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第6828号

【主な記事】

ベトナム郵便と協力覚書
かんぽ生命、第一生命

 かんぽ生命保険は4月19日、第一生命保険(渡邉光一郎社長)と国営のベトナム郵便会社(ファム・アン・トゥアン社長・CEO)の間で3社の協力に関する覚書を締結した。ベトナム郵便会社からは社長や会長ら幹部が来日し同日、JPタワーホール&カンファレンスで調印式が行われた。郵便局のネットワークを活用し保険商品を販売するビジネスモデルをベトナムで成功させ、他のアジア諸国にも展開する計画だ。

 3月29日にかんぽ生命保険と第一生命保険の包括的な業務提携が交わされたが、基本合意の中にベトナムポストへの販売支援、第一生命のベトナムの現地法人・第一生命ベトナム(チャン・ディン・クァン社長、藤井隆会長、2007年に設立)への共同出資などが盛り込まれており、今回の3社協力に関する覚書はその一環。
 今年1月には第一生命ベトナムとベトナム郵便会社との間で、生命保険商品に関して15年の独占販売契約を締結している。かんぽ生命はベトナム郵便に対して、保険販売のための人材派遣や視察の受け入れなどを行う予定で、覚書の締結により、3社は相互関係をさらに強固にしていく方針だ。
 調印式では、かんぽ生命の石井雅実社長、ファム・アン・トゥアン・ベトナム郵便会社社長、第一生命の渡邉社長が覚書にサインした。
 かんぽ生命の石井社長は「1916年に創業した簡易生命保険事業は、広く日本の生活の安定に貢献してきた。ユニバーサルサービスとして続けられ、日本のお客さまの生活を支える重要な役割を果たしている。このような経験は近年急速に発展しているベトナムにおいてもお役に立つと考えている。第一生命と協力し、ベトナム及びベトナムポストの発展に貢献したい。事業の成功は他のアジアの国の成功モデルとなればと思う」と3社協力の覚書の意義を述べた。
 ドー・ゴック・ビン・ベトナム郵便会社会長は「これまで日本郵便とベトナム郵便の友好関係に加えて、これからはかんぽ生命からは郵便局ネットワークを活用した販売経験を教えていただきたいと思う。ベトナムポストの持つ幅広いネットワークと第一生命が持つ生命保険のノウハウ、かんぽ生命が持つ郵便局ネットワークを活用した保険販売の経験の三つの強みを生かせば、3社の更なる発展が実現することを確信している。覚書が事業成功の大きな一歩となるよう、積極的なご支援をお願いしたい。長期にわたり持続的な協力関係を構築し、日本とベトナムのパートナーシップの発展に貢献したい」と抱負を述べた。
 第一生命の渡邉社長は「ベトナムポストと第一生命ベトナムの独占販売契約の締結は、さらなる発展に向けた重要な取り組み。ベトナムポストの圧倒的なブランド力を実感するとともに大きな期待を感じた。かんぽ生命、第一生命は経験やノウハウを持ち寄り支援したい。3社の発展、ベトナム社会経済や生命保険市場の発展に貢献したい。郵政グループと第一生命グループの協力関係がウィンウィンの成長戦略になることを確信している」と述べた。
 来賓として招かれた日本郵政の長門正貢社長は「二人のすばらしいパートナーとご一緒できることに幸せを感じている」、日本郵便の髙橋亨社長は「日本国内の保険の販売経験が、ベトナムポストの販売にお役に立てればこの上ない幸せだ。協力関係が大きく前進し、大きく花開くよう祈念している」と協力関係を歓迎している。
 ベトナム郵便会社(約1万1000支店、従業員約4万人)は郵便・物流事業、保険の販売を事業としている。日本郵便は昨年6月から今年3月まで、同社へ郵便業務改善に関するコンサルティングを行っている。



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