「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6771・6772合併号

【主な記事】

「保険目標」14年振りに達成
静岡南郵便局
堀江輝一局長

 静岡南郵便局は本年度、14年振りに保険目標を達成した。渉外社員のほとんどが前年度比実績アップで達成に貢献している。堀江輝一局長は「連年未達の局が昨年度以上の目標額を掲げて、1月15日の早期達成となったことは、まるで奇跡が起こったようだ」と驚きを隠さない。本年度に就任した石黒有功お客さまサービス部長・副局長兼務の率先垂範による社員指導の成果である。「ヤレヤレ」と言う前に、渉外全社員と同行し営業の仕方を見せた。わずか1年間で営業力を身に付けさせ、営業は楽しいという気持ちにさせた手腕は高く評価される。

 堀江局長は平成26年4月に就任した。静岡県中部の郵便物を集めて全国あてを取りまとめる地域区分局である。郵便物を配達局と地域別に仕分ける作業を24時間体制で行っている。遠隔地あての郵便物を輸送するトラックも24時間休まず、出入りしている。
 堀江局長が力を入れてきたのは防犯と郵便オペレーション。特に、地域区分局として近隣局とお客さまに迷惑をかけることのないよう郵便オペレーションを確立することである。とりわけ中元・歳暮期などゆうパックの繁忙時は、オペレーションをより確実なものにするため近隣局からの上り3号便(19時頃の発便)を定時に発車するよう毎日メールなどで指導、確認を行っている。
 本年度の課題の一つが保険の目標達成。連年未達局であり、昨年度が79%、本年度は目標額がさらに3割増しとなり、達成は困難だと思っていた。それが14年振りの達成となった。堀江局長は「奇跡が起きたとさえ思っている。それも早期突破で、年度末で125%を目指すような状況となったことは、あまりの変化に非常に驚いている。これも社員の努力が大きいが、石黒部長の指導による功績は非常に大きい」と高く評価している。

 営業は楽しいと教えたい
 石黒部長は「これまでは渉外社員に販売の仕方を教えなかったからではないか」と話す。販売会議のあと、勉強会や率先垂範で全渉外社員と同行指導した。5・6月から徐々に推進の数字が上がってきた。ノウハウを教え「営業は楽しいことを知ってほしい」との石黒部長の思いがまさに短期間で実現しつつある。
 渉外社員13人中11人が対前年度比で実績がアップ、全員が営業力を高め、楽しく渉外活動をしていることを証左する数字となっている。販売話法では、今年1月からの相続税の改正と新学資保険の発売も効果的だった。
 昨年度比で一番の実績アップとなったお客さまサービス部の末廣潤一課長代理は、昨年度月間実績が70〜80万円止まりで、自分自身にブレーキをかけ翌月に回していたが、毎月、コンスタントに100万円を挙げるようになった。石黒部長は、末廣課長代理をはじめ伸びしろの社員が多かったのが幸いして、1年目で実を結んだと見ている。
 郵便では年賀はがきとかもめ~る販売が好調に推移した。特殊切手、レターパック、カタログを対象に班ごとに3か月間でゲット50(ゲット30もある)として、50万円(30万円)獲得を目指し、一人ひとりの社員が成果を上げたことも大きい。これがお客さまとの人間関係を築き、年賀はがきの販売などにもつながったと堀江局長は指摘する。

【末廣潤一お客さまサービス部課長代理】
▽対前年度比177%の伸び。昨年度実績は800万円ぐらい、本年度は現在、約1300万円の実績でダイヤモンド章を目指している。実績が伸びた要因に、石黒部長の指導と東海支社の研修を挙げる。特に、後継者育成を目指している支社の“ハイブリッド6”の研修が大きい。これは、優績者6人の研修で同行募集などを行い、互いに切磋琢磨で話法を磨いている▽自分自身で実績増にブレーキをかけ、話法の視野が狭かったと思っている。保険は死亡保障だけでなく、いろいろな見方ができることを学んだ。例えば、家族が5人いても、1人だけに絞って募集していたが、全員を対象にする話法に切り替えた▽切り出しは「相続税の基礎控除が6割になったことをご存知ですか」とお知らせから入る。高齢者のほとんどの人が既に知っているとか、関心を抱く。心がけているのは、一つひとつ確認しながら話を進めていくこと▽毎日外を回る営業経験豊富な石黒部長が来たことで、自然とやる気が出てきた。職場の雰囲気が変わり、社員の和ができたのが大きいと思う。実績のある人から言われると納得できる。

【奥山健お客さまサービス部課長代理】
▽対前年比で167%の伸び。昨年度の実績が360万円、本年度は既に500万円を超えた。伸びた要因は、石黒部長の指導と東海支社主催の研修を挙げる。変わったのは時間管理の徹底。きっちりと目標を決め、これに伴う行動管理である▽かんぽに対する見方・考え方を変えた。売り方を変えれば実績が変わる。保険ではあるが死亡保障だけではない、入院保障、通院対策、相続対策、学資金の準備などと見方を広くした。準備は前日までに済ます。もちろんアポを取って訪問する。成約までの訪問回数は2回ほどだ▽切り出しは「今年の1月から相続税の基礎控除が改定されたことをご存知ですか」。既加入者がほとんどだが、どういうきっかけで加入したのか、健康状態、決定権者、金融資産、家族構成などを聞いてから、どの人に勧めるかなどを決めて保険の話をする。これを聞かないことには保険の話はしないで退出する▽保険の新規を成約するのは営業ではなく業務だと思っている。満期の手続き、死亡保障の手続きなどと同じく新規の手続きであり業務だと思っている。

【木川道宏お客さまサービス部課長】
▽23年に就任。保険を始めて10年、集配が長い。14年振りの達成で奇跡が起きた気持ちだ。石黒部長の同行指導による影響が大きい。社員は、ルビー受章の経験豊富な優績者の指導によって営業力をアップさせることができた▽一昨年度は80%、昨年度は79%で目標未達だった。本年度は目標が3割増加となって、とても達成は困難だと思っていた。4月から月間8%以上の推進、9〜10月で10%に上がった。10%に達すると月間の推進は落ちなかった。目標達成は1月15日、奇跡が起きたと驚いた▽「ヤレヤレ」と言う前に、部長が率先垂範で売り方を見せたことが効果を上げ、渉外社員13人のうち、11人が前年よりも実績がアップした。部長の背中を見て、社員は自主的に取り組むようになり、ゼロでは帰りづらくなったのではないか▽達成した時の社員の喜びは大変だった。職場は盛り上がり、本年度は自然と125%を目指そうとなった。達成旅行には全員が参加して喜びを満喫した。

  二つの模範的な販売話法
【石黒有功お客さまサービス部長・副局長兼務の販売話法のノウハウ】
▽「今年の1月から法改正がありました。ご存知ですか」とお知らせから入る。相続税の基礎控除が改正され、6割になったことを説明する。保険の場合は死亡保険の500万円×法定相続人が非課税になるとの特典がある。死亡した場合、法定相続人が何人いるのかを聞いて、例えば子どもを入れて3人だとすると1500万円までが非課税となると話し、簡保の場合には1000万円が限度額で、限度額いっぱいまで加入できることを説明する。加入している金額が500万円であれば、加入のきっかけなどを聞いていく。そして相続対策等を考えているのであればお手伝いできることを強調する▽10年後に1000万円をためる目標では、1000万円を120か月で割れば月額が出る。10年間、元気で毎月積んでいけば1000万円はできる。しかし、途中で病気をしたり、収入が減ったりしたら無理である。保険の場合には1か月積むと1000万円という保険証書が出る。保険は最初から目標額ができている。途中で何があっても1000万円は確保できる。貯金は、ずっと積み立て累計として1000万円になる。これが保険と貯金との大きな違い。

【鈴木隆夫窓口営業部長】
▽貯金の営業で顕著なのは、投資信託、変額年金保険の資産運用商品販売が前年比1.81倍と伸びたこと。前年度は49.99%の推進率で終えたので、変額年金保険の販売力の強化を図った。販売勉強会を定期的に開催した。渉外社員の月間販売目標を各自500万円と決め、自主的に目標管理と活動を実践。土・日出勤による営業時間の拡大が効果を上げ、5人中2人が年間販売目標を突破した。また、他の2人が前年度実績を超えた。100%まで厳しいが達成に向けて取り組んでいる▽純増はトントンである。払いは多いが、定額新規に力を入れて頑張ろうと声をかけている。保険の渉外は元気が良いので、貯金の渉外も触発されている▽石黒部長は愛知県という激戦区の中でトップクラスの成績を上げていた人で、効果的なセールストークや見込み客の選定などが素晴らしく、同行指導などでそれをじかに見ることができ、社員は幸せだと思っている。保険に煽られて貯金の渉外社員も頑張っている。まさに相乗効果が出ている。


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