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第6829・6830合併号

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前島密翁墓前祭
偉業を称え230人が参列

 第18回となる「前島密翁墓前祭」が4月23日、神奈川県横須賀市芦名の浄楽寺で挙行された。「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」(吉﨑庄司会長/元・鎌倉材木座局長)が主催し毎年行われている。昨年は生誕180周年、3年後の2019年(平成31)には没後100周年となる。今年も多くの郵便局長、OBら約230人が参列、前島スピリッツの継承を改めて誓った。

 晴天に恵まれ、浄楽寺本堂の前には称える会、生誕の地・上越市の「前島密翁を顕彰する会」(堀井靖功会長)、日本郵政グループ、全国郵便局長会などから多くの会員、郵便局長、OBらが集った。
 吉﨑会長が「称える会の会員も約550人となった。多くの方が参列、前島密翁の遺徳を偲び、新たな郵政事業の発展を期することはたいへん意義深い。没後100年に向けてさらに支援を」とあいさつ。
 横須賀市の吉田雄人市長は「郵政事業のみならず鉄道、海運、電信電話、教育など近代日本の礎を築いた前島密翁の功績は偉大。横須賀の地に眠られており、遺徳を継承していかなければならない」と語った。
 顕彰する会の堀井会長は「上越市では昨年1年間、生誕180周年事業として遺徳を偲び功績を称える事業を行った。前島密翁の顕彰と全国への発信は達成されつつある。没後100周年へ向けて称える会と共に活動していく」と強調した。
 参列者は本堂前での記念撮影に続き、高台にある墓前へ。吉﨑会長、吉田市長、全特の小野寺武専務理事、長谷川憲正元参院議員ら参列者は偉業に思いを馳せながら前島密・なか夫人の墓に手を合わせた。
 佐島マリーナに場所を移した午さん会では、吉﨑会長に続いて上越市の岩野俊彦総務管理部長が「明治という激動の時代に、いち早く重要性を認めて郵便制度を確立した。先見性を持って社会インフラを確立したことが日本の発展につながった。改めて功績の偉大さに思いを致すとともに、地域の誇りとして後世に伝えていきたい」との村山秀幸市長のメッセージを代読した。
 通信文化協会の團宏明理事長が「郵政の求心力は前島密翁の精神にある。多くの事業に取り組んで実現、人材を広く登用した。先人の偉業に学び、前島密翁の精神を盛り上げていこう」と述べた。
 全国郵便局長会の大澤誠会長の「前島密翁のご功績を改めて称えるとともに、墓前祭のご盛況をお慶び申し上げます」、青木進副会長の「前島密翁のご遺志に背くことなく組織を挙げてまい進してまいります」とのレタックスが披露された。
 吉﨑会長の発声で献杯、駆け付けた日本郵便の髙橋亨社長が「明治の時代に郵便局ネットワークを創り上げた前島密翁の精神は、日本郵政グループに脈々と受け継がれている。ユニバーサルサービス、郵便局ネットワークを守り、その上で他の会社に負けない業績を挙げ、株価を保っていくことは並大抵ではない。課題は多いが、常に前島密翁の精神に立ち返って頑張っていきたい」と意欲を語った。
 南関東支社の大谷津善樹支社長も「社員一人ひとりの中に前島密翁の理念は受け継がれている。郵便局の仕事に誇りを持ち、地域の中で郵便局を守っていく強い思いがある。縁の下の力持ちとして支社は社員を支えていくのが仕事。新たな郵便局づくりを南関東から発信していきたい」とあいさつした。
 参列者は改めて前島密の業績を偲ぶとともに、その精神を受け継いでいくことを誓った。



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