「通信文化新報」特集記事詳細

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第6745・6746合併号

【主な記事】

日本郵便 手紙とSNS融合の道探る
大学生に郵便教育

 日本郵便は8月26~28の3日間、東京都新宿区の人材コンサルティング会社・ディスコのビルで「大学生による郵便の楽しさのPRの企画制作」と題するワークショップを開催した。
 ディスコが企画する学生インターンシップに日本郵便がコラボレーションする形で、手紙、テレビや雑誌などからも遠ざかり、主にSNSを情報共有手段とする傾向のある現代の大学生が、郵便の楽しさを体験しつつ、就職活動などにも役立ててもらおうと考案された。
 明治大学や立教大学、明治学院大学、神田外語大学、東邦大学、立正大学など11大学から15人の学生が集い、3チームに分かれてディスカッションしながら、郵便の楽しさのPR、将来に向けての郵便とSNSの融合など、郵便サービスの理解・体験と新たな郵便の活用方法を探り合った。
 参加した学生15人のうち、13人が日頃、手紙を書かないメンバー。初日は2通のはがきを作成し、近隣の郵便局に投函に行くなど郵便の仕組みを体験するところから始まった。3チームに分かれ、①郵便の楽しさをPRできる手紙の制作②制作した手紙を基に、10月にJPタワー「KITTE」で開催される「メッセージフェスタ2014」での来場促進に繋がるSNSなどの発信方法の企画とマニュアル作成③今回のインターンシップ・ワークショップでの発見や感動を自らSNSなどに投稿という三つのミッションに取り組み、結果を発表した。
 発表者の発言には「メールには香りがないが、手紙は香りをつけられる」「ワクワク感、サプライズ感がある」「手紙も捨てたものではない」「来場促進メールのアカウントの名称は『ぽすくま通信』にしてはどうか」など様々な意見があったが、一様に手紙ならではの“古くて新しい”良さに気付いた様子がうかがえた。
 日本郵便切手・葉書室の山下健一郎担当部長は「就職活動でもエントリーシートを郵送で要求する企業もある。手紙にほとんど触れる機会のなかった大学生が、逆に郵便をPRする企画に入り込む経験を積むことが大切だと考えた。学生の皆さんが日常使うSNSで、どう情報を共有しているか、こちらもヒントを得ながら、手紙振興とSNSを融合させつつ、手紙文化をしっかりと継承していきたい」と話している。



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