「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6840号

【主な記事】

意識の転換でさらなる躍進
鳥取県因幡連絡会
谷口雄史統括局長
鳥取大正局長

 「自分たちは素晴らしい職場にいる」とは、昨年から活動している因幡女性社員活躍推進PTメンバーの声。鳥取大正郵便局の谷口雄史局長は平成26年に鳥取県因幡地区連絡会の統括局長に就任し、社員育成と各行政と提携して郵便局ネットワークを活用した地域振興に力を入れてきた。お客さまの利用増には女性の視点が必要と立ち上げたのが、因幡女性社員活躍推進PT。本年度、全社員が一人一役の形で部会活動に参画し、創造する仕事へと意識の転換を図り、みんなの力で管内トップクラスの営業成績を上げようと呼びかけている。

 谷口雄史局長が鳥取大正局長に就任したのは平成6年。「さすがは因幡で育ったと言われる、輝きのある生き生きとした社員の育成」に力を入れた。さらに郵便局ネットワークを活かした地域の拠点として活性化する郵便局づくりだ。鳥取県因幡地区連絡会は2人局が半分ほど占めることから、一人ひとりの社員の力が必要で、みんなで一丸となって中国管内でもトップクラスの成績を上げようと強調している。
 本年度のスローガンは「突き進め!みんなの力で更なる躍進!因幡会」。全員が一人一役の形で役割を果たし、連絡会に貢献できるような育成を目指している。社員研修では▽課長研修▽課長代理研修▽主任研修▽期間雇用社員研修ときめ細かな研修を計画。課長代理研修では講師は局長と課長が当たるなど、人材育成PTを立ち上げ、社員の社員による育成を目指している。
 単マネ局の鳥取中央局が入り、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、郵便外務、エリアと四つの機能を有するグループ会社の連携会議が簡単にできるのも特徴の一つだろう。

  保険インストラクター
  ゼミが高実績
 昨年度の営業では金融関係の貯金は厳しかったが、保険は窓口局では全局全完の目標達成を成し遂げた。それまで不在だった窓口保険インストラクターに、矢部紀子インストラクターが誕生し、毎月、中間順位にいる社員を対象に集合研修のゼミを行い、マインドアップとスキルアップに力を入れた。
 馬場﨑仁副統括局長(郡家)は「連絡会内の131人の募集資格のある社員の平均実績は31万円と顕著な成績を上げ、ほとんどの社員が実績向上を果たした」と強調する。将来、なりたい社員のナンバーワンとして信望の厚い矢部インストラクターは本年度、連絡会スタッフとなった。そのため、窓口トップセールスパーソン(12人)がチームを編成し、部会を超えて営業サポートに回り貢献している。つまり社員の社員による社員育成が行われている。
 現在、本年度の営業推進状況は厳しいが、谷口統括局長は全員が管内順位を引き上げるために推進管理を徹底し、戦略ではこれがダメだったら次の一手と、三手法ぐらい持って取り組もうと訴えている。
 連絡会、部会の活性化では女性社員活躍推進PT(12人)の活躍が目立つ。昨年度から三つのワーキンググループによって活動を行い、「自分たちは素晴らしい職場にいる」と再認識して、本年度はメンバーを入れ替え、輝くINABA女子力の向上にまい進している。
 顕著なのは郵便局ネットワークを活用した地域連携施策。鳥取県、鳥取市、八頭町、若桜町、智頭町など各行政との連携協議会などの定例開催、また、鳥取県警察本部との協定、新たに鳥取市との連携協定など数多い。
鳥取中央局の駐輪場付近を会場に、若桜町などの町からの「ふれあい物産市」を年金支給日に定期的に開催しており大好評だ。そのほか、鳥取市のシティセールス支援施策、鳥取県の事業である山間地の限界集落でのマンパワー協力施策の「共生の里」では、グループ会社社員70~80人が農作業の手伝いなどを行っている。
 手紙文化振興施策では全局で手紙教室を目指している。県が推奨する障がい者の支援として「あいサポート」の横展開があり、この研修を受講すると簡単な手話や障がい者へのサポートができる。手紙文化振興及び地域の名所を葉書で送信する「因幡よいとこ再発見」の第2弾が全局で実施され、各行政、支社宛てなどを行っている。
 谷本史郎副統括局長(末恒)は、臨局すると谷口統括局長は笑顔で社員に話しかけている姿や、イベントではよく社員に参加のお礼の言葉を述べる姿が印象に残っているという。
 谷口統括局長は現在、顕彰関係で連絡会が四半期単位で、営業だけではなくCSなどで貢献した社員を表彰する連絡会総合貢献賞の計画に並々ならぬ関心を寄せるとともに、秋からの梨ゆうパックの最盛期を機に、今後の営業の挽回策に意気込んでいる。

  悩み事が相談しやすい体制
■連絡会について―谷本史郎副統括局長(末恒)
▽小規模の連絡会であり、指示命令がすぐ伝わるし、まとまりやすい▽各役員局長は臨局するごとに、社員との対話に心がけている▽全社員に役員局長の携帯電話を記した「よろず(悩み事)相談窓口」のカードを配布し、役員局長と相談しやすい体制を取っている。

  鍵となる営業サポートの活躍
■保険―馬場﨑仁副統括局長(郡家)
▽昨年は104.7%と目標達成した。窓口局は全局全完を達成し、管内3位の成績だった。募集資格を有している社員は期間雇用社員等を含め131人で、平均実績は31万円と高い実績を上げた。
▽矢部紀子(前)インストラクターが、中間の順位にいる12人の社員を対象にインストラクターゼミを毎月開催して、マインドアップとスキルアップに力を入れた成果である。6年間不在のインストラクターが誕生して、中間順位の社員が実績を上げ、周りの社員の実績向上につながったことが大きい。
▽矢部インストラクターが臨局して、窓口で社員と一緒に、来局したお客さまに話法を展開して、実際の営業の仕方を指導したことも、社員の販売意欲をかき立てた要因と分析している。
▽3年未満の社員を対象にフレッシャーズ研修を行った。事前にお客さまの来局のアポイントを取って、矢部インストラクターが臨局して5段階の営業話法を指導した。いきなりインタビューに入る社員が多いので、場づくりを重点的に指導したのが高実績につながった要因。
▽本年度、力を入れているのは矢部インストラクターが連絡会スタッフとなり、保険インストラクターが不在となったため、営業サポートとしてトップセールスパーソン12人がチームを編成して、主にライフプランフェアのサポートに入っている。ライフプランフェアは全局(単局)で行っており、各局をサポートして成果を上げている。
▽アタックリストとして、社員が1週間ごとにどれだけの見込み客を持っているのかを、部会ごとの共有フォルダーで知らせ、ほかの社員の営業意欲を煽り、お互いのモチベーションを高めている。
【商談の5ステップ】~コンサルティングセールス~
▽コンサルティングセールスを行うには次の五つのステップを意識する必要がある。会う前の事前準備をしてから①はアプローチで、お客さまとの距離を会話によって縮める②はインタビューで、質問などによってお客さまの情報を得る③はニーズ喚起で、お客さまの潜在的なニーズを顕在化させる④プレゼンテーションで、多様な商品からニーズに合う商品を提案する⑤クロージングでお客さまに納得して商品決定をしてもらう。これからお得意さまになってもらうためのアフターフォローとなる。
①の段階でじっくり場づくりを行ってから②のインタビューに入ることが一番のポイントになる。

  梨ゆうパックで営業挽回へ
■郵便・物販―泉栄治副統括局長(鳥取富安)
▽昨年の郵便収入は100.15%、ゆうパックは1123.82%と支社管内で5位と健闘したと分析し、社員に感謝している。物販も116.84%と順調だったが、広告ビジネスが厳しかった。スキル不足が要因とみている。
▽年賀はがきの販売が好調で、年賀タウンでは特殊詐欺被害防止大作戦で、約200社企業の協賛によって約4万2000枚を販売した。県警との連携協定による全面的なバックアップが大きかった。
▽鳥取県の特産物である梨ゆうパックは、本年度、7万2000個を目指している▽本年度は全部会全種目標達成を目指している。特に力を入れるのは月別計画の完全達成で、1か月ごとに確実に推進の確保を図る▽本年度のかもめ~る販売では初日、ゆかたでお客さまを迎えるイベント(55局中16局)が大好評で、初日では管内トップの成績を上げた。
▽「因幡よいとこ再発見」の第2弾に全局で取り組んでいる。全局長が全局長、鳥取県知事、鳥取市長、町長、国会議員、中国支社宛てに送付する。地域にこんないいところがあるので、来てくださいとPRする施策で、特に女性社員活躍推進PTがデザインした自局の風景印を押して送付することで、連絡会、郵便局の活性化につながっている。

  「絶対にやる」の信念
  「やればできる」の自信
■貯金―山田一孝副統括局長(中河原)
▽昨年度、総貯金純増は99.78%と未達成だった。スタートダッシュで出遅れたのが最後まで響いた▽本年度は定定新規・年金口座・メイン口座で、全部会の100%達成を目指し、やればできるとの自信を持って取り組むように呼びかけている。
▽本年度、年金口座獲得の予約活動で6月末までに100%いこうと取り組み、6月20日現在、92.95%と支社管内ではトップを走っている。これは全局長が局周に取り組んでいるのが大きく、率先垂範が功を奏して、全社員が動いているのが要因とみている。
▽ゆうちょ銀行鳥取店との連携を図り、ノウハウを活かしたシステムの勉強会などによって、ゆうちょ営業に対する「絶対にやる」の強い意識と「やればできる」の自信回復に重点を置いている▽限度額拡大の追い風を活かし、集中満期に全力で取り組んでいる。


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