「通信文化新報」特集記事詳細

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第6807号

【主な記事】

地域貢献は全特の原点
活動発表会 地道な取組みに共感

 全国郵便局長会(大澤誠会長)は11月21日、東京のTKPガーデンシティ品川で「地域貢献活動発表会」を開いた。地方会で選抜された12代表が日常に“地道にコツコツと取り組んでいる”体験を発表、深い共感を呼んだ。発表会の内容はDVDとして会員に配付される。

 地域貢献活動発表会は発表者をはじめ地区会長らが出席、日本郵便から髙橋亨社長、河本泰彰執行役員が招かれ、森山真事務局次長が司会を務めて開会した。
 大澤会長が「レベルの高い内容と聞いており、楽しみにしている。日本郵政グループは上場し、新しい時代に第一歩を踏み出した。利潤だけを追求し地域貢献、社会貢献活動を行わない会社は存在し得ない時代と言える。地域貢献活動は、企業経営においては当たり前の取り組み。企業の中には派手なイベントで注目されるところもあるが、それは一過性のもので、私たちは着実な継続が求められている。今日の発表には必ずやヒントがある。しっかりと持ち帰ってほしい」と呼びかけた。
 また、二宮尊徳の“積小為大”(小さなことを積み重ねないと、大きなことを為すことができない。毎日の積み重ねが大切)の言葉を引用、「地域貢献とは地元に密着し、小さいことをコツコツと積み上げることが重要。それが郵便局への信頼、そして会社を認めてもらえることになる。言い換えれば、地域への無償の愛が郵便局への信頼と感謝になっており、他の企業との大きな違いとなる」と強調した。
 そして「これは来夏の戦いにおいても言える。日ごろからいろんな商品を周知宣伝し、お客さまの希望に合ったサービスを利用いただくことが全ての結果に繋がる。民営化以降、こうした活動がおろそかになっているとの指摘もあるが、我々は良き伝統を守り、発展させていく責務がある。今日の発表が、今後の発展へのより良い機会となることを願う」と語った。
 発表に入り、「通勤局長だが、地域を隈なく回って信頼関係を築く。居住地区では政治団体の会計責任者などを務めた」「自治体と密接に連携」「絵手紙を通じて地域のコミュニケーションを深めた」「全国初のふるさと応援寄附金記念品カタログを作成」「局長会、夫人会、社員と一体で地域の花見山公園を清掃」と地域に深く根ざした活動に共感を呼んだ。
 また「任地居住として借家に住み、様々な行事に参加」「サッカーを通じて青少年育成に携わる」「地域の花火大会を復活」「清掃ボランティアや祭りに参加」「高齢者を対象に“健康マージャン”」「行政区を超えてフットサル大会を開催」「特産品を東京市場へ売り出す」と地域活性化などに貢献している体験が発表された。
 山本利郎副会長が講評。「私たちの使命は地域社会、郵政事業の発展のために団結し活動すると定めている。創業144年を迎え、安心・安全・信頼という郵便局ブランドが脈々と受け継がれていると確信。先達が地域と共に歩み、そして地域に支えていただいたことで今日がある。まず、局長が地域の一員となっているか、地域に必要とされているかが問われる」と述べた。
 さらに、雪国にある郵便局として「雪が降ると土・日曜、正月にも郵便局まで行って雪かきをする。地域の人が行うので郵便局だけが残すわけにはいかない。銀行は休みの日にせず、営業日に大人数で一気にかたづける。象徴的な話だが、日々の生活の中に私たちの地域活動の原点がある」と紹介。
 「42万9002票はまさに地域活動のバロメーター。局長として活動していても、地域の人に支えられていなければ結果が出ない。局長活動、郵政事業は地域の人々に支えられていることを忘れてはならない。今後も地域の一員として活動していくことを望む」と期待を寄せた。
 発表会に引き続き、全特顧問の柘植芳文参議院議員、髙橋社長も参加して意見交換会が行われた。青木進副会長が「素晴らしい発表に感激。地域貢献は全特の原点だ。地域を日本を元気にしよう」との発声で乾杯。
 柘植参議院議員は「皆さんの活動の一つひとつが日本郵便の礎となる。地域でコツコツと積み上げてきた活動の成果が、世界一のカンパニーにする力となる。事業の根幹を担っているとの責任感と局長活動の原点を今一度確かめながら、大いなる前進を願う」と激励した。
 髙橋社長も「郵便局の伝統は地域のお客さまからの信頼。お客さま第一、地域第一との姿勢が、他の企業がマネをできないという郵便局の特性となり、業績につながってきた。皆さんの日常のひたむきなコツコツ活動の伝統が、株式市場の評価の根本にもなる。ますます活発になることを期待」と呼びかけた。
 活発な意見交換を行い、二村英男専務理事が「素晴らしい活動に感謝」と中締めをして発表会を終えた。

【発表テーマ、発表者・補助者(発表順)】
〈北 陸〉私が実践している地域貢献活動~ちょっと変わった地域貢献~=片岸睦晴局長(勝山沢)、吉川泰正局長(浄法寺)
〈信 越〉中魚沼西部会の「地域貢献」=髙橋秀利局長(大割野)、山田均局長(秋成)
〈東 京〉絵手紙の普及活動を地域交流のツールへ=星野真樹局長(狛江岩戸南)、鈴木勝幸局長(狛江駅前)
〈関 東〉行政と連携した地域活動=松﨑実幸局長(岬)、沼敏章局長(古沢)
〈東 北〉「花とともに歩む」花見山公園清掃活動を通じて=渡辺伸克局長(福島豊田町)、両角幸信局長(福島中町)
〈北海道〉地道にコツコツと地域貢献=林哲朗局長(上川)、仙頭昌史局長(愛別)
〈沖 縄〉地域と共に青少年の健全育成=与那覇寛信局長(平良西里)、那根豪局長(下地)
〈九 州〉コツコツ地域活動~花火大会の復活~=長野俊之局長(鹿児島菖蒲谷)、北原英樹(鹿児島吉野)
〈四 国〉うわじま牛鬼まつりの参加etc=佐々木久幸局長(宇和島高光)、山下誠局長(宇和島駅前)
〈中 国〉地域とともに歩む郵便局長~健康マージャン編~=竹田茂伸局長(橘)、吉本展也局長(秋)
〈近 畿〉第2回尼崎・伊丹 POSTファミリーフットサル大会=佐藤健太郎局長(尼崎西難波)、杉原幸局長(尼崎大庄)
〈東 海〉地域に必要とされる基地局=木村陽一局長(梅戸井)、白木圭司局長(木曽岬)



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