「通信文化新報」特集記事詳細

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第6845号

【主な記事】

全国での発足期待 地域と連携を深める
郵政事業千葉懇話会が総会

 「平成28年度郵政事業千葉懇話会総会」が8月3日、千葉中央郵便局の会議室で開催され、関東郵政退職者同友会の飯塚清副会長、金子堅太郎千葉県支部長、千葉中央郵政事業協力会の髙梨園子会長、千葉中央郵便局の松本勉局長、美浜郵便局の臼井亮治局長、千葉県中部地区連絡会の森本茂統括局長(幕張ベイタウン)、ゆうちょ銀行若葉店の齊藤隆男店長、かんぽ生命保険千葉支店の竹内芳樹支店長、千葉中央郵便局の村田泰之総務部総括課長と、地域から選任された委員が出席した。総会では役員互選で会長、副会長を決め、活発な様々な意見が交換された。

 懇話会は郵政事業が企業活動を通じて、地域の社会・経済とのつながりを深め、活性化に貢献し、地域から安心、信頼される郵便局になるように、様々な視点から意見、提言などを行うことを目的にしている。
 司会は千葉中央郵政事業協力会の髙梨会長が務め、千葉中央局内にある郵便物区分機(定形)の見学のあと、関東郵政退職者同友会の飯塚副会長が「20年前の平成8年、千葉中央局長で郵政省を退職したが、定員は正職員が1000人、アルバイトが1000人と多かった。郵便、貯金、保険も郵便事業協力会、郵便貯金預金者の会、簡易保険加入者の会、旅行会など、地域との連携が密でいろいろな示唆をいただいた。19年度に民営化され、郵便、貯金、保険とそれぞれの経営方針の中で様々な施策を講じている。ただ、地域との連携がやや欠けているのではないのかと危惧している。オール郵政の退職者で組織して、地域の皆さまから意見や提言をいただきたいと懇話会を立ち上げた」といきさつを語った。
 委員は千葉市内の地域事業協力者、地方公共団体、地元マスコミなどの地域オピニオン、千葉市内に在住する郵政関係機関退職者から選任された。役員互選に入り、会長には塚本總業の粟生雄四郎取締役副社長(千葉支社長)、副会長には千葉市経済農政局の鎌田栄局長と千葉日報社の萩原博社長、幹事は千葉中央郵政事業協力会の髙梨園子会長に決まり、郵便局側の連絡担当には千葉中央局の村田泰之総務部総括課長が当たることになった。役員の任期は2年。
 郵政事業近況報告では、千葉中央局の松本局長が「6月に郵政グループの株主総会が開かれ、3日間で2346人の株主が、さいたま市のさいたまスーパーアリーナへ出席した」と報告。「関東における郵便局数は簡易局を含め2573局あり、千葉県は720局ある。6月に印西牧の原局が新設されたが、今後も需要が見込まれるエリアには新規に出店していく」と述べた。
 千葉県との地域貢献活動では「『千葉県に生まれてよかった』『住んでよかった』と誇りに思える、暮らし満足度日本一に向けて、ユニバーサルサービスを提供する郵便局のネットワークを生かし、様々な協定を締結した。各地方公共団体との協定では、基本的には郵便局が情報を行政に提供する形であり、千葉県いすみ市と御宿町とのふるさと納税の返礼品では郵便局の特産品を使って送っていることや手紙の書き方体験授業の取組み、絵はがき教室・郵便局見学、ふみの日イベント・茂原七夕まつりなどの地域連携施策を行っている。今回、日本郵政グループ女子陸上部の2選手がリオ・オリンピックに出場するのを記念してフレーム切手を作成した」と事業の近況などを説明した。
 ゆうちょ銀行若葉店の齊藤店長が「11月に株式上場して、千葉県には13店舗、千葉市内には3店舗あり、今期の予想では約3000億円の利益を見込んでいる。マイナス金利の影響は約200億円を下回ると見込んでいる。商品サービスでは貯える、ふやす、使う、送るの利便性を強調し、貯金残高は177兆円で、ここ数年微増している。法人向けサービスでは、各企業とのウィン・ウィンの関係になるよう投資信託を中心に取り組み、企業価値の向上では女性社員の活躍が目立っている」と語った。
 かんぽ生命保険千葉支店の竹内支店長が「かんぽ生命は株式上場と簡易生命保険誕生100周年という節目を迎えた。経営理念はいつでもそばにいる、どこにいても支える。すべての人生を守り続けたいとなっている。健康増進としてラジオ体操普及推進を図っており、松山市で1000万人のラジオ体操祭を行った。本年度は限度額が2000万円まで引き上げられ、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指し、心のこもったサービスを提供し、かんぽにつながる安心活動や高齢者へのサービスにまい進したい」と語った。
 その後、粟生会長が議長になって、各委員から地域や郵政事業に対する意見や提言などについて活発に交換した。
 最後に、関東郵政退職者同友会の金子千葉県支部長が「退職して郵政事業にいかに協力できるかという発想から懇話会は生まれた。一つのテストケースとして全国に広げることができればと期待している。総会では貴重な意見をいただきうれしい。懇話会をさらに全国に波及させ、地域の皆さまの意見を反映させて、さらなる郵政事業の発展につながればと思う」と期待を込めた。
【委員から出された意見や提言】
▽民営化が本番となり、どのように巨額な資金が運用によって一般に還元されるのかが、一番関心の高いところ。郵便事業は多くの従業員を抱えているので、収益を確保するのは難しい。それをカバーするのがゆうちょ銀行やかんぽ生命だ。民間の金融機関との調整によって、トータルで早く定着できるように努力してほしい。
▽リオ・オリンピックに参加する2選手を記念に作成したフレーム切手を見て心から応援したい気持ちが強まった。まだまだ郵政グループの仕事については知らない面が多く、郵便局が情報発信の拠点になるように期待している。
▽郵政事業は子どもの時から身近な存在だった。地域の中で郵便局の果たす役割はますます大きく、重要性も増している。意見や提言が郵便局の活性化の出発点になれば幸いと思っている。
▽地域と一緒になって町の活性化や街づくりに貢献することが大事ではないだろうか。それが郵便局ファンを増やすことにもつながると思う。
▽中学生や高校生にもっと郵便局を見学して、配達のシステムを知ってもらうことが必要だろう。手紙文化を普及させることも大切だと思う。
▽民営化されて、地域貢献が手薄になっているのではないかと思う。地域あっての事業である。私は手紙を出す際は、記念切手を貼るなど切手に関心を持っている。
▽行政と郵便局の関係は連携することが大事。千葉市は高齢者のみまもり、道路のチェックなど、郵便局と連携している。もっと日常生活の中での連携が重要になるだろう。
▽三事業が国民に理解され、世界に冠たる郵便局としてますます発展することを期待している。
【郵政事業千葉懇話会の役員(敬称略)】
〈会長〉粟生雄四郎(塚本總業取締役副社長、千葉支社長)〈副会長〉鎌田栄(千葉市経済農政局長)、萩原博(千葉日報社社長)〈委員〉飯沼喜市郎(千葉市観光協会会長)、上田誠也(千葉テレビ放送社長)、大川信典(千葉ステーションビル取締役)、松本有(フォルム社長)、山崎美穂(イオン秘書部長)、金子堅太郎(関東郵政退職者同友会千葉県支部長)〈幹事〉髙梨園子(千葉中央郵政事業協力会会長)



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