「通信文化新報」特集記事詳細

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第6806号

【主な記事】

№1の職場づくりが大きな成果
出雲郵便局(島根県)
長瀬欣也局長

 平成26年4月に出雲郵便局長に就任した長瀬欣也局長は、全社員から「出雲郵便局 元気が出る施策」としてアンケート調査した。一番になったのは「頑張った社員が報われる施策」。多くの報労施策を実施、全社員が「役割・責任を果たす郵便局」を目指した。各種の施策などでは、最初はやらされ感があった社員も自主的に取り組むようになり、モチベーションアップにつながった。今年度、郵便営業では集配外務社員による“やりきり隊”が中小口事業所の新規開拓に取り組む。保険ではモーニング5、イブニング3のチェックの浸透・定着によって、ほとんどの渉外社員がレベルアップするなどの成果を上げている。現在、中国支社管内№1の職場づくりにまい進している。

 長瀬局長は経営方針に「全員の力で増収増益の実現!安全品質の確保!」を掲げ、①社員一人ひとりが働きやすい②お客さま第一が実践できる③中国支社管内№1の三つの実現に取り組んだ。全社員が「役割・責任を果たす郵便局」づくりだ。
 当初は「社員が元気の良い職場にしたい」と思い、社員の声を聞くために「元気が出る施策」と銘打ちアンケート調査を実施した。一番多かったのが「頑張った社員が報われる施策」。そこで、社員のモチベーションアップのため当たり前のことをしても褒めることなどに心がけ、四半期ごとの局長賞、部長賞などの報労を行った。これが社員の意欲向上と「風通しの良い職場づくり」に結び付いた。
 また、防犯・事故防止の取組みの強化を図った。誤配達の防止では集配基盤の強化と社員指導の継続によって減少に努めた。交通事故防止では対策本部を設置した。構内研修の見直し、毎月の交通事故防止施策の実施などに努めた。CS向上では、お客さまのクレームを全てCS委員会にかけ改善策を検討するなど社員の意識向上を図ってきた。
 渡辺剛総務部長は「昨年からの様々な施策を通じて、社員は初めはやらされ感があったが、徐々に自主的に取り組むようになり、意欲向上やモチベーションアップにつながった」と分析する。
 特に営業推進では毎週の役職者会議、トップセールスの実施、社員育成では毎週月曜日の各部での局長朝礼・夕礼による意識改革、毎月の局長会議内容を班長、課長代理までペーパーでフィードバックし、今なすべきことや向かうべき方向性を教えるとともに、社員の意識、営業推進の向上への意欲付けなどを図ってきた。
 郵便・物販営業は本年度前半、順調に推進しており、集配関係外務社員の“やりきり隊”が中小口事業所の新規拡大に力を入れた。貯金では資産運用商品の成績が顕著な伸びを示し、データに基づく訪問、DM勧奨などによる一層の純増増加が期待される。保険ではモーニング5、イブニング3のチェックなどの浸透・定着によって、ほとんどの渉外社員がレベルアップし、前年比で実績は向上しており、早期の目標達成が期待されている。
 機能重視のマネジメントにおけるモデル部会として、出雲第一部会と一体となって人材育成、営業推進に取り組んでいる。毎月の部会会議には窓口営業部長が出席し、共通意識を持って取り組んでいる。
 地域貢献として10月11日、出雲市で開催されたオロチ踊りパレードには、出雲第一部会、出雲第二部会、簡易局と共に107人の社員が参加した。社員は力強い郵便局をアピールするとともに、単独マネジメント局、エリアマネジメント局、簡易局の一体感醸成にもつながったと評価している。また、縁結びの出雲にふさわしく、エリアマネジメント局と共同で3月には「ご縁ポストの設置」「出雲市発足10周年のフレーム切手の発売」などの施策を展開している。
 長瀬局長は「人に優しく」と「徹底してやり切る」をモットーに「自ら考え、自ら行動する社員育成」に力を入れ、中国支社管内で№1の職場づくりを目指している。

  やらされ感を払拭
■渡辺剛総務部長の話
▽局長が先頭に立ち率先して行う様々な取り組みを通して、社員がやらされ感から徐々に自主的に取り組むようになり、仕事に対するモチベーションのアップにつながったことが非常に大きい▽社員が働きやすい職場になることによって、お客さま第一を実践できる職場になってきた。
▽1日の窓口の利用者は約1000人だが、年末年始は来局が非常に多くなる。駐車場も混雑し、局周辺道路も渋滞する。昨年度、北側駐車場を10台分開設し、合計40台ぐらい駐車できるようにし、お客さまの利便性を図るなど大きく変わり始めている。

  渉外社員の実績が向上
■保険担当―信藤孝司お客さまサービス部長、阿部栄司課長、長岡宏樹課長代理
〈信藤お客さまサービス部長〉
▽本年度の目標は前年度比1.1倍以上となり対前年110%以上の実績を目指して前年度と本年度の数字をグラフにして推進管理。特に週単位での管理が効果を上げている。推進が遅れた場合には班長を集めて再度目標を練り直し、月間目標を達成するように取り組んだ。結果は10月14日現在60.82%と好調▽前年度20%ぐらいあった消滅契約は、約10%と大幅に減少した。
〈阿部課長〉
▽前年度の目標達成はぎりぎり。対応策が後手に回ったから▽本年度は目標も人数も増えた。早め早めの計画を立てた結果、順調に推進。班長が班員にモーニング5とイブニング3のチェックの浸透・定着を図り、ほとんどの社員の実績が前年度比で向上▽高齢者には必ず家族の同席を依頼し、的確な募集を行い、消滅件数は大幅に減少した。
〈長岡課長代理の販売話法の秘訣〉
▽モーニング5のチェック=①本日の見込額②本日の行動予定③事前準備の状況④訪問先のイメージ⑤班目標の最終確認の五つ。帰局してからのイブニング3のチェック=①成約状況の確認②翌日以降のアポイント(訪問先)状況の確認③翌日以降の訪問準備状況の確認.
▽これらについて班員に浸透・定着させることで、班としてこれだけはやらないといけないと責任感が出てきたことが大きい▽既加入者を中心に訪問して、まだニーズはありそうだと思えば多回数訪問▽孫に保障を付けて資産を残す方法があることを話す。入院費で使ってしまうが、保険だと残ることを強調する。
▽お客さまに好かれることがポイント。好かれるコツは笑顔で話をたくさん聞く、保険を強引に勧めず引き際が肝心▽1回目に保険の話をして、2回目以降はお客さまから保険の話が出るまで辛抱強く待つ▽電話がかかってくると素早く対応する。入院された時などの手続きは素早く行うことが好かれるコツ。

  “やりきり隊”が活躍
■郵便・物販担当―太田伸作郵便部長
▽郵便事業は基本的に戦略商品であるゆうパック、ゆうメールのシェア拡大を図り、将来の事業基盤を確立したい。昨年度は、ゆうパック45件(うち一体営業6件)、ゆうメール51件(うち一体営業15件)だった。本年度前半では中小口事業所にアンケートを配布、リスト作成し、4〜5月に集中営業として松江営業統括本部と“やりきり隊”(集配関係外務社員による)で訪問活動。集中営業によってゆうパック14件、ゆうメール27件の成果を上げ、中小口特約ゆうパック、ゆうメールの拡大に結び付いた。
▽頒布会とかもめ~るは目標を達成した。年賀はがきでは、島根県版が地元出雲大社の絵柄なので販売強化を図る▽特産物ゆうパック(いちじく、ブドウ、島根ワイン、西浜いも)対策として、歳暮ギフトの拡大について大手スーパーと交渉を行う。

  資産運用が好調
■貯金担当―宮本浩利窓口営業部長
▽前年度、定定純増・新規は目標達成。特に年度末は全社員が達成させる意識で一丸として取り組み成果。適時にインセンティブを実施したのが社員のやる気を引き出し、モチベーションの向上につながった▽本年度の目標は、貯金は渉外と窓口が同じで、保険は異なっている▽本年度、貯金は資産運用商品が顕著な成績、推進は10月14日現在89.67%と好調。お客さまにアプローチする際には専門的な知識が必要で、社員は月2回の自主的な勉強会で習得した。
▽その牽引力となっているのが須山尚輝課長代理である。10月15日現在、約3億2300万円を上げている。資産運用の好調が他の営業にも好影響を与えている。
▽データを抽出する社員、DMを送る社員など分担して取り組んでいるのが効果▽データ、システムを活用したDM発送・架電・訪問は、全社員で知恵を出して効果的にアプローチ。特にお知らせしたいDMの発送は特定記録郵便で行うなど工夫を凝らしている。
▽今、窓口ではプラスαの一声運動を呼びかけている。「朝は寒くなりました」の一言が信頼関係を強めるきっかけとなる。


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