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　平成27年度の第4四半期に入り、各局とも営業目標の達成に向けてエンジン全開の状況だが、20年度以降全種目達成を続けV8を目指している九州支社管内の郵便局を訪ねた。福岡県県筑前東部地区連絡会の統括局である新多郵便局（西村光晶局長）である。同局のある鞍手郡（小竹町）は、福岡県の中央部である筑豊地区の北部に位置し、直方市と飯塚市に挟まれている。町の中央を遠賀川が流れ南北に貫いており、少子高齢化が進み人口は約7900となっている。見どころは南良津神社、草場城址、殿墓などで、7月には南良津獅子舞が行われる。

　福岡空港から地下鉄空港線で博多駅に行き、JR福北ゆたか線に乗り換え小竹駅で下車。駅舎を背に西の方向に約1.3キロ直進。県道74号線に入り、道なりに700メートルほど直進すると、右手前方が新多局である。
　西村局長は昭和50年7月1日付で桂川局に採用となり、数局転勤後、芦屋局の課長代理を経て、平成10年9月30日付で新多局長に就任、18年目を迎えている。23年4月からは統括局長を務めている。
　スタッフは局長、局長代理、課長代理、主任、エリア社員の5人で、利用するのは約700世帯、1800人ほどで、1日当たりの来局者は30～40人となっている。

  地域に認知され
  地域をよく知る
　郵便局を経営していくためには、地域があり、お客さまがいて初めて成り立つもので、三事業のサービス（商品）を提供するだけでなく、郵便局の使命や存在意義を認識してもらう働きかけが大事である。
　そのためには、地域やお客さまのことをよく知ることが前提であり、日常会話などを通じ郵便局に何を求め、何を期待しているのかしっかり把握し、それに応えていかなければならない。
　また、CSの面からも、心のこもった温かみのある接遇により明るく元気な声で出迎える。そして全社員が一丸となり、カウンターを通じてお客さまの立場に立ったサービスや有益情報を提供し、気分良く帰り、また利用してもらう。このことがお客さまの評価につながり、営業推進や業務面にも反映される。

  自主性、積極性発揮し
  営業活動
　西村局長は、与えられた目標を達成するのは当たり前であり、そのためにはスタートダッシュをかけることが大事であると力説する。
　営業推進に当たっては、ミーティングや手すき時間を利用して全社員が推進状況を把握し、やるべきことを確認し合うとともに、互いに自主性、積極性を発揮して日々の営業活動に当たることが不可欠である。
　万一、ガイドラインを割るようなことになれば、全社員が基本に戻り、今、何をすべきかなど対策を講じる一方、声を出してカウンターセールスを行い、電話や訪問、さらにはオレンジファイル等を活用するなど遅れを取り戻そうと必死になってくる。
  力を入れる人材育成
　統括局長になってからは局を留守にすることが多くなったが、業務、営業、防犯面からも社員の育成に力を注いでいる。
　エリア局では当然のごとく、一人で三事業の仕事をしなければならず、幅広い業務知識や商品知識も必要であり、自己啓発に努めるよう進言したり激励しているという。
　また、性格や得手不得手を把握し、長所を伸ばし短所を改善するよう心がけ、社員の能力を引き出すことも行いながら、レベルに合わせて指導したり、社員の意見も尊重するよう努めていると語る。
　このほか、連絡会としての勉強会やリーダー研修などにも力を入れ、全体のレベルアップを図りながら、局長や役職者の後継者発掘と育成にも尽力している。

  防犯の重要性と基本の徹底
　お客さまの大事な財産を預かり、国民生活の基盤である郵便局は、お客さまの信用、信頼の上に成り立っており万一、事故や犯罪が起きると、お客さまに多大な迷惑をかけることになる。
　そればかりか、多くの局長や社員が長い年月をかけ築き上げてきた信用や信頼は水疱と化し、郵便局にとっては組織の根幹を揺るがすことになり、取り戻すには計り知れない時間とエネルギーが必要となる。
　昨年11月の上場により、お客さまと事業に加え、株主のことも考慮しなければならなくなった。基本を遵守し、決められたことは決められたようにやることが大原則であり、改めて全社員が肝に銘じなければならないと強調した。

  地域活動の実施
　地域との連携や郵便局ならではの温かみや役割などを考え、地域活動は日ごろから積極的に取り組んでいる。内容は小学校の入学式・卒業式、運動会をはじめ、地域の老人会や年3回のボランティア清掃には局長が参加し、オピニオンリーダーや住民とのコミュニケーションを図っている。また、8月開催の地元のまつりには社員も含め参加している。