「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6832号

【主な記事】

スピードと意識改革で大きな成果
佐倉郵便局(千葉県)
加賀 敦局長

 千葉県の佐倉郵便局、加賀敦局長は前年度「スピードと意識改革」をスローガンに、社員と同じ目線にこだわり、自由闊達で風通しの良い職場を目指した。ほとんどの商品が営業目標を達成、特に保険営業では班体制による推進管理が成功し、班長の指名同行が班員のスキルアップにつながった。郵便の一体営業ではエリアマネジメント局からの情報によって顕著な実績を上げた。特筆されるのは配達しながら顧客の顕著な増加につながった集配社員の模範的な取り組みだ。

 加賀敦局長は平成27年4月に佐倉局長に就任、掲げたスローガンは「スピードと意識改革」。本社、支社からの指示に対してスピーディに対処する。意識改革では、郵便局が大きく変化しているので、既成概念にはとらわれずに新しい発想でチャレンジすることに取り組んだ。その上で社員と同じ目線で、管理者や社員がプレッシャーを感じない自由闊達な風通しの良い職場づくりを目指した。
 特に社員には指示待ちではなく、自ら考え行動して、報告・連絡・相談の徹底を図り、失敗してもいいから果敢にチャレンジしてほしいと呼びかけた。営業では「誰が、いつまでに、何をして、どこまでやるのか」をはっきりさせて進捗管理を行い、その上で与えられた目標を必ず達成することを基本に据えた。
 ゆうちょ銀行併設局であり、前年度に取り組んだのは郵便・物販と保険の窓口、渉外営業で、ほとんどの商品が営業目標を達成した。19人の渉外社員がいる保険営業の渉外では、班体制による推進管理が成功し、営業目標を早期達成した。
 金融渉外部の小倉充課長は、班員の販売活動が不調になると、班長が克服を図るため適切な指名同行によって、班員の販売力をスキルアップさせ、全員が一丸となった営業力で早期達成したと高く評価している。
 郵便・物販では、営業専門要員がエリアマネジメント局からの情報によって、一体営業に取り組み、顕著な実績を上げたのが際立っている。第二集配営業部の斉藤学課長代理の場合は、配達しながらの笑顔の顔つなぎが功を奏し、これまでの顧客を維持し、新規獲得を図り、かもめ~るや年賀はがきの販売成績を上げたことが特筆される。
 こうした営業で高い実績を上げた背景には、エリアマネジメント局との連携が挙げられる。特に千葉県印旛地区連絡会(香取淳統括局長/四街道鹿渡)とは良好な関係を築き、佐倉市、酒々井町と包括連携協定を締結するなど、協力関係を深めている。
 新年度ではエリアマネジメント局との機能重視マネジメントに力を入れている。組織的には、お客さまサービス部が金融渉外部に変わり、局長、郵便関係の管理者は郵便事業に特化することになり、窓口営業部は部会エリアの中に入り、地区の統括局長が統括している。金融渉外部は千葉県で金融渉外本部長が3人おり、千葉、柏、市川エリアの単独マネジメント局の金融渉外部をみている。
 郵便関係では、ゆうパックの黒字化に全精力を注ぐことにしている。競合他社に打ち勝つための機能重視マネジメントであり、千葉県東部の営業統括本部があり、9人の営業専門要員たちとセールスマイスターが連携を図り、一体営業によってゆうメール、ゆうパックの増加を図ることになっている。
 ゆうちょの集中満期は夏と冬にチラシの全戸配達を行い、エリアマネジメント局と一緒になって営業を盛り上げることにしている。新年度は株式上場の成果が問われる年であり、機能重視のマネジメントを成功させ、生産性向上によって、人件費削減とさらなる営業成績向上に果敢にチャレンジすることにしている。

  毎日の積み重ね
■相馬和浩副局長兼窓口営業部長兼金融渉外部長
▽前年度は窓口営業部とお客さまサービス部として取り組んできた。窓口では特約マイスター4人が認定されるなど、スキルを上げて事業所訪問に計画的に取り組んだ結果、一体営業では顕著な実績を上げた。新年度は待つ営業から攻めの営業に進化させ、新規事業所拡大に力を入れる。
▽前年度、年賀では臨時出張所開設に力を入れた結果、販売目標を達成した。リピーターに対するフォローに力を注ぎ、新規の獲得に成功したのが要因▽金融部門はゆうちょ銀行併設局なので、保険窓口では1日の来局者は平均6人ぐらい。しっかりした対応で継続と新規獲得を図り、前年度、窓口保険営業は目標達成した。
▽金融渉外の保険は前年度、早期目標達成した▽新年度は関東支社の施策に重点を置いたメリハリのある営業の取り組みで、昨年度を上回る成績向上を目指している▽前年度、がん保険は渉外が135%、窓口が177%と顕著な実績を上げた。自動車保険については、新年度は既存の契約更新とプラス1、2件の新規獲得に取り組むように呼びかけている。
▽営業推進を伸ばすのは基本的には毎日の積み重ねであり、これが鍵を握っており、支社のインセンティブ等の施策に力を入れ、社員のモチベーションを高めることにしている。

  人件費削減に挑む
■第二集配営業部の栗原英孝部長
▽郵便営業収入の達成が基本。そのための特約のゆうメール、ゆうパック、かもめ~る、年賀、特殊切手、レターパックの販売がある。前年度、営業収入目標は達成した。月1回の営業会議を定着させたことが目標達成につながった。局長が当初から訴えてきた収益を上げる仕組みができたことが大きいと思っている。
▽特殊切手ではシール切手が人気だった▽レターパックも良く売れた。かもめ~るは支社のインセンティブの施策で社員の販売意欲が高まったのが有効だった▽新年度は生産性向上を図り、人件費の削減に取り組む。配達など外での時間よりも中での作業時間短縮によって削減したいとしている。

  一体営業が大きな成果
■千葉県東部営業統括本部の緒方俊平課長(佐倉局総務部に属する)
▽配達しながら特約ゆうメール、ゆうパックなど、配達しながら営業をするセールスマイスターが、1日中、営業のことを考える営業専門要員にシフトされて、現在、3人の支社スタッフの下に9人の営業専門要員がいる。
▽エリアマネジメント局の局長から情報を得て、中小口事業所を主な対象にゆうパック、ゆうメール増を図る一体営業に力を入れている。ほとんど局長と一緒に訪問する場合が多く、局長から情報提供されると直ぐに相手先に電話するなど、直ぐに行動することが大切。
▽昨年度、成果を上げたのはコンビニエンスストアのドーナツのかもめタウン販売。約5000枚の葉書を全戸配達した。
▽一体営業では情報を逐一、提供してくれた局長にフィードバックすることが非常に重要となる。
▽タウンメールの問い合わせが多く、パチンコ店などの情報が増加している。

  笑顔で配達し増収
■第二集配営業部の斉藤学課長代理
▽年賀、かもめ~る、特約のゆうパック、ゆうメール、関東ふるさと会に力を入れ、前年度では順調な成果を上げた▽関東ふるさと会はリピーターの顧客が9件、12か月分あり、年間で160件以上ある▽かもめ~るのお客さまは約30人、配達しながら顔馴染みの顧客を増やし、マイカスタマーリストを作成している。これまでを維持して新規の顧客を毎年、確実に増やしていくのがコツ。
▽年賀は3万6000枚を販売した。これまでの顧客と新規獲得の成果▽毎日、配達しながら顔を覚えてもらうようにしている。配達先では必ず、ヘルメットを取って、笑顔で接するように心がけている。前年度のリストから、チラシを配りながら「また始まりましたから」と予約を取る。予約のお客さまには品物を自分で持っていき、必ずお礼を申し上げることが次につながる秘訣である。

  同行でスキルアップ
■金融渉外部の小倉充課長
▽「明るく楽しく元気よく」をモットーに、明るい職場づくりに取り組み、大きな成果を上げた▽前年度、支社からの施策や強化デーには力を入れるメリハリのある販売が効果的で、支社からの施策の目標に対して全部クリアするなど顕著な成績を上げた。
▽渉外社員は19人で、班体制による推進管理を行っている。班員の実績が不調になると、班長が指名同行を行っている。指名同行の相手は班長やインストラクターで、同行によってできなかった点を克服して、スキルアップにつながるようにした。
▽1日5件以上のアポイントを徹底させ、そのうち3件は勝負できるアポイントを取るように訴えている。

  ロビーセールスで
  顕著な実績
■窓口営業部の工藤博臣主任
▽ロビーセールスを中心に行っている▽2、3月は子ども連れに学資保険を勧め成果を上げた。「お子さまはいくつですか」と問いかけ「積み立ては始めていますよね」と声かけ、「300万円貯めようとすると、かんぽだと保障が付いて、これだけ貯まります」とリーフレットを見せる▽現在、利率が低いので、積み立ての話がしやすく、10年払い15年の短期払い養老保険は特に勧めやすい。
▽声かけして話を聞いてもらえそうだと、ローカウンターでじっくりと話すのが成果を上げた秘訣。1時間半ぐらいかかるがほとんどが即決。「考えておく」というのは断りの言葉▽老後の積み立てと入院保障を付けて勧めて効果を上げたのが特別終身。満期の時に健康の面で保険に入れないリスクがあることを話し、実績を上げた。
▽貯金は年齢とは関係ないが、保険は年齢によって料額も変わるのが魅力と強調した▽前年度の窓口実績は363万円で、新年度は更に上回る成績に挑む。


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