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第6741号

【主な記事】

魅力あふれる新スタイルを
年賀イノベーションアドバイザーが初会合

 郵便創業150周年、「郵政グループビジョン2021」のターゲット年に向けて、年賀状文化をもう一度興隆させていこうと日本郵便が7月31日、東京支社講堂で「年賀イノベーション本社アドバイザー会議」の初会合を開催した。
 ソリューション企画部が中心となり本社と支社約23人、単独マネジメント局とエリアマネジメント局の局長や社員計42人が集い、魅力あふれる年賀の新たなスタイルを探り合った。
 会議では、昨年からの経験者と新メンバーが、これまでの取り組みの改善ポイントなどを共有し、新しい取り組みに向けたイメージを把握するため、専門家による説明やデモンストレーション、ディスカッションなどを行った。人口減少という課題もある中で日本郵便の収益の1割を占める年賀状をより楽しく、長期的な視野で反転攻勢を目指そうと企画された。
 年賀状のあり方を見つめなおすことになったきっかけは平成23年の東日本大震災。「年賀状を自粛するムードが広がるのではないか」と考えたことが発端となった。社内外の有志で「あけましておめでとう」ではない年賀コミュニケーションを提案するために、年賀状印刷用デザインや文例を工夫する過程で、業界連携の必要性を痛感し、24年に「年賀情報交換会」を開催して、年賀関連業界連携による年賀全体のパイの拡大を目指すこととなった。
 その有志の取り組みを、26年度からソリューション企画部で公式に推進していくこととなり、関係部署の幹部によるプロジェクトチームを結成した。
 年賀情報交換会は、半年に一度60社以上の年賀関連業界企業との情報交換のために開催し、9月には7回目が予定されている。
 本社アドバイザーとは、年賀イノベーション施策に取り組み、それによって得た経験とノウハウを基に取り組みを横展開する役割を担った郵便局長や郵便局社員などのフロントラインのメンバーで構成される。今回の「年賀イノベーション本社アドバイザー会議」の初会合は、全員が想いや取り組みのイメージを共有しようとの目的で開催された。
 今年度の年賀イノベーションは、年賀情報交換会に参加する企業の一部と連携し、①全国の郵便局で展開可能な施策を実施希望局で広げ、展開可能性を確認②限られた郵便局のみで行う試行的施策の有効性を確認③各支社の創意工夫により試行する施策の有効性を確認、についても取り組む。さらに、今回選ばれた本社アドバイザーのような社員を、今後増やすことを目指していく。
 今回のアドバイザー会議では、数社の連携企業のインストラクターなどの専門家が、押し花やスタンプを使った美しい年賀状や写真を使った楽しい年賀状を作るプロセスを、本社アドバイザーたちの目の前で実演。
 楽しく、新鮮な年賀状スタイルをどうすれば確立できるのか、実演を見た上で話し合った。今後も全体のパイを拡大できるように、連携の場づくりを進めていく方針だ。
 アドバイザーの一人、新井圭永子局長(宇治西小倉)は「郵便の中でも特に年賀は下火になっている。売らんかなという感覚から“年賀はがきを選んで買っていただける年賀状スタイル”をお客さまに提案していかなければならない」と強調した。
 また、地域を巻き込み「年賀状思い出大賞ろうどく会」や「すてき年賀状作り女子会」を開催した中根千鶴局長(西荻窪)は「年賀状の時期が来ると、枚数のことだけにとらわれがち。しかし、それだけでは行き詰まる。年賀状でこんなに素敵なことができるという楽しさを作り、それを知ってもらうことが、ひいては販売枚数増にもつながる。年賀イノベーションはその目的への挑戦だと思う」と話した。
 佐藤正之局長(座間駅前)も「時代は動く。衰退する一方で、新しいニーズは必ず隠されている。その掘り起しをできるのはフロントラインだ。まだメンバーになったばかりだが、会社の有志の方々が関係者全員で良い形を協議しようとしていることは素晴らしい」と語った。




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