「通信文化新報」特集記事詳細
第6757号
【主な記事】部会の“和”が営業の推進力
大阪府豊能連絡会豊中西部会
葛上勇一部会長/豊中寺内郵便局長
大阪府豊能地区連絡会(辻由郎統括局長/豊中庄内西)豊中西部会は、大阪・京都市などのベッドタウンとしての性格が強い。豊中寺内局の葛上勇一局長が平成23年に豊中西部会長に就任し、取り組んだのは部会の“和”。個性的な局長が多い中、まずは相手の話をよく聞くことを心がけた。局情や問題点が違う各局を束ねるのは大変だったが、今では葛上部会長がことさら指示しなくても、課題を克服し、まとまって営業成績を上位へ伸ばしている。
葛上局長は平成7年に父の後を継いで豊中寺内局長に就任した。目指したのは「お客さまにとって良い雰囲気の郵便局をつくること」。雰囲気とは「初対面のお客さまが五感で感じるもので、ほとんどが第一印象で決まる」。毎朝、全員で職場の掃除を行っている。そうした職場の清潔感、適切な言葉遣いや接遇がポイントだと取り組んできた。
部会長に就任し、取り組んだのは部会の“和”。心がけたのは、いったん相手の話を受け入れて聞くことだった。受け入れる姿勢で話を聞けば、相手の立場も理解できるようになったという。あれこれ部会長が指示しなくても、部会の営業成績が徐々に上がってきた。局情や問題点は違うが、ベクトルを同じ方向に向けることができるようになった。「個性的な局長が多い中、良くまとまっている」と豊能地区連絡会の時川忠副統括局長(豊中原田元町)は高く評価している。
葛上局長の好きな言葉は安岡正篤氏の「一燈照遇・萬燈遍照」、その実現に向かっている。「各々が一燈となって一遇を照らす。一燈が集まって萬燈になり遍照となる。一人ひとりが明るく照らし、みんなで万遍なく照らそう」と呼びかける。目標達成後、「どこまでやるの」という声もあるが、「やれるところまでやることが会社のためになる」と呼びかけている。
20年の局長経験から「やれ運命がつまらないの、人生がつまらないなって人は、その考え方がつまらない」(中村天風)という心境に達し今、部会長として各局を回ると社員から笑顔で迎えられる。「これが何よりも嬉しい」。これからは人材育成、業務品質の向上、人間形成の3点に力を入れていくことにしている。
年賀状印刷でV3に挑む
営業の声かけでは、郵便のお客さまには貯金、保険のお知らせを行い、貯金のお客さまには郵便・物販の話をする。社員には「お客さまに笑顔で帰っていただくことが大切であり、局周活動の一環として取り組んでほしい」と訴えている。
昨年度、年賀状印刷販売額は豊能連絡会が近畿管内でトップだった。その中でも豊中寺内局が断トツで、本年度V3を目指し、同会の牽引的な役割を果たしている。全員の1日の目標に対する真剣なマネジメント管理を徹底、電話をかけて来局を促す際の気持ちの込め方が違っている。全員の熱意の積み重ねがトップに結び付いているのだろう。部会の保険販売でも同局のリードが目立っている。
【牧舞・豊中寺内局主任が語る年賀状印刷の好調な要因】
▽全員で毎日の目標を決め必達に取り組んでいる。午前の結果から午後からの取り組みを決める。1日の目標を達成するには、午後はどう取り組むのかを話し合い、全員で声かけを行う▽全員で達成するのだという気持が強く、1日の成果をみんなで評価するのがいい▽昨年は100万円以上を目指し、本年度は120万円以上に挑んでいる▽10月は15%割引を強調してリピーターに来てもらった。リピーターに来てもらうことは最低の条件で、必ず目標を達成するのだという思いが大切▽貯金の窓口では年賀印刷のお知らせを行う、郵便の窓口では貯金のお知らせをすることを局周活動の一環としている▽年賀状印刷では新規の人に「書くのは面倒でしょう」とのトークをポイントにしている。
部会の営業成績が良くなった要因として、社員が参加する三事業の自主研の成果が挙げられる。
【自主研の世話をしている原田憲・豊中寺内局課長代理の話】
▽三事業の自主研は4半期に1回行い、約20人が参加▽本年度は貯金と年賀状印刷に重点▽貯金であれば、どういうデータを基にどうするのかを検討。データは年齢や資産状況など▽自主研では全員の意識統一を図るようにしている。
【時川忠郵便・物販担当副統括局長(豊中原田元町)の話】
▽部会は自営局長4人、社員から局長が6人(女性2人)とバランスが取れ、年齢、経験的にも調和がとられ、お互いに仲が良く部会としてもまとまりがある▽部会長は柔軟に対応し、各局長が部会のベクトルに合わせて取り組む体制になっている。
【辻和久郵便・物販担当副部会長(豊中桜塚)、秋末美幸・営業推進リーダー(豊中小曽根局主任)、安田正浩・業務推進リーダー(豊中岡町局主任)】
▽昨年度は物販が110%と順調だったが、郵便営業収入は91.55%と厳しかった。住宅街ということもあって、いかに事業所をつかまえるかが課題▽窓口で情報を得て役職者に知らせてほしいと訴えている▽役職者が情報を基に訪問し、ゆうパックの獲得につなげている▽物販がいいのは声かけがしやすく、各局の競争意識が強いことが大きい▽年賀状印刷は豊能地区が近畿管内でトップ。牽引役となっているのは豊中寺内局。近畿管内で連続ナンバーワンで本年度はV3を目指している▽年賀葉書は個人消費が減っている。事業所や個人事業主中心に販売していきたい。臨時出張所に力を入れている。緑地公園駅の改札前、阪急オアシスタ夕陽丘入り口付近、各郵便局前(東泉丘局)などで行う予定。本年度は目標の必達を目指している。
保険は自己新記録を目指す
【山居(やまずい)一美・保険担当副部会長(豊中曽根)、西川直美・営業推進リーダー(豊中宝山局課長代理)、宮崎恵美・業務推進リーダー(豊中東泉丘局主任)】
▽本年度、保険は11月末に達成、昨年(12月末)よりも早期達成となった。本年度はどこまで伸ばすかにポイントを置いている。当初に掲げた目標は①目指そう!自己新記録、過去の実績越え!②オレンジファイルの活用。記入量アップ・質の向上③かんぽ生命・支社施策・地区施策への果敢なチャレンジと獲得▽オレンジファイルは声をかけたお客さまを記録した“窓口の宝物”で、昨年度は量を増やすことを目標にし、今年は質の向上も図ることを目指した。声をかけ、アフターフォローによって、お客さまを育てながら見込み客として成約につなげていく。家族や決定権者は誰なのかを、よく聞いて、成約へ結び付けることが大切▽一人当たり年間35万円が目標。何回声かけて成約につながるかを把握して、件数を増やすことが大切▽1週間のオレンジファイルの量を、毎週金曜日に営業リーダーがまとめ、フィードバックしているのが効果を上げた。
【豊島和子・貯金担当副部会長(豊中小曽根)、中村由佳・営業推進リーダー(豊中原田元町局主任)、津田美紀・業務推進リーダー(豊中寺内局主任)】
▽昨年は純増が順調だったが本年度は厳しい。他局で支払いの場合には預入局が減算となる。純増の状況をリアルタイムで把握できないことが大きなネック▽他局で払い戻しされる分のニューマネーの獲得に力を入れている▽窓口に来てもらうことが肝心で、1局10件以上の来局を促す電話をかけることを目指している▽営業を前面に出さないで有利な情報を提供して、「実は今、防犯上でお知らせしたいことがあります。印鑑登録はお済みでしょうか」と電話する▽電話では元気よくトーンを上げて、はつらつとした声を出すことが大切▽毎日、各局の成績を聞き、コメントしている。効果を上げた情報を聞いて、情報の共有化を図る▽郵便局に口座を持っていない若い世代の方に一人でも多く来てもらうため、利用者の裾野を広げようとポスティングに力を入れている▽本年度、12月ではニューマネーの個人獲得金額の目標を設定し、一丸となって取り組んでいる。
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