「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6793号

【主な記事】

全員営業で全種目達成を目指す
自主性を基本に念願実現
草津玉川郵便局(滋賀県)
藤田智浩局長

 平成27年度も4か月が過ぎ、7月27日には600人が参加して本社主催の2015年度表彰式典が開催された。そうした中、局長と社員が一丸となって営業推進に取り組み、念願がかない初の全種目達成を果たした近畿支社管内の郵便局を訪ねた。滋賀県西部地区連絡会(土田茂樹統括局長/浜大津)の草津玉川局(藤田智浩局長)である。草津市は滋賀県の西南部、琵琶湖岸にあり、江戸時代、東海道と中山道の交わる宿場町として発展した。人口は13万を超え、県庁所在地の大津市に次いで2番目。近世から現代にわたり交通の要衝として栄え、草津宿本陣と芦浦観音寺は国の史跡に指定されている。

 JR京都駅からびわこ線の南草津駅で下車。駅前通りを200メートル直進し、国道1号線を右折して約100メートル進み、交差点を左折してさらに300メートル道なりに進んで、消防署を過ぎ右の側道に入ると草津玉川局。近隣に郵便局がなかったことから、地域住民の要望に応え平成12年12月に開局した。
 藤田局長は昭和62年4月1日付で石山鳥居川局(現・大津栄町局)に採用となり、大津瀬田橋本局の総務主任を経て平成20年4月1日付で草津玉川局長に就任、8年目を迎えている。4月からは総務担当副部会長を務めている。
 スタッフは局長、課長代理、主任2人、月給制社員1人の5人。利用は約1万3000世帯、約2万2200人で、1日当たり280人前後と多い。近隣には立命館大学びわこキャンパスがあり、利用者の6~7割は学生。夕方には学校帰りに立ち寄り、郵便物の差出しが午後5時を過ぎても途切れないことがある。同局は本社特別表彰を受賞、今年度も大いに期待される。

 地域あっての郵便局
 郵便局は長年にわたり地域と関わりを持ち、その活性化と事業の発展に寄与してきた。また、郵便局の使命や役割を果たす上からも地域との関わりが大事だが、学生の利用が多いことから、その意見や要望を聞き、できるだけニーズに応えるようにしている。中国や韓国を中心に留学生も多く、国際郵便の利用がかなりある。
 また、一般のお客さまに対しても、わざわざ来てもらうことに感謝し、接遇にしても可能な限りおもてなしの心で応対、「草津玉川局を利用して良かった。また利用しよう」と言ってもらえるように努めている。

 自ら考え行動する
 藤田局長は「郵便局は、国家公務員の時代から独立採算制で、自らの給与は自ら稼ぐというスタンスの下で経営してきた。民間企業になった現在では、そのスタンスは基本の基本」と語る。
 つまり、「営業や業務はお願いしてやってもらうのではなく、各自、各局、さらには各部会が自主性を持ち、自らやるべきことを積極的に行うのが原点。『やらされ感』がある限り、真の汗をかくことはできず、達成感や満足感を体感するためには、押し付けはしないようにしている。まずはできないと言う前に、とにかく自ら考え自らやってみてほしい」。
 局長になって以来、「与えられた目標は達成するんだという強い思いで社員と共に取り組んできたものの、毎年いずれかの目標がわずかに届かず、悔しい思いの連続であったが、7年目にして全種目達成を実現し、やっと一人前になれた」と喜びを語る。
 お客さまの約7割が大学生という特殊事情があり、郵便以外の目標達成に苦労があるようだ。営業推進に当たっては、業務開始後はあまり手すき時間がないので、全員で推進状況を把握し合い、当面やるべきことや担当者、責任者などを決め、できるだけ遅れが生じないように努め、「絶対に全種目を達成するんだ」という強い思いを持って日々汗を流すようにしていた。目標達成後も手を抜くことなく、最後の最後までベストを尽くすように努めている。

 営業推進会議を開催
 毎朝5~10分のミーティングを行い、前日の営業推進状況や当日やるべきこと、周知事項などを伝えて意識統一を図り、状況によっては局長がコメントする。
 また、毎月上旬には課長代理がリーダーとなり、社員が輪番で司会をして「局内営業推進会議」を開催、各人の目標、今月の取り組み重点項目、担当割り当て、実施内容、計画推進を話し合い、結果を局長に報告し必要に応じてコメントする。

 「防災士」活動を展開
 地域との関わりを日ごろから大事にしており、部会や地区会を挙げて「防災士」の資格取得に取り組んでいる。草津部会では、市役所と連携して小学校や自治会などでの防災活動に出前講座を実施し、防災士の資格がある局長が司会となり、部会内局長と一緒に講話や訓練を行っている。
 藤田局長も本年度に資格を取得したので、今後は積極的に参加し、司会などもやりたいと考えている。このほか、今後は無理なくできそうな局周での活動(職場体験や作品展など)にも、積極的に取り組んでみたいと意気込みを語る。


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