多い。また、実は上司に管理者になるように説得や励ましを受けた人が多いことも分かった」と説明し、家族の理解やサポートの必要性も強調した。
 「優秀な人は心が折れやすい傾向があるというが、その原因は実は疲労。疲労をためないことはメンタルケアにもつながる。睡眠を意識した生活が大切で、どうしても時間がとれないときは睡眠の質を深めるために、湯船につかったり、寝る前にちょっとしたストレッチをするなどで改善してほしい。生活リズムを整えて自分も元気、社員もストレスをためないように時には休む時間もとるように声をかけてあげて」と語った。


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